商品紹介や会社紹介をする際、あると便利なのがパンフレットやリーフレットといった、ページごとに編集された紙媒体。営業先で名刺代わりに渡したり、訪問先でページをめくりながら説明したりと、使い方はいろいろありますが、どんな媒体がどのようなシーンに役に立つかご存知でしょうか?
紙媒体には、パンフレットやリーフレットのほかにも、カタログやチラシ、フライヤーなどさまざまな種類があります。それぞれどのような特性があり、どんな目的に適しているのか見ていきましょう。
パンフレットとリーフレットの違い
紙媒体の中でも同じようなイメージがあり、区別しづらいものに「パンフレット」と「リーフレット」があります。どちらも何枚かのページに分かれており、商品や企業の紹介に適した紙媒体というイメージがありますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
両者の違いはその名前にヒントがあります。
「リーフレット」とは、「葉っぱ」を意味する英語「leaf」が由来になっており、その名の通り「葉」のような1枚の紙からできているというのがリーフレットの意味。
A4やB4の紙を2つ折り~4つ折りにし、折られてできたページごとに情報を編集してデザインされています。
それに対して「パンフレット」は、ラテン語の恋愛詩集「Pamphilus seu De Amore」に由来します。12世紀頃刊行されたこの詩集は人気を呼び、仮綴じの小冊子という形で広く出回ったことから、同じような形態の小冊子を「Pamphilus」から「パンフレット」と転じて呼ばれるようになったといわれています。
また、ユネスコの規定では、49ページ以上の非定期刊行物を「書籍」と定義し、表紙を除いて5ページから48ページまでのものを「小冊子」としています。一般に、パンフレットはハードカバーなどの厚みのある表紙ではなく、何枚かの紙を重ね中心をホッチキスなどで留めた製本されていない小冊子のことを指します。
どちらの語尾にもついている「let」は「小さい」という意味を持ち、手軽な紙媒体を意味しています。
パンフレットとリーフレットに適した用途とは
一枚の印刷物からなるリーフレットと複数枚の印刷物からなるパンフレット。それぞれどのような用途に適しているのでしょうか。
リーフレットは、一枚の紙を折りたたんで使うため、厚めの紙に印刷することが多く、折れたりシワになりづらい傾向があります。また、片手におさまるハンディなサイズが多いため、手渡しやすく店舗などにも置きやすいのが特徴です。また、チラシなどの一枚ものよりは情報量が多く見やすく設計されており、パンフレットよりも手軽でシンプル。商品やサービスの概要を説明するにはちょうど良いサイズです。
リーフレットに適した用途
・商品紹介
・サービス紹介
・店舗紹介
・フロアマップや館内マップ
・ダイレクトメール
・プログラム など
それに対しパンフレットは、ページ数が多い分、より丁寧に詳しく情報を載せることができます。例えば、商品やサービスに興味を持っている人への説明や資料としての活用やマニュアルなど、書籍までのクオリティは求めないものの、読んでもらうことを目的とした場合に便利な媒体です。
パンフレットに適した用途
・企業・学校案内
・取扱説明書
・営業用ツール
・施設の利用案内
・防災やゴミ出しなどのハンドブックやルールブック
・フリーペーパー など
リーフレットは、渡しやすく受け取りやすい手軽なツール。名刺感覚で自社の商品やサービスなどを紹介するのに適しています。パンフレットは、リーフレットと書籍の間の存在で、興味を持っていない人にとっては読むのが少々億劫になるものの、興味を持っている人にとっては理解を深めるための「読み物」として役立ちます。
用途やターゲットを考え、適した媒体を使い分けたいですね。
その他の紙媒体の種類
リーフレットやパンフレット以外にも、販売促進に役立つ紙媒体は各種あります。
形態はほぼ同じでも使われ方やデザインの違いで呼び方が異なるものも存在します。名称と用途を知って、広告戦略に役立てましょう。
カタログ
体裁はパンフレットと同じ形式のものが大半ですが用途が異なります。
カタログの語源はギリシア語で「登録する」「記載する」という意味を持つ「カタロゴス」という言葉に由来するそうです。
昔の日本では当て字で「型録」と表記されていた歴史があり、文字通り型式や商品スペックを記載する目録的な使われ方をします。商品がずらりと掲載され、注文番号や価格なども記載し、そのまま通信販売に使えるものや、家電や雑貨などの販売ラインナップを紹介するパンフレットとしてもよく使われます。
ブックレット
文字通り「小さな本」と呼ぶにふさわしい形の小冊子。分類的にはパンフレットと同じカテゴリーにあたりますが、パンフレットよりも小さくしっかりとした作りであることが多く、糊付けされて製本しているものもよく見かけます。用途としては、CDなどに同梱されている歌詞カードにあたるものや、ブランドブック、フォトブック、小さい絵本など。情報の伝達を目的としたパンフレットよりも、手元で保存しておくことに重きを置かれています。
チラシ
さまざまなサイズの一枚ぺらの印刷物で広げて見てもらうような作りになっているチラシ。もともとは「散らし」と書かれ、文字通り町のあちらこちらに散らすように配られていました。
制作経費が比較的安く済むチラシは、紙媒体の広告としてはもっともポピュラー。新聞折り込みやポスティング、ダイレクトメールなどさまざまな方法で配布されています。
フライヤー
戦時下、飛行機から撒くチラシを「flyer」と呼んでいたことに由来します。チラシと同じように一枚ぺらの印刷物を指す広告媒体。チラシはさまざまなサイズ展開があり、どちらかというと生活に密着した業態が多いのが特徴ですが、フライヤーはA4/A5サイズが多く、ライブや音楽イベント、映画の告知などカルチャー的な要素の強い業態に特化して呼ばれる傾向があります。
ビラ
「ビラ配り」「ビラを貼る」などという言葉で聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。意味としてはチラシと同義で、具体的な区分けも定義もありません。「ビラビラした紙」などと紙の様子を表す擬態語や「紙片」の「片」が語源だと言われています。感覚的には折り込みやポスティング、DMなどで配布する印刷物を「チラシ」、街頭などで手配りしたり貼りだしたりする印刷物を「ビラ」と呼ぶ傾向があります。
まとめ
「小さめのパンフレットがリーフレット、大きめのパンフレットがカタログ?」といったように意外とざっくりした感覚で認識している人が多い紙媒体の種類。業種や企業によって呼ばれ方が異なることもあるので、ここで紹介した概要が必ずしも当てはまらない場合もありますが、広告制作に携わる職種の人や依頼する側の人なら一般的な知識として持っておきたいものです。
媒体ごとの特徴を知ることで、高度な広告戦略も可能になります。紙媒体で販促ツールを作るなら、その道のプロに相談するのも一つの手。どのような媒体を選び、どういう組み合わせで印刷物を制作すると効果的な販促ができるのか。ネットで完結するサービスもあるので思い立ったら相談してみるのも良いのではないでしょうか。
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