魅力的なチラシデザインにはコツがあります。ポイントを知ることで、相手に伝わりやすく印象よく仕上げることが可能です。今回は押さえておくと為になるチラシ制作のコツをまとめてみました。必ずしもお洒落なことがベストではありません。チラシに興味がある人、チラシ制作に悩んでいる人など、良ければ参考にしてみてください。
良いチラシとは?
チラシを制作しようとした時、最初にやることはデザインを考えることではありません。まずは「誰に」「何を」伝えたいのか、コンセプトを明確にすることが大切です。いくら見た目に美しく仕上げたとしても、見た人にメッセージが伝わらないとチラシとしての機能を果たしているとは言えないのではないでしょうか。
良いチラシとは「ターゲットにしっかりと伝わるチラシ」と言い換えられます。制作側の意図したメッセージをしっかり伝える為に、読みやすさ・わかりやすさ・美しさなどの工夫があるのです。良いチラシを作るために、このことをしっかり念頭に入れておきましょう。
1:基本は「見やすくわかりやすく」
基本的には、「見やすくわかりやすい」チラシデザインであることが前提になります。キーポイントとなる写真を大きく配置すると、何のチラシであるが瞬時に相手に伝えることが可能です。この写真ではさらに外国の楽しいイラストで写真を囲むことで、グローバルかつ賑やかな印象に仕上げています。
上部がポップで楽しげなのに対して、下部はスッキリまとめてあります。写真はアイキャッチに効果的です。上部が賑やかであっても、文字部分がシンプルであると、情報が読み取りやすく全体的には落ち着いた印象を与えることができます。
見やすくわかりやすいチラシは見た人にコンセプトをしっかり伝えることができるのです。その上にデザインの持つ工夫が加わることで、思わず足を運びたくなるような興味を持ってもらえるチラシを生み出すことができます。
2:チラシレイアウトの基本を理解する
伝わるチラシは、レイアウトの基本を押さえています。レイアウトの基本を守ることだけで、チラシデザインがグッと魅力的になります。ポイントは3つ「揃える」「まとめる」「分ける」です。
「揃える」
よく見てみると、1枚のチラシに込められている情報量は多いです。しかし揃えられるとこが全て揃っていると、読みやすくまとまった印象を覚えます。文章や図の端が揃っているだけで、一度のたくさんの情報に接しても見る人は違和感なく読むことができます。基本的には揃えがオススメです。
「まとめる」
グループ化すると言い換えることもできます。単調なレイアウトですと直感的に理解しにくいです。このチラシのように内容に即してグループ化されていると全体の構成をわかりやすく理解することができます。文章+写真やイラストが組み合わさっていることで、より直感的に把握しやすくなります。
「分ける」
重要度に応じてコントラストを加えることで、読み手がどこに注目すればいいか瞬時にわかります。重要情報を目立たせる意味でも、余白をきちんと取るようにしましょう。1文字分ぐらい余白があると全体的に読みやすいです。その上で、重要な情報は色分けしたり大きく配置し、分けて強調することが大切です。この3つの基本を理解していると、チラシ制作がやりやすくなります。相手にもより伝わりやすいチラシを作ることが可能です。
3:色の持つ力を活かす
チラシ制作において、色は重要なポイントになります。
爽やかな瑞々しい緑で統一された中に、ピンクのイベントタイトルが鮮やかに浮かびあがります。同系色だけでまとめるとまとまりがよく統一感が生まれますが、少々地味になりすぎてしまいがちです。そこに鮮やかな色合いを加えることで全体が引き締まり、華やかなチラシデザインに仕上げることが可能です。また強調色が入ることで、読み手にチラシの意味が伝わりやすくなります。
モノクロはカラーよりインパクトは薄れるものの、集中して情報を読みやすくなります。表と色の配色が異なることで印象にも残りやすいと言えるでしょう。色相環を考えて配色すると、色の効果を的確に活用しやすくなります。補色はインパクトを与え目立つデザインに仕上げることができますし、類似色でまとめると色なじみがよく穏やかな印象を与えます。
また色そのものの効果も加えることができます。緑色ならリラックスした雰囲気、ピンクならあたたかい優しさなど、色の力でチラシをさらに効果的にすることができるのです。ただし、色の使いすぎは素人くさくなってしまい読み手の不評を買いやすいです。使うなら3~5色程度に絞って工夫してみましょう。
4:フォント選びを工夫する
