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断るということの大切さ

受けるだけが仕事じゃない、断るという選択肢の大切さ。

仕事を断ることは、仕事人・デザイナーにとって必須のスキルです。特にフリーランスのデザイナーや、フリーに近いワークスタイルで働いている人、クリエイティブな職業に携わる人にとって、自分の限界を知り、適切に対処する能力は仕事を続ける上で不可欠。今回は、自分が仕事を断る時の判断基準やそう考える根拠について書きたいと思います。

 

自分のキャパシティを知る

自分のキャパシティ

キャパを超えている、超えかけているな…と感じたら、僕はとにかく断ります。

キャパを超えかけている状態というのは、例えば「んー…頑張ったら出来るかな」くらいの状態。それでもわりと断る方が多いです。その理由は、自分のキャパシティを超えて仕事を引き受けると、結果的にクオリティが低下し、クライアントにも迷惑をかけることになるからです。

デザイナーとして、良い成果を提供するためには、自分が本当に対応可能な範囲を見極めることが必要です。クライアントがいる以上、つくるものは、自分が納得できるものではなく、【クライアントの要件を反映させたもの、彼らが満足できるもの】でなければなりません。それを提供し続けるには、ある程度の余裕が必要です。

 

停滞せず、成長を続けるために

デザイナーの燃え尽き症候群

ある程度の余裕を作ることが、成長に繋がると信じています。実際に、無理をして仕事を引き受け、最終的に潰れてしまったデザイナーやクリエイターを何人も見てきました。

彼らはいわゆる「燃え尽き症候群」になって創造力を失い、最悪の場合、業界から去ることになりました。そうならないためにも、スキルアップはじっくり時間をかけて、自分のペースで行うことが大切です。

日本全体で、働き過ぎによるストレスの危険性や、実際にそれが原因でメンタルのバランスを保てない人が増えている傾向にありますが、特にクリエイティブな業界では、その影響が顕著だと感じています。仕事を断るのは、自分の健康を保つ自己管理の一環としてとらえています。

 

自分のプロジェクトで成長する

自分のプロジェクトで成長

では、具体的にどのようにスキルアップすれば良いか?という問いに対しては「自分のプロジェクトでやればいい」と答えたいです。常にクライアントなど第三者のプロジェクトに追われていると、自分の時間やリソースを犠牲にすることになりがちです。

その結果、新しい技術を身につけたり、自分の内面を深掘りしたりするために費やす時間が減ってしまいます。その時間を確保するために、自分のペースで進めるプロジェクトは、学びの場として非常に重要といえるでしょう。

自分のプロジェクトというのは、いわばクライアントが自分自身なので自由度が高い創造活動です。締め切りが厳然と存在するわけではなく、失敗しても怒る人はいないので、新しい技術やツールを試す絶好の機会といえるでしょう。これを後回しにしてギチギチに仕事を詰め込むと、どれだけクリエイティブなデザイナーでも遅かれ早かれ立ち行かなくなると考えています。

 

まとめ

仕事を断るバランス

仕事を断ることは、「仕事人として・デザイナーとしての成長に不可欠なスキル」である、という考え方を紹介しました。自分のキャパシティを超えて仕事を引き受けると、結果的にクオリティが低下し、ストレスが溜まり、最終的には燃え尽きてしまう危険性が大いにあります。そうならないようにスキルアップを行うべきです。

自分のプロジェクトに時間を割くことで、より充実したクリエイティブな活動が可能になります。他人の期待に応えることも重要ですが、それ以上に自分自身を大切にし、持続可能な働き方を実現すること。これが、デザイナーとして長く活躍するための鍵であると考えています。

 

僕はとにかく断ります。「んー…頑張ったら出来るかな」くらいでも割と断ります。 なぜなら【そうすることが成長に繋がる】と信じて、潰れてしまった人たちを何人も見てきたから。スキルアップはじっくり時間をとって、自分のプロジェクトでやればいい。

X (Twitter) – Jul 25, 2018



この記事は過去の自分のX(Twitter)のポストを元に、編集しています。



グラフィックデザインを中心とした小さなデザイン事務所を経営しています。スタッフや外部のデザイナーさん・ライターさんに助けられながら、コツコツと地道に仕事をする日々が気に入っています。パッケージメーカーのデザイナーとして新卒入社→美容系のベンチャーに転職→家庭用品メーカーに転職...という流れを経て、その後独立しました。フリーランスデザイナーとして、10年以上の経験から学んだことや雑記をブログにしています。情報発信が趣味に近く、それが興じてPhotoshop関連の本を出版したり、noteを執筆したりしています。