日本と中国の若者交流イベントのアジアンテイストなチラシデザインです。
中国向けに制作したチラシですので、基本的には全編中国語で構成されています。漢字のみの構成になるので、日本語よりもメリハリをつけるのが難しい点がありましたが、フォント使いやレイアウト構成で読みやすく単調にならないチラシデザインに仕上げました。
文化的対話のステージ – 音楽で紡ぐ日中友好
このチラシは、日中の文化交流を促進する音楽イベントを活気あるイラストと共に紹介しています。背景に用いられた伝統的な模様は、二国間の文化的な結びつきを象徴し、イベントが提供する国際的な体験の価値を強調しています。イラストはイベントに出演するアーティストたちの活動的な姿を捉えており、見る人に親近感を与えます。
アーティストの顔ぶれ – 音楽を通じた交流の窓
イベントに参加するアーティストが、鮮やかなイラストで紹介されています。各アーティストの個性が伝わるビジュアルは、音楽ファンにとっての誘引となり、イベントに対する期待感を高めます。このセクションは、イベントが提供するエンターテインメントの幅広さを示し、多様な音楽スタイルを予期させます。
デザイナーの振り返り
■ 日本と中国はどこか通じる要素が多い国ですので、日本的なデザインをベースに考えても違和感無く仕上りました。
■ 前述の通り中国語はリズム感を出しにくく、また可読性を考慮すると、日本語の最小サイズより大きめに取る必要があると感じました。デザインでイベントのコンセプトが、文字内容で大切な情報が伝わるように、気をつけて制作しました。
■ 先方から提供された漫画風のイラストは、敢えて少し傾けてレイアウトしています。チラシが並行的なラインのデザインに終始すると退屈になりかねないので、少し動きを出して仕上げています。
中国語の特性に気をつけながら作成したフライヤーデザイン
ターゲット層に合わせたデザイン戦略
イベントにはターゲットとする層があり、どの層に向けたイベントかによって、訴求力を高めるためにデザインを変更する必要があります。特に異文化交流のような国際的イベント向けのチラシデザインを作る場合、他言語で内容を記載するため、日本語と同じような構成をしていてはリズム感や可読性に問題が出て来がちです。さらに、言語ごとのリズムや音感もあり、文字の大きさや間隔にも気をつけなければ、内容が伝わりやすくインパクトがあるデザインにはなりません。
文字とスペースのバランス
このチラシは、日中文化交流イベントのチラシですので、中国語で作成する必要があります。中国語の場合、漢字のみですので、どうしても字面が黒くなりがちですが、中国語のフォントを少し大きめにとり、字と字の間隔を広めとることにより、読みにくくなることを防いでいます。また、黒帯に白字の部分を混ぜることで単調さを解消し、コントラストの効果で読みやすさとメリハリがついた文章になっています。背景のデザイン面では、和風なデザインと中国風デザインの親和性に着目し、背景の雲と右下の日の丸がうまく調和し、どちらの国の視点から見ても違和感の無い仕上がりとなっています。
文化的に共通している部分もたくさんある
共通の美的感覚
黒帯の部分が毛筆風になっているのも、日中双方で毛筆文化が発展していることから、どちらの視点でも違和感のないデザインです。また、正方形、長方形の枠をもつパーツは、そのまま中央に配置してしまうと硬い印象になりがちです。シンメトリカルなデザインは工業系、技術系のイベントで多用されますが、このような異文化交流系のイベントでそのまま用いると硬い印象になってしまいます。漫画部分の枠が長方形なので、少し傾けることと影をつけることによって硬い印象を取り除き、コマ割りが斜めなのと、枠内で漫画を描いているという設定が強調されうまく立体感を出すことに成功しています。
直感的な理解を促すレイアウト
また、少し傾けて配置したことにより、背景の日の丸が認識しやすくなっているのもポイントです。さらに、字面が最も黒い解説部分を漫画部分とその上のイベント告知との丁度中間に配置することによって、直線で区切ったような効果が演出されています。そのため、直下の漫画部分の傾きがより強調されます。文字を図形のように扱った制作例です。全体的に見て、双方の文化の共通点、相違点にうまく配慮して制作されたデザインになっています。シンプルですが、イベント開催意図の伝わりやすいデザインになっています。
制作フライヤー・チラシデザインに対する感想
VOICE ※第三者による感想です
チラシ右下の赤の使い方がカッコイイですね。
異文化交流のようなチラシデザインを作る場合、他国言語で内容を記載するために、そのレイアウトは日本語とやや違った感覚で製作することが非常に重要になります。中国語のようなケースでは、文章のつくりはやや、欧米の文章構造と似ているので、単語に気を配り、どこで文章を区切ればよいか?を留意すれば、原則左から右へ流れる段落の構成で問題が生じることはないでしょう。このチラシでは、段落ごとのブロックの構成は左右を横断する帯の形をとっており、アジアンテイストの背景と黒と赤が全体の視覚的ポイントになるよう、段落の背景、画像の背景にポイントとして、その役割を持たせています。
漫画を執筆しているような使われている画像は、わずかに右上がりになっています。これは段落と縦に並列するようなち中心揃えでは、全体が平行線で区切ったような印象を受けてしまいがちです。ちょうどチラシの中央に小窓のような枠を設けたような固い動きのない感じになるため、それを防ぐ意味合いが強いと思われますね。一般社団法人アカシアの解説部分は、その上のイベントの告知にかかるキャプションのような役割を果たしているので、あえて均衡を壊す要素を加えることで、レイアウトは動きを加えたものになっています。
背景のイラストは、日の丸を4分割いたような配色の部分が大きなカラーの変化をつけているため、これも、「丸」を感じさせるためには、その上に配置されるイメージ画像は、多少の変化をつけて、このチラシのようにな右上がりの斜めの配置で変化をつけると、背景の形状がよくわかり、非常に効果的になるでしょう。タイトルロゴの部分は、やや読みにくい書体デザインのようですが、日付のフォントが白枠で目立つのと、その下の「China Japan youth」から始まる文章とで、明確な変化があるので、視覚的面白ささえあれば、特にそうした読みにくさを煩わしいと感じることはないですね。中国らしい独特のフォントを使用していますので、背景カラーとフォントの黒の対比が非常に心地良い全体的にバランスの取れたチラシデザインになってます。
VOICE ※第三者による感想です
交流イベントらしく、かしこまった感じのしないラフさのあるデザインですね。
音楽イベントというのはいろいろな目的で行われているのですが、このチラシデザインは、日本と中国の交流音楽イベントという形で行われています。中国向けに作成したようなので、全文が中国語になっているのは当然と言えるのですが、漢字ばかりのページを読みやすくまとめてあるので、すっきりとしている感じがします。背景は少し金色がかった黄色という感じで、豪華な感じが出ていると言えるでしょう。最初に目が行ってしまうのはイラストのところなのですが、4つのコマがあるので、4コマ漫画のような感じです。イラストも個性的ですし、背景が少しもやもやしている感じになっているので、幻想的だと言えるでしょう。しかも今現在漫画を描いている最中のような絵になっているので、とても斬新な感じがします。
題名は墨を使って書いている感じが出ているのですが、墨が若干はねているのがとても自然な感じですし、手書きで行っている感じがしっかりと出ているチラシデザインです。
※掲載しているフライヤーデザインサンプル・モックアップはイメージです。実際の用途・サイズ・仕上がりとは異なる場合がございます。