自然溢れる山道の風景をイメージした写真展の告知ポスターデザイン例。
爽やかな自然の息吹きを感じるようなグリーンを背景に、野草のシルエットをランダムに配置し、まるで山の中に分け入ったような自然の存在を間近に感じるポスターをデザインしました。
タイトルの工夫 – 縦書きと文字の配置のバリエーション
タイトルは縦書きで右側に寄せて『山路』は大きく強調し、『写』は四角いベタで囲んで斜めに傾け写真をイメージしました。文字の大きさやバランスに変化を持たせることで、題字で展覧会のコンセプトや趣旨を表現しています。
風景写真と写真家ポートレートの組み合わせ
メインビジュアルには息をのむような美しい山の風景写真を一枚選定し、その下に16人の個性豊かな写真家のポートレートを並べました。『山路』をテーマにした複数の写真家による展覧会であることをビジュアルだけでも伝わるようにデザインし、様々な視点から切り取った山の風景が楽しみになるポスターに仕上げました。正方形のフォーマットでデザインしているため、このままInstagramなどにも投稿可能です。
タイトルのレイアウトで興味をひきつけるポスターデザインのポイント
ポスターデザインのタイトルは、イベントのテーマに直結しているものが多いです。ポスターでは、写真やイラストといった視覚要素でインパクトを出す方法が主流ですが、文字情報からもインパクトを出すことができます。
興味を惹きつける手法
わかりやすいキャッチコピーや派手な書体ではなく「テキストのレイアウト」を工夫することで読み手の興味を惹きつけるデザインにしています。テキストで興味をひく要素の1つとして「違和感」があります。あえて違和感を覚えるようなレイアウトにすることで、行き交う人を立ち止まらせることができるのです。
文字の傾斜やズレ、背景色の使用
通常ならば、タイトルフォントは一列に整列してレイアウトされます。ここに違和感を持たせる場合は、タイトルの中の1文字だけを斜めに傾けたり、あえて文字をズラしたりしてレイアウトする方法が考えられます。一部の文字だけに背景色を入れ、白抜きにするのも面白いです。
アクセントカラーと全体のバランス
こうしたテキストの違和感は一番目立つタイトル部分に入れるのが有効です。イベントのテーマやメインを表す漢字1文字のみを加工すると、強調が生まれます。タイトルが長い場合も、違和感は有効です。アクセントカラーを使って、目立たせたい部分だけ色を変えて違和感を演出することもできます。ただ、アクセントカラーを使用する場合は悪目立ちしないように、全体とのバランスも考えることが大切です。
適度な違和感の範囲
先ほど「違和感」という言葉を使いましたが、やりすぎは「違和感」を越えてしまい、ポスターの可読性やデザイン性を下げてしまうことにつながります。あくまでも「違和感」の範囲内で工夫することが大切です。
タイトルを見ただけでどんなイベントなのかが伝わるような、面白い違和感を加えてみましょう。人の心理に訴えかけることができる「違和感」を上手に使うと、文字情報からも大きなインパクトが出せます。
制作ポスターデザインに対する感想
VOICE ※第三者による感想です
深い緑をベースに「山」と「自然」を表したデザイン
緑と黒の清涼なカラーが魅力的
ボタニカルなパターンをあしらった若竹のような明るいグリーンの背景、そこへダイナミックにあしらわれたタイトルの黒が効いています。写真の「写」だけ黒い図形の上に白抜き文字で表現しているのが、程よいアクセントになっていますね。メインには、神話の世界に迷い込んだような深い緑色が印象的な写真が使われています。写真が緑色メイン、背景もグリーンとなると、どちらも存在を消し合ってしまいそうに思えますが、色の濃淡を変えることで、互いが引き立ち、「山路」というテーマを強烈にアピールすることに成功しています。
写真家たちの個性あふれる写真が彩りに
メインの写真の下には、参加した写真家たちのプロフィール写真が掲載されています。同じサイズでも、それぞれが個性にあふれ、彼らがどのような写真を撮るのか知りたい気持ちが高まります。緑色がメインになっているデザインの中で、プロフィール写真群が彩りを添えていると言っても良いのではないでしょうか。しっかり伝えたい日時や開催場所は緑の背景にもくっきり映える黒色で、そのほかの情報は白抜き文字であらわしてバランスを取っているのも特筆すべき点と言えます。
※掲載しているパネル / ポスターデザインサンプル・モックアップはイメージです。実際の用途・サイズ・仕上がりとは異なる場合がございます。