一度見ただけじゃ真似できない、緻密にデザインされたロゴ

これまで様々なロゴデザインを特集してきました。シンプルなものから、動物もの、カラフルなもの、変わったフォントのものなど。そのどれもが個性的で企業や団体を表す顔としてロゴデザイナーの渾身の力作だと感じます。しかし、昨今の流行もあってかどれもミニマムでフラットな印象を受けるのです。実はシンプルで簡潔なものほどデザインするは難しいのですが、ロゴにはより洗練された印象を持たせたいという思惑もありますし、誰もが真似できるぐらい簡素な方がロゴとして覚えられやすいということもあります。

そんな中、あえて複雑で細かなディテールにこだわって作られたものもあるのです。一度見ただけじゃ到底覚えられないようなロゴだったり、しばらく見てると目がチカチカするようなロゴなど。今回はそんなデザイナーの仕事が光る緻密なロゴをご紹介します。(※紹介するロゴデザインは当サイトの制作事例ではありません)

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不気味な蛾もここまでくるとスタイリッシュなロゴデザイン

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アメリカを拠点とするイラストレーター事務所のロゴデザインです。イラストレーターを代表するロゴということもあり、そのデザイン性の高さは言うまでもありません。黒を基調にして、真ん中に蛾のモチーフ、そしてその中心にはドクロのようなシンボルの「V」マーク、見れば見るほどその綿密な構図の中に新しい気づきがあります。この「V」にはちょっとしたトリックがあるようで、事務所名の「VACVVM」、読み方は「バキューム」つまり後半の「V」は「U」として使われているということです。

よく見てみると、ロゴの下の「INTERNATIONAL ILLVSTRATION CVLT」の、「V」を「U」に置き換えるとその意味が通るようになっている！その意味は、「国際的イラストカルト」ということ。本来最も重要なはずの名前すら、少しぼかしてしまうところ、そして11人のイラストレーターが所属しており、オンラインでアートワークの販売をしているにもかかわらず、団体としての情報はほぼ掲載されていないホームページにも、一貫した綿密なブランディング力を感じます。

作り込まれたシンプルさが光るバーのロゴデザイン

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ブラジル各地に店舗を構えるバーのロゴデザインです。黒枠で囲まれた店名の下に書かれている「CARCIRENIA BAR」とは日本で言うところの「肉バル」です。真っ赤な輪切りになってしまった牛と黒字のコントラストが、スタイリッシュさを演出しています。黒い枠がバーカウンターを彷彿させるので、精肉店が直卸する美味しいお肉と美味しいお酒を楽しめそうだな、というイメージをこのロゴだけで感じ取らせてくれる、というのは、その綿密で巧妙なデザイン性があるからこそではないでしょうか。また、高品質ビーフを使ったハンバーガーを売りにしているバーということも、この輪切りの牛から連想することができますよね。ロゴに潜んでいる様々な情報に気付けば気付くほど、デザインの面白さにさらにハマってしまいます。

ちなみに、ブラジルというと国民的名物料理は「シュラスコ」、牛肉はもちろん、鶏肉や豚肉を串に刺して炭火焼するブラジルスタイルBBQ。お肉の調理にはうるさそうなブラジル人の目に止まるようなロゴとしても、このロゴは非常に優秀ではないでしょうか。

タコスの本場でも異彩を放つようなフードトラックのロゴデザイン

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ドミニカ共和国のフードトラックビレッジに店舗をもつタコスショップのロゴデザインです。ドミニカの首都と同じ名前の店名「Santo Domingo」の頭文字とタコスのイラストを使うという意味では、どシンプルなデザイン構図ともいえますが、イラストのタッチやフォント、そして手を合わせているようなシンボルが、ユニークでこのロゴの存在感を一気に引き上げてくれていますね。人口のほとんどがカトリックと言われているドミニカで、どこか神聖にも見えるこのロゴは、特別なイメージを与えているのではないでしょうか。

カリブ海にある国ということで、レゲエなイメージのビビッドな色彩が好まれるのではというイメージがありますが、逆にこのロゴのようなシンプル配色が街中では目を引くのかもしれません。どのような環境でそのロゴが使用されるのか、ということまで細かく考慮されていることを感じざるを得ない、秀逸なロゴです。

