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楽しいストックキューブOXO Cubes。100年以上に渡って食卓を一変させてきたブランド・デザインを紹介


手のひらに乗る可愛いサイズの箱にOXO Cubesがぎっしり入っています。

このストックキューブには歴史も美味しさもグッと詰まっています。

このコラムでは、「O」「X」をパッケージにも商品にもシンボリックに使うOXOを紹介しましょう!

 

OXOって何?

Oxo Cubesのパッケージデザイン

OXO(オクソ)はストックキューブ、ハーブやスパイス、乾燥グレイビーやイーストエキスなどを扱う食品ブランドです。

1840年、ドイツ人化学者ユストゥス・フォン・リービッヒ氏によって濃縮された肉エキスが発明されます。1866年には、リービッヒ氏の会社が英国にて商品化。当時の製品は肉エキスと4%の食塩のみを合わせた粘性のある液体でした。商品はOXOという商標を導入、この名前は不明であるもののox(雄牛)が由来と言われています。

1910年に最初のOXOキューブが製造されます。液体の商品は多くの家庭には手が届かないものでしたが、同社は1ペニーで販売できるキューブ状の固形物を開発する研究プロジェクトを立ち上げます。

第一次世界大戦に1億個が提供されたOXOキューブ

OXOのヴィンテージなパッケージデザイン

・OXOのヴィンテージなパッケージデザイン / Björn Wylezich – stock.adobe.com

キューブ状の固形物OXO Cubesを作ることに成功し、この時点で安価になり人気が高まっていきます。

OXO Cubesは第一次世界大戦中に大活躍します。イギリス軍に1億個もが提供されたのです。部隊の非常食の標準セットに入れられ、それらはすべて個別に手で包まれたものだったそうです。兵士はそのキューブをお湯に溶かし、体を温める飲み物を作ります。このように、OXO Cubesはタバコや紅茶とともに本国から送られる嗜好品の一つだったのです。

OXO缶に、使用済み弾丸と厚紙のOXOキューブボックスが入っていたものが今でも美術館に残っています。

 

OXO Cubesの楽しいパッケージデザイン

ここで、OXO Cubesのパッケージの一つを紹介します。

Beef flavour meat-freeは、ビーフフレイバーにもかかわらず肉類不使用、人工保存料不使用であり、ヴィーガンの人にも利用できる商品です。

Oxo Cubesのパッケージデザイン2

Oxo Cubesのパッケージデザイン3

Beef flavour meat-freeは、赤と緑の2色づかいがシンプルです。箱は縦6.5cm、横4.5cmの小さなサイズで、キッチンのどんな棚にも置けます。

Oxo Cubesのパッケージデザイン4

Oxo Cubesのパッケージデザイン5

Beef flavour meat-freeは、赤と緑の2色づかいがシンプルです。箱は縦6.5cm、横4.5cmの小さなサイズで、キッチンのどんな棚にも置けます。

Oxo Cubesのパッケージデザイン6

箱を開けると香ばしい香りがしますが、さらに楽しいのが中のキューブがXシェイプをしているところです。

Oxo Cubesのパッケージデザイン7

12個入りの価格は1.75ポンド(約290円)、イギリス家庭で手軽に購入されています。

 

OXO Cubesのマーケティングとは?

マーケティング

OXO Cubesは、マーケティングの一環でロンドンオリンピックのスポンサーになります。ロンドンオリンピックと言っても2012年のものでなく、1908年開催のオリンピックです。

そして、選手たちに栄養補給のためにOXOの飲料を提供したのです。

その後、1966年にラジオ局Wonderful Radio Londonにスポンサーとして番組を持ちます。この番組の一部でレシピを毎日紹介していたのです。

さらに、1983年には広告キャンペーンとして、民放のテレビでデビューします。父親役にマイケル・レッドファーン氏、母親役にリンダ・ベリンガム氏、そして子役に3人というオキソファミリーがイギリスの日常を送るなかで母親役がOXO Cubesを使っています。

Youtubeから当時のテレビコマーシャルをご覧ください。ジョークやイギリスの家庭が垣間見れます。

https://youtu.be/fBBSzXbDhM4
https://youtu.be/bB8V-M787v0

このようにして、OXO Cubesが一般の味になっていき、今でもどのスーパーマーケットでも買えることがまったく当たり前という存在になっているのです。

 

OXOの商品を紹介

Oxo Cubesのパッケージデザイン8

起業当時はビーフストックのみでスタートしたOXOですが、今ではチキンやラム、野菜フレイバーもありますし、チャイニーズやインディアンレシピも販売しています。

上で紹介した固形のストックキューブは砕いて食事や肉汁の風味づけに使ったり、熱湯に溶かして使用します。

固形だけでなく、ポットに入ったパターンもあり、すべてがグルテンフリーです。また、OXO Ready-to-use Stockというパウチ入りの商品はすべて英国内の牧場からの原料で作られています。

どの商品もOXOのロゴから、それぞれのアルファベットを自由自在に配置してあって、見て楽しいパッケージデザインとなっています。

OXOのウェブサイトには商品を使ったレシピのページがあります。

https://www.oxo.co.uk/Oxo/media/documents/OXO-Recipes-Website-2019-All-Recipes.pdf

イギリスの家庭料理は、ローストビーフやローストチキン、じゃがいもを使ったパイ系のものなどオーブンに入れるものが多いのですが、このようなレシピにストックが欠かせません。また、寒くて暗い冬には体を温めるスープもいろいろあり、ストックが使われます。

英国料理がどんなものか興味のあるときは、OXOのレシピページを見ていただければ納得できるでしょう。

 

OXO Cubesはイギリス家庭料理を支える

OXOの缶パッケージデザイン

David Pimborough – stock.adobe.com

歴史のあるOXO Cubesはイギリス兵士たちをサポートしました。古いOXOの缶はヴィンテージ愛好家のなかではとても人気です。

そして、今では多くの家庭でよく使われる食材の一つとして、OやXの文字がキッチンで存在感をだしています。

 

参考:
Recipe Reminiscing (https://recipereminiscing.wordpress.com/2015/03/04/the-history-of-oxo/)
Wikipedia Oxo (https://en.wikipedia.org/wiki/Oxo_(food))
OXO (https://www.oxo.co.uk/)
National Army Museum (https://collection.nam.ac.uk/detail.php?acc=2000-12-401-1)


<プロフィール> ビスコム
ロンドン在住ライター。イギリスに住み、さらに強くなったデザインやアートへの興味をライティングに活かす。インテリアにも食指が動き、Edward BulmerやWilliam Morrisのセンスに憧れる。剣道道場運営やボランティア活動も行ない、バランスのとれた在英生活を満喫中。

 

※掲載商品・パッケージ等のデザインは当サービスの制作実績ではありません。

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