デザイナーの道を志す人にとって一つの分かれ道となるのが、デザインや美術に関する学校へ通うか否かです。実際に社会に出ると、独学や変わったキャリアからデザイナーへ転身した人はたくさんいます。学校と独学、それぞれにメリット・デメリットがあるようです。今回はそんなトピックを クリスティーン・マジー(Christine Maggi) 氏の動画からご紹介したいと思います。※翻訳・記事掲載は許諾を得ています。(Thank you, Christine Maggi – Design Gal !!)
以下翻訳内容です。
こんにちは。この動画を見ていただきありがとうございます。Design Galのクリスティーン・マジーです。
今日はデザインの勉強のために大学に行くべきか独学するべきかについて調べたいと思います。それぞれの長所と短所、私の経験、そしておすすめについてお話しします。お楽しみに。
デザインを大学で学ぶメリット
では、大学から始めます。
大学の長所は基本的な成功の準備をしてくれることです。
ちゃんと授業に出席したり課題をこなしたりすれば、よいデザイナーになり、よく学び、成長できるでしょう。大学にはカリキュラムがあります。毎日居るべき場所と時間が得られます。締め切りのある課題が与えられます。これらすべてが、プロフェッショナルの世界で実際に職を得た時の為のすぐれた練習となります。大学生活の終わりには、十分な量の作品を手にしていて、見習いデザイナーとして職を探すための良いポートフォリオを作ることができるでしょう。
私の場合もそうだったのですが、大学の伝統的なグラフィックデザインではデザインの理論についてたくさん学びます。つまり、するべきこと・してはいけないことを学ぶ代わりに、なぜそのように機能するのか・しないのかについてを学びます。
大学での体験はすばらしいことばかりです。私は楽しい時間を過ごしました。多くの人に会えます。良いつながりが結べて、それは将来とても頼りになるコネクションとなります。
デザインを大学で学ぶデメリット
それでは短所はなんでしょう。
時間がかかります。大学のほとんどは4年制で、副専攻学生だった私のように5年かかる場合もあります。入学から卒業までの時間がとても長いですが、その過程でじつに多くを学べます。大学ではとても高いレベルの成績が求められることがあります。研究課題と授業がたくさんあり、うまく調整しなくてはいけません。大学生活でのストレスをうまく処理できない人もいます。
一般教養とは違って、学士号を取得するためには、専攻とは関係ないけれども単位取得には必要な、受けたくない授業に出なくてはいけないことは言うまでもありません。学んでいることはすべて最終的には人としての幅を広げてくれるのですが、時間を無駄にしているように感じる場合もあります。あまり関心のない授業に出るのはそれほど苦痛ではないにしても鬱陶しいかもしれません。
もうひとつ考えておかなければならないのは、大学はとても費用がかかり、わたしと同年代以下の人たちのほとんどが今でも学資ローンの返済を続けているということです。冗談でなく大変なんです。ですから、もし生活費を自分で稼ぎながら大学へ通っているか学資ローンを組む必要があるならば、卒業後も払い続けなければならない学資ローンは大変な負担になることを知っておいてください。
また、もしデザインを身につけて最新テクノロジーの世界に深く関わることを考えているなら、歴史的に見て大学はテクノロジーの進化するペースについていけてないことを頭に入れておいてください。テクノロジー専門の大学でなければ、私の見た限りほとんどの学校でテクノロジー関連の教育は不十分です。技術進歩についていけてないため、Web開発やUI/UXなどに関するかぎり、ごく基本的なことや時代遅れな内容を教えているにすぎません。ですから、実際に技術系に進んだ学生ならば、大学の授業ではおそらく学ぶことができないWeb開発やUI/UX といった特定の領域についての多くは独学しなければならないでしょう。
デザインを独学で学ぶメリット
さて今度は独学の長所を話しましょう。
急がせたり、期限を課したりする人は誰もいません。できるときに、できることを、できる分だけやればいいのです。だれも勉強のスケジュールを押し付けないので、何かを学ぶための時間がもっと必要であれば、いくらでも時間をかけられます。それとともに、とても柔軟なスケジュールを立てられるので、日中働いて夜勉強する必要があれば、完全にそのとおりにできます。
いずれにせよ将来的にフリーランスデザイナーになりたいのであれば、そのような生活のリズムに対する練習にもなります。独学するということは、家庭面と仕事面での責任をうまく調整するやり方をあらかじめ学習することを意味しています。ですからフリーランサーとして成功するための準備にもなるのです。
言うまでもないですが、学資ローンの借金はゼロです。おそらく書物やオンライン授業などを使った勉強のための出費はあるでしょう。しかし、大学の授業料の総額よりも費用ははるかに少ないでしょう。
最後の良い点、特にテクノロジー業界で職を得たい場合の独学の長所は、技術進化のペースに歩調を合わせていけるということです。大学ではテクノロジーの勉強のペースが乱されますが、独学ではそれがないので、状況に応じて学んでいっているわたしたちの業界の人々と同等のレベルまでなれます。
デザインを独学で学ぶデメリット
では、独学のマイナス面はなんでしょうか?
