やさしく落ち着いたカラーでデザインした安心感のある動物病院のパンフレット
純色に少しホワイトを混ぜたようなやさしい色合いが特徴のペールトーンを基調にしてパンフレット全体をデザインしました。
表紙デザイン – カラーと模様で印象を作る
表紙裏表紙は落ちついたブルーをベースに、オレンジ色で幾何学模様や足跡などの装飾を加え、素朴なタッチでありながら可愛らしくお洒落なデザインで仕上げました。オレンジ色はロゴマークで使っているものと同じ色を使うことで、こちらの病院らしいカラーを表現しています。
中面デザイン – デザインの統一感と情報の見やすさ
パンフレットの中面は読みやすい白場を基本に、上下の帯と動物たちのシルエットを表紙面で使ったブルー系と合わせ統一感を持たせています。コース内容をわかりやすく説明する表組をメインに構成し、各コースを色分けしてそれぞれの内容を比較しやすいようにデザインしました。
落ち着いた印象を与える優しいパンフレットデザインのポイント
落ち着いた印象を与えるデザインは、トーンや明度などの調整を間違えてしまうと暗い印象を同時に与えてしまうことがあります。そのため、ただカラーを決めるだけではなく、色の調整が重要になります。
落ち着いた印象を与えたい場合は、温かいイメージなのかキリッとした知的なイメージなのかを決めてから色選びをすることが大切です。漠然と「落ち着いた印象を与えたい」と考えても「落ち着いた印象」には種類があるからです。
作例の落ち着いた印象を与えるために意識したデザインのポイントは2つあります。
- パンフレットを見る人の心情を想像して配色を決める
- ペールトーンを使用して優しい印象にする
優しい配色で落ち着いた印象が与えられるデザインのポイントについてお話していきます。
パンフレットを見る人の心情を想像して配色を決める
パンフレットで落ち着いた印象を与えたい時には、まず手にとる人の心情を想像することが重要です。イベントのパンフレットであれば楽しい気持ちやワクワク感を求めているかもしれません。新商品についてのパンフレットならば「内容をしっかりと読みたい」と思ってパンフレットを手にとることもあるでしょう。
作例は動物病院のパンフレットです。大事なペットについて何か不安や悩みを抱えた人が手にとることが想像できるでしょう。その不安や悩みを和らげることがパンフレットの目的の1つになります。
作例では落ち着いたグリーンよりのブルーをベースカラーにしました。ブルーの持つ「安定」といった色彩心理がパンフレットの読み手である飼い主へ安心感を与えられるでしょう。また、ブルーには「冷静・真摯」といった色彩心理効果もありますが、やや冷たい印象を与えがちです。このパンフレットで用いているブルーには、「自然・優しさ」を彷彿とさせるグリーンが混ぜられています。大事な家族であるペットを安心して任せられる病院だと認識してもらう入口として有効な色でしょう。
ペールトーンを使用して優しい印象にする
ペールトーンは薄くはっきりしない色、淡く澄んだ色などと表現されることもあります。どこか白っぽさを感じるような色味で、女性らしさや柔らかい印象を与えることができます。パステルカラーと似ていますが、ペールトーンの方が大人っぽい、落ち着きのある印象を与える色味だと認識しておくと使い分けやしやすいでしょう。
落ち着く色でも使用する面積によって「明るい」「まぶしい」といった見づらさを与えてしまうこともあるため、全体的な配色バランスを考えることも大切です。病院のロゴマークに使用されているオレンジ色に合わせたペールトーンをベースにすることで、パンフレットとロゴのまとまりがでるように配色バランスを整えました。
原色では明るい印象を与えるオレンジもペールトーンになると優しい印象が生まれ、反対色である寒色を使っても違和感なくマッチしていることがわかります。
優しい印象を与えたい場合は、暖色寄りの色味を一部に取り入れたり、ベースとして構成したりするのも良いでしょう。ペールトーンは暖色と寒色の温度差を中和した色味なので、補色に近い色同士でも嫌みなく組み合わせられます。
制作パンフレットデザインに対する感想
VOICE ※第三者による感想です
