ポスターは“見るもの”
ある日のこと。
街を歩いていて、ふとポスターが目にとまる。
何気なく見てみるとちょっとおもしそう。「このイベント行ってみようかな」――
今日もどこかの街中で普通に起こっているかもしれない出来事でしょう。人目を引きつけるポスターは、イベントの告知や製品の紹介など「見る」ことによってスムーズに情報を宣伝してくれる広告媒体です。
チラシが読む広告だとしたら、ポスターは見る広告と言えます。見ることを主体として作成することで、宣伝効果が高まりやすいです。魅力的なポスターデザインには制作する時にコツがあります。実例を交えて、一挙にご紹介します!
ポスターデザインの4つの基本
1:目的を伝える
ポスターは「何か」を伝える為に制作されています。この「何」の部分をまずしっかり掴んでおきましょう。いくら魅力的なデザインに仕上げても肝心の「何」=「目的」の焦点がぼやけていると、見る人の印象に残らないポスターとなってしまう可能性があります。
こちらのポスターデザインは、全体的にハワイアンなライブイベントの雰囲気が伝わるデザインととなっています。南国チックな世界観を伝えることで、イベントの告知やCDの宣伝、アーティストの伝達がスムーズに伝わる仕様です。メインがしっかり決まっていると、情報も相手側に届きやすいと言えます。
ポスターは視覚的な広告媒体ですので、視覚にダイレクトに届くデザインにすると効果的と言えるでしょう。アーティストの写真が浮かないように、フラダンサーのイラストと組み合わせて紙面のバランスをとっています。世界観がしっかり表現されていれば、目を引くデザインに仕上げることができます。
2:ポスターデザインはジャンプ率を高めにしよう
「ジャンプ率」という言葉をご存知でしょうか?
一般的にはあまりなじみのない言葉かもしれません。ジャンプ率とは、画像や文字の「大きい部分」と「小さい部分」の比率のことになります。比率が大きければジャンプ率が高い、逆に小さければジャンプ率が低いとなります。ジャンプ率の違いによって見る側へ与える印象が変わってくるのです。
ジャンプ率が高いと、紙面にコントラストが生まれ躍動的になります。ぱっと見で目立つので、人目を引きつけやすいです。ポスターデザインは第一印象で惹きつけられるかが大切ですので、ジャンプ率は高めであるほうが効果的です。反対にジャンプ率が低いものは読む広告に適しています。説得力が高まりますので、じっくり読ませたい時に有効な手法です。
3:ポスターのターゲットは誰か?
多くの人の目に触れるポスターをより効果的にするには、ターゲット層の絞込みが肝要です。こちらのポスターデザインでは「そろそろ保険のこと、本気で考えてみませんか?」という明確なキャッチコピーと、信頼できそうな白衣姿の女性の写真によって、保険というキーワードに悩んでいる人にダイレクトに届きやすいデザインにしてあります。配色も白や青を基調とし、知的で落ち着いた雰囲気を表現しています。
ターゲット層によって、ポスターの文字・配色・レイアウトなどは変わってきます。届けたいターゲット層が好みやすいデザインにすることで、情報がスムーズに伝わりやすく印象深く仕上げることが可能です。
こちらは沖縄の高校生イベントのポスターデザインです。先ほどの保険のポスターとは異なり、若者らしいパワフルさとワイワイ楽しめるイベントの魅力を表現しています。紙面をカラフルにし、タイトルを躍動的なフォントで表すことで、当日の賑やかな雰囲気が伝わりやすい仕様です。
一見雑然としていますが、オブジェを沖縄らしさ・南国らしさが伝わるものに統一してあることで、全体的に統一性が生まれ見ていて楽しいデザインにしてあります。たくさんのオブジェを使う場合でもコンセプトを統一すれば、全体の印象はまとまりやすいです。
どの層へ届けたいのかを明確に絞ることで、ターゲットにより伝わりやすいデザインに仕上げることができます。ポスターを魅力的にするコツとして、ターゲットの絞込みをしておきましょう。
4:主題は目立たせよう!
