ハガキタイプであれば宛て名スペースの下、封筒タイプであれば挨拶状など、お客さまが、送られてきたダイレクトメールの一番はじめに目を通す文面が「挨拶文」です。
商品やサービスの紹介に入る前の導入部分である「挨拶文」は、本来伝えたいことの前段にあたるため軽視されがちな部分です。
しかし、挨拶文は訪問販売におけるセールスパーソンの挨拶のようなもの。家にやってきたセールスパーソンの第一印象が良ければ、「話しを聞いてもいいかな」と思えるように、ダイレクトメールにおいても、挨拶文の印象が良ければ「続きを読んでみようかな」という気持ちにさせることができます。
どのような点に気を配ると、「続きを読んでみたくなる」挨拶文になるのでしょうか。
新規顧客に警戒されない挨拶文の作り方
仕事の事しか語らない四角四面なビジネスライクなセールスパーソンと、礼儀がありながらも気さくで話しやすいセールスパーソン。あなたならどちらと取引がしたいですか?ケースバイケースではありますが、後者の方が印象良くスムーズに話が運べるのではないでしょうか。
ダイレクトメールは手紙と同じで、宛て名に書かれた方に送る私信。ビジネスライクな定型文からはじまる手紙は、誰に送っても差し支えない内容である分、個々の興味を引くことも少なく「私には関係ない」という判断をされてしまいがちです。
とくに、新規開拓など面識のない相手に送るダイレクトメールの場合は、挨拶文で共感を得やすい話題やテーマを扱うことで相手の警戒心を解き、続きを読んでもらいやすくなります。
「学習塾」のダイレクトメールの挨拶文例①
突然のご案内失礼いたします。弊社は全国300か所で塾を開講している○○会グループです。今夏、全国の○○会で夏休み無料特別講習を行います。
「学習塾」のダイレクトメールの挨拶文例②
受験生の暑い夏がやってきました!この夏の過ごし方が合否を決めます。今の勉強法に不安な受験生の皆さん、全国300か所で学習塾を展開する○○会グループで、受験勉強のコツを体験してみませんか?今なら無料講習のエントリー受付中!
同じ「学習塾」のダイレクトメールの文頭でも、話題の持って行き方で随分印象は変わります。①の文例では、企業側から一方的にビジネスライクな自己紹介をし、行う予定のサービスを紹介しています。②では、季節に即した話題から入り、相手の抱えている問題や不安要素を解決する手段として自社やサービスの提供を紹介しています。
ダイレクトメールで大切なのは、「あなたのために用意した特別な情報を案内します」という、相手のメリットを主軸にした情報の案内です。
自分にとって得のない一方的な売り込みと判断された時点で、そのダイレクトメールは失敗に終わります。
そうならないためには、ターゲットをよく理解し、相手の立場に立った内容の編集が必要です。話題や言葉遣いをターゲットや業種に合わせ、相手が受け入れやすい文章でのアプローチを検討しましょう。
ターゲットが不安や問題を抱えていると推測される場合には、問題提起やその解決方法を、季節柄に合わせた需要の発掘には、共通の話題を通し期間を限定したサービスの案内など、相手の生活を豊かにするための案内であることを強調することが大切です。
既存顧客をその気にさせる挨拶文の作り方
ダイレクトメールで一般的なのが、既存顧客に向けリピート促進を目的としたハガキや封書。すでに何らかの形で取引があった顧客に宛てたダイレクトメールは、親密な関係の構築が目的となります。
来店型の店舗やサービスの場合は、接客を担当したスタッフからの挨拶やメッセージが入っていると、自分に宛てて書かれた特別なメッセージとして受け取られ、より店舗や企業に愛着が湧きます。継続利用を促すには、商品やサービスの品質はもちろんのこと、顧客との間の信頼関係づくりがキーポイントとなります。
「ネイルサロン」のダイレクトメールの挨拶文例
○○さま
先日の「さくら」をイメージしたネイル、評判はいかがでしたか?
○○さんのきれいな指に、春らしい淡い色合いがとってもお似合いでした。
さて、日に日に暑くなり、真夏ももうすぐです。
キラキラ輝く夏の太陽にピッタリな、さわやかなイメージのネイルはいかがでしょうか?○○さまをイメージしたデザインも考えています!
お時間ある時に、いつでもお越しくださいね。お電話お待ちしております。
文章や文字の上手い下手ではなく、自分だけに宛てて書かれたメッセージは相手からの思いを感じさせます。手書きで挨拶文を書いたり、署名だけでも手書きで添えると印象は随分変わります。
お店やスタッフのファンになってくれるお客さまは継続した利用が見込めます。利用後のサンキューメールや、再来タイミングに合わせたダイレクトメールは、関係構築が見込める顧客へ定期的に送ることで効果を発揮します。
また、既存の顧客には、新規顧客とは異なる特別な特典やサービスなど、お得意様としての扱いが感じられるサービスの案内が効果的。顧客それぞれと個の接点がなくても、「お得意さま特別優待セール」や、「誕生日・お付き合い記念日特典」、「継続利用○周年記念プレゼント」など、企業と顧客とのつながりをきっかけにした企画やダイレクトメールは、利用促進を大きく後押しします。
休眠顧客を再びアクティブにする挨拶文の作り方
しばらく音沙汰のない、かつてお付き合いのあった休眠顧客。もしかすると、競合へ流れてしまったかもしれませんが、そこで不満なく過ごされているとも限りません。季節の折り、新商品のリリースなど連絡できるタイミングを見計らってダイレクトメールを発信することでカムバックしてくれる可能性は十分あります。
休眠顧客にお知らせをする際には、なぜこのタイミングで声をかけるのか、戻ってきてもらえることをどれだけ期待しているかを伝える挨拶文が必要です。忘れていた人には思い出してもらい、再び利用を検討してもらうきっかけをつくります。
「化粧品の通信販売」のダイレクトメールの挨拶文例
○○さま
紫外線が強くなってきたこの頃、お肌の調子はいかがでしょうか?
以前ご利用いただいていた「○○○○○○○○」ですが、紫外線をブロックする○○○○○や美白成分○○○○○を増量し、装いも新たに生まれ変わりました。
今回は商品リニューアルを記念し、ご愛用されていた○○さまにサンプルをお送りします。新しくなった○○○○○○○を試していただき、是非ご感想をお聞かせください。
お得なカムバックキャンペーンも開催しております。再び○○さまの美肌づくりにお役に立てる日を、スタッフ一同楽しみにしております。
挨拶文で、以前利用していたことを伝え、知らせるべき目的をしっかりと伝えます。安心して戻ってきてもらえる環境があることを印象付け、再来を促します。再来顧客に向けたメリットも用意できると一層効果的ですね。
まとめ
軽視されがちなダイレクトメールの挨拶文。しかし、売り込み一歩手前の挨拶だからこそ、企業や担当スタッフの姿勢や人柄が印象付けられます。
ダイレクトメールではじめに目にする挨拶文は、販促物全体の第一印象。丁寧で親しみやすい印象を勝ち取ることができれば、売り上げや反応率にも大きく関わります。ターゲット像を正確に把握し、受け取る相手の心に響くような挨拶文でダイレクトメールをはじめたいですね。
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