新しく自分のお店をはじめたオーナーや、手作りの雑貨を販売する作家さんなど、自分の事業を紹介するツールが必要だと感じることが多いのではないでしょうか。そこで思い浮かぶのが、手渡しやすいショップカードや名刺の類。同じようなサイズ感のカードですが、両者の違いはどこにあるのでしょうか。
名刺とショップカードの違い
名刺とショップカードの大きな違いは、その目的にあります。
名刺は、自分の氏名や連絡先を特定の相手に伝えたり交換するために使うもの。主にビジネスの場で初対面の際に交換し、以降の連絡のために活用します。
一方、ショップカードは、お店や事業などの宣伝を目的としたもの。店先やテーブルに置いておきお客様が自由に持って行くことができたり、商品と一緒に手渡したりすることで「小さなチラシ」のような役割を果たします。
同じような規格のサイズを使いますが、掲載内容にもそれぞれ違いがあります。
●名刺
・氏名
・会社名(ショップ名・屋号など)やロゴマーク
・所在地
・連絡先(電話番号やメールアドレスなど)
・ホームページのURL
・SNSのアカウント情報
●ショップカード
・会社名(ショップ名・屋号など)やロゴマーク
・所在地
・営業時間・曜日
・ホームページのURL
・SNSのアカウント情報
・商品やお店などのイメージ画像やイラストなど
・検索ワードやQRコードなど
名刺は個人や企業などに直接連絡を取れる情報を載せるのに対し、ショップカードは不特定多数の人へお店や事業を知ってもらうための情報を掲載します。
似たようなものに見える二種類のカードですが、制作する目的には明らかな違いがあります。仕事上の取引などのB to Bなシーンでは名刺を、お店や事業の宣伝をするためのB to Cのシーンではショップカードが必要になります。名刺交換の場でショップカードを名刺代わりに渡すこともできますが、オフィシャルな席では名刺も別に用意しておきたいですね。
ショップカードの効果的な作り方
はじめて利用したお店やサービスを再び利用しようとする際、「あれ?なんていうお店だったっけ」と思い出せずに他の店やサービスを代用した経験はありませんか?利用する側にとっては代わりがあれば大差のないことでも、提供側から見れば貴重な再来のチャンスを失ったことになります。
こうしたセカンドチャンスを失わないためにも、ショップカードの利用をお勧めしたいところ。初来店の時にショップカードを渡しておけば、店の場所や名前を思い出そうとした時に見返してもらえる可能性が高くなります。
ただし、単に店やサービスの紹介しか載っていないショップカードの場合、捨てられてしまうことも多分にあります。捨てられないショップカードを作るためにはデザインはもちろん、内容にも工夫が必要です。
名刺は一枚ペラで表面だけの印刷の場合もよくありますが、ショップカードの場合は、もっと自由に用途に合わせて企画することができます。
名刺と同じサイズのカードの場合、表側を店の名前とロゴマークなどのデザイン要素のみにし、裏側にマス目を用意しスタンプを押したり、来店日を書き込める欄を作ってポイントカードにしたり、カード持参の方にサービスを付与するクーポン券やパスポートにするなど、お客様のメリットになるショップカードは捨てられにくく財布などにキープされやすくなります。
また、サイズも、開くと倍の面積になる名刺サイズの二つ折りや通常の規格以外のサイズのものでもショップカードを作ることができます。
例えば、雑貨やアクセサリー販売の場合は、商品の台紙にし、そこに店名やロゴ、URLやSNSのアカウント情報を入れると台紙兼ショップカードになります。
カードの形も四角形だけに留まらず、ショップやサービスの個性に合わせて、任意の形にカットした自由な形のショップカードも良いでしょう。とくに、店頭に置いておくタイプのショップカードなら形自体が目立つカードだと興味を引きやすいと言えます。
逆に顧客に常に持ち歩いてもらいたいカードなら、財布に入れやすい定規格のサイズが良いでしょう。サイズやデザインも用途やターゲットに合わせて企画することが効果をもたらすポイントです。
伝わりやすい名刺のデザインとは
ショップカードと比べ、オフィシャルなシーンで活躍することの多い名刺。初対面で手渡しすることから、互いの第一印象の決め手となるツールであるとも言えます。名刺交換をした後は、互いの名刺を見ながら、そこから話が発展するケースも少なくありません。
ショップカードは、個人の名刺とは違い、お店や事業の紹介ツールとなることから、比較的自由に企画することができますが、名刺の場合は、第一に相手にとって読みやすいものであるかという点が重要視されます。
どんなにお洒落でかっこいい名刺でも、いざ連絡しようとした時に読みづらい名刺では本末転倒です。ショップカードよりも掲載すべき事項が少ない名刺は、要素を整理し、目立つべきものをしっかりと見せ、細かな部分も読みやすい可読性に優れたレイアウトやデザインが求められます。
そのために気をつける点は、「余白量・揃え・強弱」の3点。
周りに設けるスペースに余白量が多いと、印刷部分がよく目立ち、比較的上品な印象になります。反対に、余白スペースが少なく、印刷部分が多いと、印象が強くアクティブなイメージになります。両者ともにバランスや文字の大きさなどに気をつけないとこじんまり見えたり散漫なイメージになる場合もあるので、余白と共に要素の配置の仕方にも気を配らなくてはなりません。
そのバランスに大切なのが「揃え」と「強弱」。
会社名や氏名、連絡先などの文字情報は頭揃えか文末揃え、または、中央揃えで揃えるのが鉄則。横書きの場合は、文頭で揃えると自然な流れで美しく整い、文末揃えだと少しデザイン的には難しくなりますが先進性を感じる印象に、中央揃えは上品な印象にまとまります。また、企業名や個人名と連絡先などの情報を左右それぞれに分けて揃えると合理性を持った堅調なイメージになります。
そして、揃えと同時に気を配りたいのが「強弱」。
見せたい部分がどこなのか、文字の大きさや太さ、色や書体の変化などを使い、他の情報と差別化してデザインする方法です。強弱を大きくつければ、必然的にフューチャーする部分に目が行き、伝わりやすいデザインになります。しかし、強弱をあまりに意識し過ぎると、主張の強すぎるデザインになり上品さが損なわれる場合もあります。
名刺のデザインをする際は、どのような印象を相手に与えたいのかを考え、「余白量・揃え・強弱」のバランスをとることが鍵です。その上で、印刷する素材の材質にこだわったり、装飾的なデザインに配慮することで、お店や企業の個性にマッチした名刺に仕上げることができます。
まとめ
名刺もショップカードも相手が受け取ってうれしくなるようなデザインであると印象がアップします。とくに、ショップカードの場合は手渡しするだけでなく、持って行ってもらう場合も多いので、思わず手に取りたくなるような見た目であることが重要です。
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