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デザイナー

デザイナーとしての優秀さは、フリーランスの成功とは直結しないと思う。

フリーランスとして独立した経緯は人によって様々だと思います。上手くいっている方、苦戦している方、様々ではないでしょうか。デザイナーは独立開業に伴う準備資金が他の業種に比べて安いため、簡単に独立することが出来ます。悪く言えば”安易”に独立できてしまいます。

 

独立するということは、単に組織から離れ、自適に働くことではありません。フリーランスは立派な経営者です。料理が上手いだけで飲食店を開いても成功することは難しいでしょう。飲食店であればある程度料理が上手いのは当然です。大切なのは、立地やプロモーション戦略などなど、一見料理とは程遠い様々な要因を絡めてビジネスとして経営していく事ではないでしょうか。デザイナーも同様だと思います。

単にデザイナーとして優秀かどうかだけが、フリーランスとしての実力を決めるわけでは無いと考えています。

ライバルとの差別化や、ポジションをどう取るかがとても重要です。

 

ネットからの集客

これはあくまで僕のケースですが、ネットから顧客を獲得する方向に完全に舵を切っています。

事実、昨年顔を合わせた顧客はゼロです。

ネット集客のポジションをとった理由は3つあります。

 

1. 印刷会社・デザイン事務所が減少中

地域でデザインを依頼する構造が崩壊し、主戦場がネットへ移行しつつあります。印刷会社は2〜3日に一件程度のペースで無くなっているそうです。特に地方は代わりのデザイン会社や印刷会社が見つかりにくいためか、問い合わせの割合が多くなっています。

 

2. 多くの顧客と繋がることで、リスクを分散させる

日本中が商圏となるので、それだけ多くの顧客と繋がることが出来ます。ネット上で業務を完結させるため、深い繋がりを持つ事は難しいですが、収益を安定させる事ができます。いわゆる”大口顧客”にあたるような関係はありません。その分、1〜2社の取引が無くなったとしても大きな影響はありませんので、交渉の場面で弱気にならずに済みます。

 

3. WEBサイトがビジネスのプラットフォームになるから

例えばクラウドソーシングで上位クリエイターになったとしても、将来何らかの理由でサービスが終了した場合どうなるでしょう。(トップクラスの人は何らかの形でまた勝てるとは思いますが)  実績を積み重ねる為の”プラットフォーム”は自分の管理下に置いておくのが良いと思っています。ニーズに合わせてサービスを変化させたり、追加したり、WEBサイトを育てていくのも醍醐味です。

 

起業する・フリーランスになるということ

起業する・フリーランスになるということは、”市場に自分(サービス)を売り出す事”だと思っています。デザインスキルは勿論ですが、スキルオンリーで考えるのは経営としては良くないと思っています。商品の見せ方・ライバル分析はフリーランスとして生き残る為の大前提ではないでしょうか。

 

僕はデザイナー(プレイヤー)でいることには、あまり固執していません。目標は、運営サービスの知名度を高めることで、僕がいなくても機能する事です。いつの間にかデザイナーが別の人になっても、問題なくサービスが運営されるのが理想的ですね。

スタッフを雇用した理由は、単に忙しいからではなく、チーム化することで”サービス運営の恒常性”を強化できると考えたからです。(将来的には4人くらいにしたいなぁ…)

 

良いサービスって何だろう?と考えた時の一つの答えが
明日も、明後日も、来年も、そのサービスを利用できることだと思うんですよね。

 



グラフィックデザインを中心とした小さなデザイン事務所を経営しています。スタッフや外部のデザイナーさん・ライターさんに助けられながら、コツコツと地道に仕事をする日々が気に入っています。パッケージメーカーのデザイナーとして新卒入社→美容系のベンチャーに転職→家庭用品メーカーに転職...という流れを経て、その後独立しました。フリーランスデザイナーとして、10年以上の経験から学んだことや雑記をブログにしています。情報発信が趣味に近く、それが興じてPhotoshop関連の本を出版したり、noteを執筆したりしています。