ポスターにおいて主役は堂々と目立たせることがポイントです。遠慮しないではっきり打ち出しましょう。主題となるメインがしっかり伝わると、それだけ印象深いポスターになります。
こちらはイベント5周年記念のポスターデザインです。主題である「5th」の部分を画面上部に大きく配置することで、遠くからでも圧倒的に目立つようにデザインしてあります。背景にはシャンパンや花火を配置し、アニバーサリー感とあわせて高級感を醸し出す工夫を施しています。
紙面の下部にブランク(空白)があるのは、こちらに紙をはったり、白マジックでメッセージを書くなど、1年間様々なことに活用できる汎用性を持たせているためです。文字に光り輝くようなメタリックな質感を持たせることで、より特別感がでます。
こちらは文字そのものが世界観を物語っているデザインです。一番目立つ部分に一筆で書ききったような「いぶし瓦」の文字を配置することで、人目を引きつけます。より目立つように、配色も金色を大胆に活用してあります。向かって左下にある赤い日の丸は、キャッチアイとしても機能しています。Made in Japanという利点を伝える効果も兼ね備えていると言えるでしょう。
日本らしく「間」のデザインにしてあることもポイントです。ポスターデザインにおいて、事細かに文字で説明する必要はありません。ビジュアルに特化して訴求することで、十分伝わるデザインに仕上げることができます。
余白があることで、他とは違った魅力が演出できるという効果もあります。背景にある屋根瓦の写真は、ともすると暗くなりがちになってしまうので、あえて少し淡目の色合いになるように配慮しています。こうすることで、視認性を損なうことなくPRすることができるのです。
魅力的なポスターデザインにする7つのポイント
①配色を工夫する
ポスターの最大の特徴は大きな紙面を利用し、視覚にダイレクトに訴えることにあります。
メインとなる主題を目立たせる配色になるように工夫することがポイントです。目安として、メインカラー70%:サブカラー25%:アクセントカラー5%の割合にすることが基本とされています。色選びが上手いとそれだけで注目度が高くなりますので、納得のいく色合いになるように試行錯誤してみることをオススメします。
こちらは色合いを3色くらいに抑え、わかりやすく見やすいポスターデザインになるよう心がけてあります。ピンクをメインに据えていますが、かわいらしくしすぎないように配慮してある点もポイントです。可憐なピンクはかわいすぎて子どもっぽくなってしまうと考えがちですが、写真をお姉さんらしいデザインにしたり、色調を落ち着きある色合いにすることで、大人らしいデザインに仕上げることも可能です。
一番の強調点であるリーズナブルな価格を赤字で目立たせることで、遠目からでも注意を引きやすくしてあります。デザインのコンセプトをピンで貼り付けたように配していることもポイントです。
配色はできるだけたくさんの色を使うことが良いとは必ずしも言えません。例えばこちらのポスターデザインでは、色合いは3色程度に抑えることで「メディカルスクール」への信頼感を増してくれています。
大切なのは伝えたい「何(目的)」が引き立つ色合いにすることです。こちらのように国家試験や大学受験に向けての予備校である場合は、白を基調とした落ち着いた色合いであることで、安心して通うことができるスクールであることが伝わってきます。一番の強調点が伝わるように学校名は赤字に白抜き文字で目立たせてあります。
配色は年齢層を考慮して変えることも有効です。子ども向けなら、黄色やオレンジ系の原色メインにすると、元気で明るく響きやすい色合いになります。逆に高齢者向けなら、緑や茶色系の落ち着いた品のある色合いが好まれます。
伝えたい目的部分が、より伝わりやすい配色を心がけるようにすると効果的なポスターに仕上がりやすいです。
②レイアウトのルールを理解する
レイアウトのルールに則ったポスターデザインは「見やすく・読みやすい」です。無秩序なものは最初は目に付くかもしれませんが、最終的に相手にメッセージを伝える力が弱いと言えます。レイアウトの3つの基本ルールである「揃える」「まとめる」「余白をとる」を意識したデザインにすることで、より宣伝効果の高いポスターに仕上げることが可能です。ルールが理解できているなら、崩すこともできるようになります。
「揃える」