優しい雰囲気のパンフレットデザイン制作例
くすみカラーが寄り添うような優しさを演出
ミントカラーを基調としたパンフレットの色使いは、全体が流行のくすみカラー。フォントや犬の足跡マークなど、尖った部分が一つもないので、優しい雰囲気がとてもよく伝わります。中面にもミントカラーがあしらわれていて統一感がありますし、白となじみのよい明るいベージュを合わせることで文字がとても読みやすく感じられます。表紙は、フレーム部分に寄せては返す波のようなモチーフをあしらっているので、中央の文字や表に自然と目が向くようになっています。手に取った時に情報が読み取りやすいパンフレットデザインですね。
写真と表の組み合わせで必要な情報を伝える
パンフ中面には、愛くるしいペットの写真がバランスよくレイアウトされています。ドック(検査)の項目も表にまとめられて分かりやすく、自分のペットに必要な検査とその費用の目安がすぐチェックできるのが良いですね。シルエットであらわされた犬と猫も、遊んでいたりくつろいでいたり、思い思いの姿なのがキュートです。飼い主はつい自分のペットに似ている姿を探してしまうのではないでしょうか。
VOICE ※第三者による感想です
色の違いで優しさと明るさをもたらしてくれます。
ペールトーンとユニークな模様の組み合わせ
落ち着いたペールトーンを使いながらも、愛らしさがあります。肉球や抽象的な模様を散りばめてポップな印象もあるからでしょうか。カラフルな配色にすると派手になりそうなデザインも、色を変えるとこんなにも優しい雰囲気になることに驚きました。
飼い主の興味を引く工夫
強く目を引くポイントはないものの、動物を飼っている方ならば、少しでもペットに良い情報が気になるもの。犬猫の人間年齢換算表は飼い主の興味を引く素材のため、大きく表示するだけで手に取ってもらいやすくなるでしょう。
中を開くと明るいベースカラーのため、パンフレット表紙とはガラリと違った印象に。読みやすいレイアウトのため、コースの案内が理解しやすいです。表から中身へ明るさが増すことで、心理的にも明るい希望を予感させます。動物のシルエットや写真を交えているため、医療パンフレットでも重い印象にならないように。
病院ロゴのカラーを活用
自宅のペットを想像しながら、前向きに検討したくなる内容になっていると思いました。病院は白を基調としたパンフレットが多い印象のため、めずらしい配色かもしれません。動物病院のロゴと同じカラーがアクセントに使われているから、記憶に残りやすいと思いました。
心癒すカラーリング〜愛するペットを包み込むパンフレットの魅力
・微妙な色合いが心地よい空間を作り出す
この動物病院のパンフレットデザインは、パステルカラーを基調にした優しい色合いで、心地よい空間を創り出しています。ペールトーンは、ペットと飼い主の穏やかな時間を象徴するかのようです。
・素朴さとお洒落な印象が溶け合う
表紙と裏表紙は、落ち着いたブルーをベースに、オレンジ色で幾何学模様や足跡などの装飾が施されています。この素朴だけどお洒落なデザインは、一見シンプルながらも個性的です。また、オレンジ色のロゴマークは、この病院の特徴を象徴するような存在となっています。
・見易さと情報量のバランス
パンフレットの中面は、読みやすさを追求したデザインとなっています。白地を基本に、動物のシルエットや上下の帯など、ブルー系の色を用いて統一感を出しています。そして、各コース内容が色分けされ、比較しやすいように工夫されています。これにより、飼い主は自身のペットに必要な情報を簡単に把握できます。
・愛情を感じさせるディテール
このパンフレットでは、くすんだ色の使用が心地よさを演出しています。ミントカラーの基調に、文字や犬の足跡マークなどが可愛らしくデザインされています。また、中面には愛らしいペットの写真がバランスよく配置されていて、その飼い主に必要な検査とその費用が一目でわかるように工夫されています。全体的に、このパンフレットは、ペットと飼い主の強い絆を感じさせるデザインとなっています。
※掲載しているパンフレットのデザインサンプル・モックアップはイメージです。実際のサイズ・仕上がりとは異なる場合がございます。