フォントの選び方によってチラシデザインの印象は変わってきます。フォントとは同じ特徴や様式によって文字を形成したもののことであり、非常に多くの種類があります。大きな括りでは「和文フォント」と「欧文フォント」があります。通常日本人に馴染み深いのは「和文フォント」でしょう。一番のポイントはチラシに合わせたフォントを選ぶことと言えます。「和文フォント」の基本は「ゴシック体」と「明朝体」に分けられます。
ぱっと見でわかりやすく力強い印象を与えたいなら「ゴシック体」が適しています。まじめで誠実・エレガントな印象を与えるならば「明朝体」が良いでしょう。フォント選びでチラシの反応率は変わってきます。全体のイメージに合致したフォントを選び、バランスよく配置することが大切です。
ただし、あまりにたくさんのフォントを使用すると全体的なまとまりが損なわれてしまいます。1枚のチラシの中で使用するフォントは、3種類くらいが最善でしょう。個性的なフォントは面白い印象を与えることが可能です。
あえて個性的なフォントを活用する方法もあります。こちらのチラシのように手書きフォントを活用することで、黒板にチョークで書いたような個性的で目を引くデザインに仕上げることも可能です。手書きフォントはチラシのワンポイントアクセントに使うこともできますし、あえて前面に活用してオシャレな効果を生み出すことにも活用できます。
チラシのイメージに合ったフォントを選ぶことが効果的です。黒板という統一のモチーフがあっても、モノクロ押しだけでは地味な仕上がりになっていまいます。そこであえて黒板アート風のイラストを添えたり、モチーフを配置することで、明るい印象に変えることもできています。フォントだけでなく画面全体の相乗効果を考えて組み合わせることが特に有効と言えるでしょう。
5:アイフロー(チラシを見た時の目の動線)を考える
チラシは見てもらうことが基本です。その為に人の目線の動きを考えてレイアウトを配置する必要があります。横書きならZ型、縦書きならN型のアイフローが効果的です。Z型やN型に配置されていることによって、ストレスを感じることなく、自然に情報を拾うことができます。
“Keep It Simple Stupid”(シンプルにしなさい!)という名言があります。基本的にチラシは読みやすいことが大前提です。人の体の動きに合わせたチラシ作りは、シンプルかつ読みやすいため、非常に効果的なチラシとして機能します。
人は最初にキャッチコピーなどで興味を惹きつけられたあと、徐々に細かい情報をおっていきます。このことを考えて、中央より上にキャッチコピーを配置し、目線の動きに合わせてより詳細な情報を得られるように配置しておくと、読み手にとって好印象を与えやすいです。
6:気になるキャッチコピーを使う
アイキャッチがチラシを見てもらうための工夫とすれば、キャッチコピーは読んでもらうための工夫です。せっかく見た目にキレイでも、見たり読んだりして情報が読み手に伝わらなければ、効果が得られません。読んでもらうためには、読み手が無視できない気になるキャッチコピーを用いることが効果的です。
例えば疑問文を活用する方法があります。「?」と問いかけがあることで、読み手の興味を簡単にひきつけることが可能です。面白そうな造語を作ることも効果的です。「山道具コンシェル」のように、読み手が「なんだろう?」と気になるキャッチコピーをチラシに組み込むことで、しっかりと読み細かい情報まで伝えやすくなります。
キャッチコピーは、流麗に仕上げる必要はありません。むしろわかりやすい共感を得られるような言葉であるほうが効果的です。また、商品の説明ではなくベネフィット(その商品やお店を使うことで得られるメリット)を伝えるようにすると良いでしょう。
読み手がチラシを読む理由は、自分にとって有益な情報があるかどうかを知るためです。「あなたにこんなメリットがありますよ」「こんなサービスが困り事を解決してくれますよ」「こんな気分になれますよ」など、チラシに書かれた情報の魅力を端的に伝えるキャッチコピーを使ってみましょう。反応率をあげることが可能です。
7:写真は優秀なツール
印象的な写真は非常に効果的なツールです。コンセプトを即座に伝えることもできますし、伝えたい雰囲気をわかりやすくターゲットに届けることができます。基本的に解像度が高く、鮮明な写真が有効です。人物が主役の場合、堂々と真ん中に配置することで瞬時に相手を引き込むことが可能です。