レイアウトの基本は整理整頓です。特に文章は左揃えに統一すると読みやすいと言えます。センタリング(中央揃え)を活かす手法もありますが、そちらはかなり高度なテクニックが必要です。たくさんの情報がある時も、左揃えに統一することで、簡単に読みやすさを確保できます。基本的に文字は左揃えに統一しましょう。整っている方がポスターの情報が頭に残りやすくなります。
「まとめる」
情報はグループ化してまとめることがポイントです。上記のポスターデザインも各サービス別に情報をまとめてあることで理解しやすくしてあります。関連のある項目は相対的に近くなるようにまとめることで、情報の把握がしやすいのです。
「余白をとる」
「余白」を意識していますか?ついつい文字や画像に目が行きがちですが、ポスターを見やすく読みやすいデザインに仕上げるために余白は重要です。1つの枠の余白は広めに取りましょう。文字ならば、大体1つの枠に文字1つ分くらいの余裕があるほうが好ましいです。枠に入るからと目一杯文字を詰め込むと、ゴチャゴチャして読みにくく感じてしまいます。
レイアウトのルールは意味もなく存在するのではありません。これらの基本ルールに即したデザインにすることでポスターの魅力が引き立ちます。ただし、ルールを破ることも、また一つのテクニックであるとも言えます。
③鮮明な写真を使う
写真が伝えてくれる情報は多いです。ポスターデザインの魅力を引き立たせるためにも、美しく鮮明な写真を選んで使いましょう。写真が活きるように工夫することもポイントになります。ただし、ただ鮮明ものを使えばいいというわけではなく、ポスターの意図に合致した写真を選ぶことが前提です。
こちらのポスターでは、芸姑さんと見つめ合う写真が魅力的な雰囲気を作り上げています。この写真は、単体でみてもここから物語が始まりそうな独特の雰囲気を醸し出していると言えるでしょう。CDの宣伝としても十分に効果を上げています。デュエットソングというコンセプトにマッチングしたしっとりとした大人の魅力を感じさせます。
写真は単体でインパクトを出すこともできますし、多く使うことでコンセプトを表すこともできます。こちらのポスターデザインは手軽に海外のクリエイターと繋がれるというコンセプトのもと、多くの人物写真を配してあるデザインに仕上げています。人種も性別も年齢も異なるたくさんの人の顔写真を使うことで、強力にメッセージを伝えるデザインが印象に残りやすいです。よく見ると意外と文字情報は少ないですが、写真が直感的に意図を伝えてくれるので見ごたえがあります。
写真をたくさん使用しても雑然としないポイントとしては、写真の大きさを一定にして整然と配置することと言えるでしょう。整っていることで、下部や側面の写真が見切れていてもストレスを感じることがありません。逆に、画面に収まらないほどたくさんの人と気軽に繋がれるという期待感を高めてくれます。細かいところですが、写真枠の角を丸くしてあることもポイントと言えます。角張ったものは、証明写真のような真面目すぎる印象を与えがちで身構えてしまいそうですが、このように丸みを帯びたデザインにすることで親しみ感じやすくなります。
写真は人物とは限りません。こちらはフードコードで店舗の宣伝を行うポスター制作例です。魅力的な商品の写真が黒背景の中に引き立っています。製品や商品の写真を活用すれば、直感的に商品のイメージや魅力を伝えることが可能です。
一番目立つ「上等カレー肉うどん」の写真に、湯気が立っていることに気づきましたか?ちょっとした事のようですが、よりその商品の魅力を引き立たせることができるのです。黒背景であることで湯気も表現に加えることができます。この店舗はフードコートにありますので、競合他社の中に埋もれないためにも、他店とは違う商品の良さが伝わりやすいように工夫してあります。
注意点としては、黒背景が威圧的にならないようにバランスを取ることです。黒は迫力がある印象を与えてくれますが、使いすぎると人を拒絶しているような怖い印象を生み出してしまいます。こちらでは、文字のフォントや写真の配置、適度な白文字によって、気軽に入りやすいけれども味に自信のあるお店であることを表現しています。
④キャラクターやイラストの魅力をポスターに活かす
「キャラクター」
日本には魅力的な文化がたくさんありますが、近年世界的に認められている文化の1つがポップカルチャーです。外務省もHPにおいて、ポップカルチャーは世界に誇る日本の文化の1つとして認めています。豊かなポップカルチャーの魅力をポスターに活かすことで新しいデザインを生み出すことができます。