クリエイターのためのデータベースのロゴデザイン作成例

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ジャーナリストであり写真家のジョン・ピーボディ氏が創設した、あらゆるクリエイターに関する情報を発信するデータベースサイト「THE HAND AND EYE」のロゴデザインです。定規とコンパスに目という組み合わせは、あの有名な秘密結社を彷彿させますが、当然ながらロゴデザインの意匠として明言はされていません。このサイトは、職人や、クリエイターとして起業を考えている人の支援を意図していることもあり、たくさんの手足を必死に動かして動くカニをモチーフにしているのかもしれませんね。細かいラインの多いイラストをベースにしつつも、一切の無駄がなくバランスが絶妙で、目が肥えたクリエイターたちが信頼して活用できる場であることを、ロゴひとつでも実証しています。

このロゴは、Tシャツのパターンに採用され、一般販売もされたようで、その事実がこのロゴのデザイン性を証明しています。

神話の挿絵風のイラストを使ったエンブレムタイプのロゴ

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ガーデニングや家庭菜園、造園に関連したプロダクトやサービスを提供している米国の「Ceremony Botanical Studio」という店舗のロゴマークです。エムブレム状のデザインの中央には神話に登場しそうな人物が描かれています。

右手に蛇を持ち、左手に抱えているのは水瓶です。ギリシャ神話では蛇は守護神の象徴であり、またネイティブアメリカンは「再生」の象徴としているので、そこに着想を得ているのかもしれません。古い書物の挿絵のようなイラストは木版画のような雰囲気です。文字も含めすべての線の太さが一定ではなく、人の手を感じさせる仕上がりになっています。

古い詩集の挿絵のようなハチミツブランドのロゴマーク

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ミツバチを讃えるかのようなフォルムの手、花、創業年、ブランドの頭文字で構成されたロゴマークです。ひとつひとつの要素はシンプルなのですが、三角のエッジを極端に角丸にしたようなボーダーや、グリッドにとらわれていなさそうなレイアウトなどによって、ほのぼのとしたテイストになっています。ブランディングを中心に活動している米国のデザインスタジオの作品です。ギリシャの蜂蜜ブランドのために作られたロゴマークですが残念ながら不採用だったようです。

伝統を引き継ぎ後世に引き渡す農園のロゴマークデザイン

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ニューイングランドの４代続く農園のロゴマークです。家族経営で行われている農業ですが、決して古典的ではなく、高品質の農産物を生産し続けるという理念がが表現されています。マークデザインは、徹底してクラッシックを追求しています。手書きのイラストを採用たしたマークは、オーガニックのイメージを与え、農園というよりもオーガニック商品を取り扱う会社かと思わせるロゴマークに仕上げています。

広大な自然と太陽の恵みを表現したロゴデザイン

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広大な敷地にさんさんと降り注ぐ日差しがとても明るい印象を与えるロゴです。きちんと整えられた畑が美しく、太陽の光を沢山吸収して育った作物はきっととても美味しいでしょうね。農園のイメージをポジティブに伝えるだけではなく、そこから産出される作物にさえ良い印象を与えるロゴデザインです。実際のサイズよりもかなり大きくデザインされた太陽が、とても効果的な様ですね。

魔法使いをモチーフにした神秘的なロゴデザイン例

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ステレオタイプ的な魔法使いは決まってフードの付いた衣装を身にまとっています。そのため、魔法使いといえばフードの衣装、フードの衣装といえば魔法使いをそれぞれ連想してしまう人も多いはずです。ただでさえミステリアスな“魔法使い”的な人をモチーフに、紫色とゴールドによって表現される妖しい光が加わり、神秘性を際立たせています。この不気味なイラストは、ビールのブランドのために作成されたロゴデザイン。クラフトビール愛好家を煙に巻き、気づかぬうちにいくつものボトルを空にさせることでしょう。

曲線を強調した女神のロゴデザイン

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1番目の法律事務所のロゴと同様に、目隠しをして、剣と天秤をもつオーソドックスな姿を描いています。髪型や衣服の裾部分は曲線を強調するデザインで、しなやかな美を表現しているよう。ネイビーのみであらわされたフォルムは、繊細に描かれた版画のような風合いです。

正義を司るのは、ギリシャ神話、ローマ神話ともに女神です。ギリシャ神話ではテミス、ローマ神話ではユースティティアという名前ですが、どちらも「Lady Justice（正義の女神）」という名称で呼ばれることがあります。剣をもち、公正さをあらわす目隠しをして、高く天秤を掲げているのが共通の姿です。古くから絵画や彫刻によくあらわされ、タロットカードの「正義」もこの女神が描かれていることがあります。