昔から仲の良かった友達に、突然「実は私、ロボットだったの」と告白されたことがある人は流石にまだいないでしょう。でも、皆さんはそんな未来がやってくるのも、それほど遠くはないと感じているのではないでしょうか。それは、少し前まで遠い未来のSF映画の中の出来事だと思っていたことが、手に届く現実の世界ですでに実用化され始めているからです。
私たちが想像できることは、全て現実に形に出来ると言われています。では、今回集めたような動画の内容のようなことも実際に生身に人間で出来る日が来るのでしょうか。未来のことはわかりませんが、映像の世界では次から次へと斬新なアイディアが生まれており、私たち人間の身体を自由自在に操ることが可能になりました。(※紹介する動画は当サイトの制作事例ではありません)
「波」の朗読を波形で表現した動画制作例
THE WAVES
20世紀モダニズム文学を代表するイギリス人作家のひとり、ヴァージニア・ウルフの小説からの抜粋の朗読をユニークな手法で描いた動画です
「DepthKit」というVV(Volumetric Video)を製作するツールを使用しており、物体を3Dスキャンしたように再現することが可能になる新しい技術です。20世紀初期に紡がれた言葉が、最先端の技術と組み合わさると、今までにないテクスチャーが生まれ、新たな意味をそこに加えてくれるような感覚になります。実際、冒頭の「I do not know myself sometimes.」という「時々自分自身のことが分からなくなる」という言葉が、無機質な映像に乗せられることで、より空虚で混沌とした世界を伝えているように感じます。
美しい文学的な言葉の後ろに流れる雑音のような耳につく機械音と常に動き続ける波形が、人間の心の機微や移ろいやすさを芸術的に演出しています。背景のベースが淡いピンクを基調にしていることで、女性小説家として劇的な最後を遂げたヴァージニア・ウルフの複雑な女性性が垣間見れるという点でも、細部まで作り込まれた作品といえます。
ボール人間のダンス動画作成例
M.O.T.I.O.N.
https://vimeo.com/180307714
オートデスク社が提供する3次元コンピュータグラフィックスソフトウェア「Maya」を使用して製作されたモーションキャプチャ技術を使った動画です。バレエシークエンスを彷彿させる振付とチェコの作曲家スメタナの名曲「我が祖国」の「モルダウ」が優雅さを表現しつつも、人間を象るボールが不安定さを加えているというのが、絶妙なコントラストになっています。最後に出る「MOTION IS EMOTION」という言葉こそが、この作品の世界観を見事に集約しています。
完璧なシークエンスと美しさを供えつつも、どこか危うくて、脆い。人間のもつ多様な感情そのものを、この作品は「動き」で表現しているように感じます。この動画は非常に短いものではありますが、今後この技術を使えば様々なアート作品にも利用できそうですし、ダンスだけでない色々なジャンルのコラボレーションも可能だと思います。今や映像編集は、ただカメラで撮った映像をいじるだけでなく、第2、第3の技術との連携によりより複雑で高度な編集が可能となりました。同時に作品の幅も無限に広がっているのです。
色彩と質感を存分に満喫できるスポンサーリール動画制作例
2016 AICP Sponsor Reel – Dir Cut
AICP(Association of Independent Commercial Producers)の2016年度のスポンサーリールです。アメリカ広告界の栄誉でもある「AICP賞」のスポンサーを表現する動画ということで、映画でいえばアカデミー賞で流れるROLEXのコマーシャルのようなものです。モーションキャプチャの技術で、毛皮や羽根といったあらゆる素材の人間がそれぞれの素材を活かしたダンスを展開していきます。その動きはもちろん、全体としての色彩と質感、場面転換、全ての要素とメジャー・レイザーの「Light It Up」の曲調と見事にマッチしています。
視聴者に短時間でインパクトを持ってメッセージを伝えるという、コマーシャルの存在意義を改めて認識させられるような芸術的にも秀逸な作品です。ちなみに、このAICP賞の受賞作品はあのMoMA(ニューヨーク近代美術館)にアーカイブとして永久保存されるということからも、そのレベルの高さを理解できます。
万華鏡のようなダンスシークエンスが美しい動画制作例
CHIMERA
イギリスを拠点とするアート・デザイン・ファッションなどに関する動画製作・配信をする「NOWNESS」が発表した「CHIMERA」というアート動画です。ダンスをベースにしたショートフィルムのような構成で、ギリシャ神話に登場するライオンとヤギのハイブリッドで、尻尾が蛇の頭という「キメラ」を題材にしています。黒を背景に、全く異なる雰囲気をもつ4人のダンサーがシャープに踊ります。映像の構成がまるで万華鏡のような切り替えを巧妙に使用しており、よりビビッドに幻想的な世界観を演出しています。
「キメラ」のもつ、強さと多面性が、幻想的に表現されており、最初と最後に登場する白い衣装の女性の表情が、さらにこの作品に深みを与えています。この動画は最新の複雑な技術を使うのではなく、シンプルな動画編集技術だけで人間の身体と動きをここまでシャープに仕上げています。シンプルとはいえアーティストの動きを計算し尽くした高度な編集であることには間違いありません。このように映像編集と一言で言っても様々な手法と技術が使われているのです。
「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。
動画編集・映像制作料金と作例
■映像編集・動画制作について
デジタルサイネージや展示会などのPR用の動画編集、商品やサービスを紹介する店頭動画、SNSやWEBサイトでの利用を想定したWEB広告動画の制作など、様々な動画編集・映像制作業務を行なっています。動画編集の代行・委託・外注については気軽にお問い合わせください。
■動画編集・映像制作例はこちら
イベントや商品のプロモーション映像編集サンプルなどを紹介しています。魅力的なタイトル映像や、動画のイメージに合ったナレーション・テロップ入れなど、動画編集に必要な様々な作業にも対応しています。