こちらのポスターデザインはアニメキャラのような女の子のキャラクターが目を引きます。キャラクターは企業や商品などをPRする顔として十分に機能する力があります。
海外の展示会で新しいクラウドソーシングサービスを紹介するポスターですので、魅力的なキャラクターをメインに据えることで、サービスの質の高さをダイレクトの伝えることが可能です。どことなく先進的な雰囲気を醸し出していますが、かわいらしい女の子のキャラクターと組み合わせることでとっつきにくさを緩和し、足を運びやすい親しみやすさも表現しています。
白い背景に水色の文字が引き立ち、クールでスタイリッシュな配色を採用しています。キャラクターのピンクの髪色がバランスをとってキュートな味わいもプラスされている点もポイントです。キャラクターであるからこそ、写真にない利点があることも注目点と言えるでしょう。
クラウドソーシングサービスですので、登録している作家は多いです。こちらのキャラクターを作った方の作家性を活かしつつ、リリースしたサービスの情報を伝えられるように配慮したポスター制作例です。
「イラスト」
情報の補足として使われるイラストも、使い方次第で個性的に仕上げることができます。こちらのポスター制作例は「大人のワルノリ」というコンセプトがあります。ワルノリと聞くと嫌煙してしまいそうですが、中央のいたずらっ子のような悪魔のイラストがバランスをとって、人を引きつける遊び心を感じるデザインに仕上げられています。
イラストは、柔らかいタッチのものが多く、親しみやすくかわいらしい印象を持ちやすいです。その特性をあえて逆手にとり、こちらのようにギャップを活かすことで、他にはない個性的なポスターデザインにすることができます。このキャラクターのワルノリなら、なんだか許してしまいたくなる気がしませんか?
文字は細かく情報量が多いですが、イラストの力を借りて読ませる工夫がされていることもポイントです。漫画文化が浸透していることもあり、吹き出しの力を借りてついつい読んでしまいたくなるように計算して作ってあります。
初見で人目を引きつける工夫も忘れていません。ビビットなカラーの配色と、メインを黄色の文字で目立たせることで、遠目からでも近づきたくなるように工夫してあります。背景には、ぼんやりと映るたくさんの顔があり、ミステリアスなカオスさで見ているものを飽きさせない点もポイントです。
「写真と組み合わせる」
海外向けポスターなので全部英語で書かれていますが、日本人がみてもスッと惹きつけられるポスターデザインに仕上げてあります。
その秘密は中央のキャッチーなイラストと背景の写真です。日本人アーティストのミュージックの魅力を、平面で表現している点がポイントでしょう。イラストや写真はそれぞれ単体で用いることもできますが、このように組み合わせて活用すると、相乗効果をもたらしてくれます。また例え言語がわからなくても直感でメッセージを掴めることもポイントと言えるでしょう。素材を組み合わせて融合することで、一番重要なユニットを目立たせつつ、音楽そのものを楽しさが伝わるようにすることもできるのです。
⑤印象的なキャッチコピー
言葉の力もポスターに力を添えてくれます。
映画のポスター制作例をイメージするとよりわかりやすいかもしれません。数時間ある作品の魅力を端的に表現するキャッチコピーがあることで、集客効果を高めてくれていると言えます。相乗的に活かすことがポイントです。
このポスターデザインは人目を引きつける赤色を大胆に使い、美しい女性の手と組み合わせることで直感的にコンセプトを伝える力に優れています。加えて「美しくなりたい」という言葉が中央に品良くはっきりと配置されていることで、相手に印象強く残りやすいです。
文字は単なる情報伝達だけでなく、そのポスターのコンセプトを端的に表現する力があります。写真の印象と組み合わさることで、記憶に残りやすく宣伝効果を発揮してくれると言えるでしょう。
このポスターデザインは文字部分が多いですが、「何」のポスターであるかは直感的に理解できます。中央に堂々と配置された印鑑のパワーが強力に活きているからです。古来からあるもの特有の不思議な力を感じさせてくれます。
加えて相手に語りかけるようなキャッチコピーが読む人を引きつけます。「?」を使った疑問符であることで、読んでいると自然と考える問いかけの形になっていることもポイントです。印象が深くなり後々まで響かせることができます。
