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フリーランスのデザイナー

フリーランスのデザイナーの”生計”について考えてみました。

フリーランスの集まりで直接的なお金の話をすることはありませんが、よく出るワードが「まぁ、なんとか食えています」(僕もそんな感じで答えることが多い)です。

 

でも、その”食えている”って幾らくらいなのでしょうか。

 

結論から言うと、その人の環境によると思います。例えば扶養する家族の有無や、その人数、住む地域によっても、全然変わってきますよね。

なので、そういった個別の条件は置いておいて…

 

今回は僕のケースを参考に、“何にもしなくても毎月これだけの事業経費が発生しています”と言うことをお伝えしたいと思います。つまり、その経費より稼がないと利益が出ない!ということです。

「デザインってPC一つで稼げちゃうんでしょ?」という認識は、今の時代において完全に間違いではないと思いますが、実際に事業として初めてみると、色々かかることを痛感しました。僕は当初の予測が甘かったです。

 

1. 事務所家賃と消耗品・事務用品 etc ¥40,000/月

フリーランスの事務所家賃

家でやればいいじゃん!という答えはその通りなのですが、メリハリをつける意味で借りています。シェアオフィスなので、メンバーで割っていますが、ウォーターサーバー代なども定期的に必要です。もし家で集中できるなら、それでも良いと思います。固定費なんて削減してなんぼです。

しかし、事務所を借りている人が多いのも事実です。家にいつでも誰でも呼べるかと言うと、それは難しかったりしますしね。

あとは、封筒だったり文具だったり、大きな金額のものであればデスクや椅子、PC・ハードディスクなんかも事務所での仕事に必要なものですね。

 

2. ストックフォトのライセンス費用 ¥30,000/月

ストックフォトのライセンス費用

ストックフォトを提供する会社と契約しています。いわゆる商用の写真素材というものです。うちは比較的低価格のサービスなので、その中でクライアントの要望に即応するには、こうしたサービスは重要です。

また、ブログやSNSなどにも活用するので、月に百枚単位で写真を使用することもあります。そのボリュームを高いクオリティーで利用するとなると、ストックフォトはコスパの良い選択肢と言えます。

 

3. フォントの利用ライセンス・新規購入費用 ¥5,000〜¥10,000/月

フォントのライセンス

これもざっくり金額ですが、デザイナーにとってフォントはとても大事なので必要経費ですね。フォントの維持と、新しいフォントの購入。たまにドーン!とフォントファミリーを購入すると5〜10万円くらい飛んでいってしまいます。仕事の為と言いつつ、個人的な物欲も入り交じるのがフォントの魔力ですね…(笑)

 

4. 経理関係 ¥12,000/月

フリーランス向け経理ソフトについて

会計ソフトのfreee のスタンダードプランと、メリービズの記帳代行サービスを利用しています。記帳は時間がかかる割に、自分のスキル向上とは結びつかないので、アウトソーシングしています。

税理士さんとは今の所契約していません。もし税理士さんと契約すれば、内容にもよりますが、さらに月に¥30,000〜¥60,000程度の顧問料金が発生するでしょう。

>>フリーランスになったら(起業したら)使いたい超便利なアプリ&サービス

 

5. Adobe Creative Cloudのライセンス料金 ¥5,000/月

Adobe Creative Cloudのライセンス料金

もう言わずもがなですよね。デザインソフトが無いと始まりません。

 

 

月の経費は大体こんな感じです。多少ブレもありますが、10万円くらいは何もせずとも出て行ってしまいます。つまり僕の場合、”食える”ようになるには、毎月少なくとも10万円以上は利益を出さないといけないということです。勿論11万では厳しいことは明白ですが。それに税金もかかります。利益=全部使えるお金ではありません。

ですので、「月に〇〇円くらいは欲しいなぁ…」と思うなら、その金額が目標ではそもそも達成できないと言うことですね。

 

実はうちの場合は、上記以外にも、広告宣伝費と外注費が存在しています。それも結構なウェイトを占める支出として。

ただ、外注費については仕事の発注ありきですし、広告宣伝費も顧客獲得の手段ですので、”何もしなくても出て行くお金”では無いかなと思います。その為、上記の経費リストからは除外しました。

また、これも特殊な例だと思うので省いていますが、大阪商工会議所の会員なのでその会費、法律事務所との顧問契約費用等もうちの場合は発生しています。

この辺りは、個々の戦略として、必要か否かも異なると思います。

 

費用について悩む

冒頭でお伝えしたように、固定費をなるべく抑えるというのは、とても大切です。

そうは言っても、時間を有効に活用するために労働をアウトソーシングしたり、フォントや写真素材などを揃えて仕事の効率化や品質向上を図る、という事はサービスを運営していく中で必要になりました。

 

デザインは元手があまりかからず、参入障壁が低いビジネスの部類だと思いますが、維持・発展させる中で、出て行くお金が増えて行く可能性も念頭に置いて損は無いと思います。

 



グラフィックデザインを中心とした小さなデザイン事務所を経営しています。スタッフや外部のデザイナーさん・ライターさんに助けられながら、コツコツと地道に仕事をする日々が気に入っています。