フリーランスデザイナーが考える「追加費用」についてのあれこれ
フリーランスのデザイナーとしてさまざまなプロジェクトに携わる中で、どうしても発生してしまう「追加費用」について、今回は少し詳しくお話ししようと思います。たまに「こういうのもサービスでやってくれるんじゃない?」なんて声もいただきますが、やっぱりプロとしての対応にはそれ相応のコストがかかるのが現実です。お互いに納得の上で進めるためにも、こうした費用の発生理由について知ってもらえたら嬉しいです。
じっくり打ち合わせが必要なとき→「ディレクション費用」
「もっとじっくり話し合って進めたいんだけど…」というご要望をいただくこともあります。もちろん、より良いものを作るためにしっかりと打ち合わせするのは大切です。打ち合わせに時間をかけるということは、その分、僕たちの時間も割いていることになります。そのため、こうした場合には「ディレクション費用」が発生することがあります。
ディレクション費用とは、簡単に言えば、プロジェクトの進行管理や方向性の確認に必要な時間やリソースに対してかかる費用です。この費用は、お互いに納得のいく形でプロジェクトを進めるための大事な部分なので、ぜひ理解していただきたいポイントですね。
文面をアレンジしてほしいとき→「企画構成費用」
「このデザインの文面、少しアレンジしてもらえない?(いい感じにしといてもらえない?)」といった打診もあります。見せ方を工夫したり、言葉を変えたりすることで、印象がガラリと変わることもあるので、リクエストの気持ちはとてもよく分かります。ただ、文面のアレンジは単なる「手直し」ではなく、企画や構成そのものを見直す作業が必要なことが多いです。
そのため、文面のアレンジが必要な場合には「企画構成費用」をお願いしています。この費用には、どのような言葉を使えばターゲットに伝わりやすいか、どういう見せ方がブランドに合っているかといった内容を考える時間が含まれます。要するに、デザインの表現力を高めるための一環として、こうした費用が必要になるというわけです。
納期が急に短くなる→「短納期費用」または「対応不可」
「急に納期が早まってしまって…」という場合もたまにあります。僕たちフリーランスにとって、時間の管理はとても大事な要素です。特に、他のプロジェクトとの兼ね合いもあるため、納期を短くするには追加の調整が必要になります。
こういった場合には「短納期費用」をいただくか、場合によっては契約上対応が難しいこともあります。フリーランスとして活動している以上、スケジュールの調整や、他のクライアントさんとの約束を守ることも大事にしているので、無理なスケジュール変更ができないこともあることをご理解いただければと思います。
別のバージョンも見てみたい→「別案製作費用」+「追加納期」
デザインには正解がないこともあるため、「別のバージョンも見てみたい」と言われることがあります。それ自体は僕も楽しんでやれることが多いですが、やはり追加の手間がかかるため、それ相応の費用と時間をいただくことが必要になります。
別案を作成する場合には「別案製作費用」と「追加納期」が発生します。この費用には、新しいアイデアを出す時間や、そのアイデアを具体的な形に落とし込むための作業時間が含まれています。一つのデザインを突き詰めていくのも素晴らしいですが、複数案の検討が必要な場合には、こういった費用の発生をご理解いただけると助かります。
他社の価格が気になるとき→「そこに頼んでください」
デザインにはどうしても一定のコストがかかるもので、時には他社と比較されることもあります。「他社ではもう少し安くできるみたいなんだけど…」といったご意見も耳にすることがありますが、僕としては、無理に価格を下げることはしません。
他社に依頼して満足できるなら、それが一番だと思います。
お互いに納得して進められるプロジェクトを目指して
デザインのプロジェクトは、クライアントさんとの信頼関係がとても大切です。追加費用が発生するケースについても、最初の段階でしっかりと説明し、お互いに納得して進められることを心がけています。
費用に関することは話しにくい部分もあるかもしれませんが、良いものを作るためには、どうしても必要な部分です。これからも「納得のいくデザイン」を提供しつつ、クライアントさんとの信頼関係を築いていけるように努めていきたいと思っています。
じっくり打ち合わせをしたい →ディレクション費用発生 文面はアレンジしてほしい →企画構成費用発生 急遽納期が前倒しに →短納期費用発生 or 契約上不可 違うverも見てみたい →追加納期 + 別案製作費用発生 他社さんの価格は〜 →そこに頼んでください
X (Twitter) – Mar 13, 2020