人の顔写真は特に目にとまりやすく、チラシを手に取りたくなる魅力を倍増させます。写真も撮り方によって雰囲気が大きくことなります。使用する写真はチラシ全体の雰囲気を作り出すものや、即したデザインのものを活用することがオススメです。「自信がある!」という心理的な効果も生まれ、チラシデザインのコンセプトがより伝わりやすくなります。
取り上げる人物や商品などの写真が多い場合は、強調したい写真を1つか2つくらいピックアップして、大きめに掲載しましょう。チラシ全体にメリハリをつき印象が良くなります。何が一押しなのかもわかりやすくなり、読み手側にも親切です。裏面の情報量は多いですが、オモテ面が写真を多用しゴージャスで印象が強いことによって、読み手側も一気に読みすすめやすくなっています。
人物写真だけでなく商品写真も有効です。グループ化した文章に写真を添えることで、読み手の理解を助けることができます。文章だけですと伝わりにくい魅力が、写真を活用することで、わかりやすく読み手に伝わります。配置を工夫することで、チラシ全体にリズムを生み出し、より見やすいデザインに仕上げる効果も果たしてくれます。
8:イラストで柔らかい印象を生み出す
写真だけでなくイラストもチラシ制作に有効なツールと言えます。デフォルメされたイラストは、より親しみやすく柔らかい印象を与えてくれます。チラシを通して伝えたいメッセージに合わせて、ツールを使い分けると良いでしょう。柔らかい雰囲気のイラストと説得力のある写真を両方組み合わせると、誠実で親しみやすくありながらも、頼りがいのあるチラシデザインを作り出すことができます。
ただし、闇雲にイラストや写真を使いすぎてしまうと逆効果です。イメージが伝わりやすいですが、使用する際は効果を計算しよく考えて使うようにしましょう。
大切なのはそのチラシが伝えたいコンセプトです。もしイメージにそぐわないなら、あえて使う枚数を押さえる方法も有効です。レイアウトの角度を変えるだけでも印象が変わってきます。垂直ではなく斜めに貼ることで、写真の枚数が多くなっても見やすくすることもできます。多くの写真やイラストを使いたい場合は、レイアウトを工夫してみましょう。
9:文字中心で攻めてみるのも有効
あえて写真を使わない方法も有効です。こちらのチラシは地図や診療時間などの簡単なイラストは添えられていますが、基本的には文字を効果的に活用しています。文字も使い方次第では写真に負けず劣らず有効なフックとなります。全体的に赤みのあるあたたかな作りの中に寒色系の文字が堂々とあることで、インパクトの強いデザインに仕上がっています。
あえて文字の色や大きさを変え、効果的に配置すれば、文字だけでも強力なチラシデザインを作り上げることができます。昨今は画像が溢れているので、文字中心ということで他と差別化をはかる効果も期待できるでしょう。与えたい効果に照準を定め、狙って作れることもチラシの魅力と言えます。
10:チラシの裏面を効果を最大限活用する
チラシには裏面が存在します。表面だけを活用する方法もありますが、裏面を使うことで説得力を増すことができます。チラシを見かけた時、人は僅かな時間で読むか読まないか判断しています。その僅かな時間で引きつける為には、よりインパクトが強いほうが効果的とも言えます。
その為にあえて文字情報を抑え写真などを大胆に起用し、できるだけ人目を引くデザインにすることは有効な手段です。しかし、少ない情報量だと疑問が生じてしまり、読み手が物足りなく感じ興味が失せる可能性も出てきます。そこで裏面です。
表面で注意を引きつけたら、裏面ではより詳細な情報を伝えることができます。何がいつ行われているというだけでなく、場所や地図、問い合わせ先などなど、裏面に記載できる情報は多いです。チラシに興味を持っている人なら、むしろ裏に記載されている情報が細かいほど助かると感じやすくなる場合もあります。表面で興味を持ち、裏面で納得するというコラボ効果で、瞬間的でなく長く人の興味を引きつけることにつながるのです。
これまで登場したチラシデザインは、裏面がモノクロでしたが、もちろん両面カラー印刷も可能です。特に金や銀が使用されたチラシはゴージャスで特別感が増します。そこに両面カラー印刷というポイントも加わることで、ずっと持っていたくなるような、高級感を加えることも可能です。チラシのイメージに合わせて、色合いを選ぶことが大切と言えるでしょう。表面では伝えきれなかった情報を細くすることもできますし、違った側面から情報を記載することも可能です。