その1番目は、勉強を続けるためのモチベーションをしっかり持っておかなければいけないことです。だれも勉強を強制しないし、決まった時間に授業に出席する必要がないので、毎日しっかり勉強に専念しなければなりません。
次の短所は、フレキシブルなスケジュールのもとで自分のペースで物事を進めるのに慣れてしまうので、代理店で職を得たり、自宅でフルタイムで働くのがつらくなることです。特に代理店の仕事は納期が非常にタイトで、とても速いペースで仕事を進めます。ですから、もしやりたいときにやりたいように、ゆっくりと仕事をするのに慣れていたら、追いつけないかもしれません。
もうひとつの短所は、何をどう勉強するかを見つける責任は自分自身にあるということです。ネット上に情報はたくさんありますが、何を勉強するかについての責任は自分自身にあります。また、自分の作品を批評できる人が周囲にいないかもしれません。大学のクラスには、自分の作品を批評するクラスメートがいるし、教授も批評してくれます。でも、ひとりだったら、自分の作品を見て、どうすれば良くなるかを教えてくれる人はいません。そういう人を見つけるのはとても困難です。また独学では、同じ分野を一緒に勉強している人々との学生生活が経験できません。ですから独学を楽しんでいる人もいれば、孤立し孤独に感じる人もいるかもしれません。
私の経験を言えば、先に言ったように学資ローンをまだ返済中の大学でデザインを勉強しましたが、とてもよかったと思います。私は段取りを組む力が身につきました。いつまでに何をするかを教えてもらうための段取りはうまくつけられます。複数プロジェクトの段取りを適切に組んで、期限内に完成させることで、代理店の設定する仕事をうまくこなすのに必要なリズムを体得しました。それが、お金と時間があるなら大学へ行くことが実社会に出るための準備としてベストだと私が感じる理由です。
しかし、大学がだれにでも向いているわけではないことも理解しています。リアルの大学に行くよりも独学やオンライン授業のほうがうまくいく人もいます。やり方はいろいろあります。デザインを独学するための情報はどんどん増えていますが、本当に良い基礎が1箇所で得られるところは見たことがありません。私が見た限りでは、大学で得られる教育に匹敵するものはありません。
学資が準備できるかわからない場合は、いつでも奨学金を探せます。オンライン授業もあります。コミュニティカレッジへ行くというのもあります。準学士を取得することもできます。費用面が大きな心配の場合でもうまくもっていく方法はあります。
しかしもう一度言いますが、自分にとってベストな勉強の方法はどれか?教育を受けるベストな環境はなにか?によるので一概には言えません。それぞれに長所と短所があるので、どちらがいいかは何を求めているかによります。あらゆる人にこちらが良いあちらが良いとは言いたくありません。しかし私の経験ではデザインを大学で学んでよかったと思っています。とても役立ちましたし、他の人にとってもそうでしょう。
しかしまた、大学へ全く行ったことがないけれども、私よりはるかに優秀な人たちも知っています。生まれつきの才能に恵まれているかどうかにも関係しています。もしそうであれば、手厚い指導もデザインの仕方を勉強する必要もなく、優秀な即戦力となります。そういう人はとにかくやってみてください。邪魔はしません。
この動画で大学と独学の概要をわかってもらい、正しい決断に役立てばいいのですが。
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ありがとうございました。それでは。
created by Christine Maggi – Design Gal
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