僕が公でのデザイン批判を控える理由
昔は軽率に行っていたこともありましたが、今は公の場所でデザイン批判を行うことはなるべく控えています。
理由はいくつかありますが…まず、公の場でのデザイン批判って、結構リスクがあると思っています。予想外の広がりを見せて、デザインした人や依頼した人に迷惑をかけてしまうかもしれないし、自分にとって何か良いことがあるかと言われると特にないんですよね。
それに、完成品だけ見て簡単にデザインを評価するのが難しい場合もあると思います。
デザイン批判のリスク
公の場での強い批判は、時に制作者にとって深刻なダメージとなることがあります。特に、デザインの背景や意図を知らずに行われる批判は、その価値を正当に評価できない場合もあり、危険な行為にもなりかねません。そもそもデザインの評価は主観的な要素が強く、全てのデザインを完璧に評価できる審美眼を持つことは難しいと言えるでしょう。
デザインにはそうなった(なってしまった)理由や背景があります。商業的な理由や個人的な理由など、事情はさまざまですが、それを知ることで初めてデザインの意図や価値が理解できることもあります。制作者の意図や制作過程を知ることで、表面的な批判から一歩踏み込んだ理解が得られると思います。
理解に努めて共感できる部分を見つける
厳しいデザイン批判を控える代わりに、理解と共感を持って他者のデザインに接してみるのはどうでしょうか。「どんな意図があったんだろう?」とか「どんな背景があるんだろう?」と考えると、新しい発見があったりしますよね。
デザインはコミュニケーションの一環であり、その意図やメッセージを理解することが、より良いデザインの創造につながると考えます。理解と共感とは、具体的に「建設的なフィードバック」、そして「自己成長につなげる批評」、「適切なタイミングと方法での批判」と言い換えることもできそうです。
建設的なフィードバック
建設的なフィードバックを心がけるのは良いと思います。ただ批判するのではなく、相手の成長につながるような意見を伝えられたら素晴らしいですよね。そうすれば、お互いに高め合える関係になれるんじゃないでしょうか。
自己成長につなげる批評
他者のデザインを見つめることは、自己成長にもつながります。「あ、無意識のうちにこんな批判をしてたな」と気づいたり、主観・客観さまざまな角度でデザインをとらえることで、自分のデザインや考え方を向上させることもできます。
適切なタイミングと方法での批判
もちろん、批判が全くダメというわけではないんです。でも、タイミングと方法が大切だと思います。公の場では慎重に、個別の場では建設的に。そうすれば、批判が相手の役に立つ情報になるはずです。
まとめ
結局のところ「今これを、この強さで言う必要はあるかな?」と一旦考えることが大事で、相手の意図や背景を理解しようとすれば、表面的な批判ではなくて、もっと深い理解ができるようになると思います。
自分の審美眼を過信せず、謙虚な気持ちで他の人の良いところを学ぼうとする姿勢。これを持ち続けることで、プロとしても成長できると思います。過度な批判を避けるだけではなくて、建設的な意見を交換し合える環境を作ること。それが、デザインの質を高めるために必要なのではないでしょうか。
公になる場所でのデザイン批判はなるべく控えています。「いや、カクカクシカジカで…」と実際に制作者から経緯を聞くと『確かにそれはそうなるな…』と納得する事もあるので。 そもそも僕にそんな審美眼が備わっているとも思わない。(多分昔は無意識にしていました。ごめんなさい…)
X (Twitter) – Oct 28, 2019