どちらが表でも通じるデザインに仕上げることで、手に取ってもらえる機会を増やすことにもつながりやすいと言えます。両面カラー印刷を行う時は、統一感がある方がまとまりが良いです。読み手側も、安心して読むことができ、説得力が増す効果が生まれると言えるでしょう。あえて逆手にとる方法もありますが、カラーはインパクトが強い分、使いすぎると逆に全体を希薄な印象にしてしまいかねません。全体的な効果を考えて配色しましょう。
11:背景を工夫すると世界観を演出できる
こちらのチラシデザインでは水墨画風のタッチで、中国の異国情緒が感じられる印象に仕上がっています。裏面では、薄墨で描かれたような中国風の建物がうっすら浮かび上がっています。このような背景があることで、ただのモノクロではなく非常に洗練されたオシャレなデザインとして活かされています。
写真やイラストの背景を上手に使うと独特の世界観を演出できます。チラシの場合、思わず手元に置いておきたくなるようなデザインに仕上げることは重要です。背景を活用することで、どういったイベントなのか瞬時に伝えることが出来る上に、他にはない効果的なデザインに仕上げることも可能になります。イベントごとの場合、チラシが手元にあることで口コミがしやすくなるという効果も得られやすくなります。独特のチラシなら、誰かに伝えたいという人の思いを刺激することにつながりやすく、集客面でも効果的と言えるでしょう。
12:ワンポイントアクセントの魅力
全体的に落ち着いたシックな仕上がりの中に、中央の赤いラインが人目を引きつけます。統一されたデザインは読み手を安心させますが、強調ポイントがないと何も訴えてくるものがない印象が残りやすいです。チラシで注目を引き付ける為に、ワンポイントアクセントを効果的に使ってみましょう。一番のポイントが相手に伝われば、そのチラシは機能を果たしたことになります。また、ちょっとした飾りを加えることも有効です。
このチラシデザインにおいても、一番のポイントは「ランチ営業開始」ということですが、二番目に「限定30食のカニ濡れ天丼」のことを伝えたいことがわかります。文字だけではわかりづらいかもしれませんが、さりげなくカニのモチーフが添えられていることで、人目を引きつけています。ワンポイントアクセントは堂々と中央に使用することもできますが、意味がわかる程度の大きさでちょっとした飾りとして添えることで、遊び心をプラスすることも可能です。
イラストだけでなく例えば吹き出しやオブジェクトなど、使える素材はたくさんあります。チラシのコンセプトに即したワンポイントアクセントを使い、注目度の高いチラシに仕上げてみましょう。
13:誰に向けたチラシなのか?
中央のイラストが和風で人目を引きますが、文字は英文です。こちらは、外国人向けのイベントであるため、英語が使われています。チラシを作るからにはターゲット層がいるはずです。一番最初にコンセプトを明確にしたように、「誰に」伝えたいのかはっきりさせておくことは大切です。伝えたいターゲット層にわかりやすいチラシこそ、良いチラシと言えます。
幅広い世代に向けたチラシデザインもありますが、ターゲット層が絞り込めていると反応率が良いというメリットが生まれます。相手に届いてこそチラシの効用が発揮されると言えるでしょう。ターゲット層を考えると、使いたいデザインが明確になり、配布エリアや紙の大きさを工夫できるなど、行うべき具体的な行動をはっきりさせることも可能です。
14:デジタル時代だからこそ手書き文字が生きる
文字はその人の人となりを表します。デジタルツールが溢れている現代だからこそ、あえて手書きを活かすと、とても魅力的なチラシに仕上げることが可能です。前面に押し出してもいいですし、ワンポイントアクセントとして使用することもできます。
手書き文字や手書き風のフォントは独特のあたたかさがあるだけでなく、人目を引きつけやすいです。結果的に見た人の心に強く残るデザインに仕上げるためにも、手書きを活用するという手法は有効と言えるでしょう。インパクトだけでなく、文字やデザイン情報だけでは伝えきれない、主役のストーリを如実に伝えてくれるという効果も期待できます。
読み手に届くチラシを作ろう!
コツを押さえて制作すれば、読み手に届くチラシを作ることができます。広告媒体にとって一番重要なのは「誰に」「何を」「どのように」伝えるかです。チラシは手に取りやすい大きさで効果的にメッセージを伝えてくれる有能なツールです。最大限に活用するためにも、コツを踏まえて魅力的なチラシを作ってみましょう。
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