また、それぞれのキャッチコピーを読んでもらいやすいように背景はあえて色分けしてあります。背景にさりげなく添えられた和風の雲が画面に華を添えていると言えるでしょう。
風にたなびくような効果と組み合わせることで、「施術後の軽さ」を視覚的に表現しているキャッチコピーです。美しい女性の写真を活用することで、サービスの魅力がダイレクトに伝わってきます。対して「男性もどうぞ」という目立つ文字がギャップを生み出し、さらに効果的に機能している点もポイントと言えるでしょう。女性専用と思われるリスクを回避しつつ、写真とギャップのある文字そのものが良いアクセントとなっているのです。
文字部分も、工夫のしがいがあります。視覚に働きかけるポスターだからこそ、文字の力も使いこなせるとより効果的です。
⑥書体を使い分ける
書体は大きく分けると二つに分類されます。男性的で力強い印象のゴシック体と、女性的で物柔らかな印象の明朝体です。ポスターのコンセプトのあった書体を選ぶこともポスター制作のコツになります。
上記のポスター制作例では、ゴシック体と明朝体をうまく組み合わせることで双方の良さを活かしています。上品な赤色の背景であることもポイントです。白い文字が無理なく引き立ちます。
赤背景というのは珍しいかもしれませんので少し補足しておきます。赤は女性の魅力を引き立たせてくれる効果があるだけでなく、購買力や欲望を刺激する色とされています。赤い色を広告に活用することで、売上が20%違いを生み出した事例も報告されています。色の効果を活かすことができるのもポスターの強みの一つでしょう。
ただし、赤い色はキャッチーである分、明るすぎると安っぽさも感じてしまいます。このポスターデザインのように赤い色の中でも落ち着いた色調にすると、背景に使用しても目に痛くありません。うっすらとスクールのロゴをレイアウトする工夫も、見ている側を飽きさせないポイントです。
こちらのポスター、なんだか目を引くと思いませんか?一番の強調点である値段の部分にあえて斜体を活用することで、色や大きさだけでなく形によるフック効果をもたらしています。また、斜めの角度が入ることで、ポスターデザイン全体に動きが生まれ、リズム感良く情報を宣伝することが可能です。書体とあわせて形も工夫してみましょう。より効果的なポスターになります。
このポスターはプライスダウンをメインに据えていますが、背景を木目調にしゴールドカラーを加えることで、全体的に高級感を感じられるように工夫しています。また、「アンチエイジング」や「ホワイトニング」の部分の文字はやや小さめですが、ピンク色を用いることで自然と一目を引くように導線を作ってあります。
細かく分けると書体の種類はとても多いです。ポスターの意図に合致した書体を選択して、より魅力的に仕上げましょう。また、1つのポスターデザインに用いる書体の種類は3つ程度に抑えることが基本とされています。基本を理解した上で制作することを心がけると、効率よく仕上がります。
⑦デザインで世界観を伝えよう
これまでご紹介した要素を組み合わせることで、ポスターそのもので商品や人の世界観を表現することも可能です。人は本能的にストーリーを求めるとも言われています。情報を宣伝するだけでなく、1つの世界観を表したポスターはより強力な広告媒体として機能しまう。
こちらのポスター制作例は、イラストレーターさんが描いた原画によってすでに世界観が表現されているため、そちらを活かしつつポスターとして仕上げてあります。中央の文字をやや小ぶりにすることで、翼の広がりが自然と見えるように配慮しています。ただし、文字情報が弱くならないようにゴシック体を活用し、ゴールドのメタリックな質感に仕上げることで、見ている人にしっかりとメッセージが伝わるようになっています。
こちらは音楽が聞こえてきそうに見えませんか?素材を組み合わせ躍動感を表現することで、聞こえない音楽を届けるようなポスターデザインに仕上げてあります。全体的な色調はナチュラルトーンですが、窓の向こうの都会的なビル群を空から逆さまに配置することで、地球でないどこか異世界のような謎めいた雰囲気も表しています。
肝心のアーティストの名前は、独特の世界観でも目立つように、少し斜めに配置してあることもポイントです。
天空からふわりと舞い降りた美女が、ストーリー性を感じさせてくれるポスター制作例です。ヘアサロン兼エステサロンであるお店の魅力を、アーティスティックに表現しています。女性だけに特化しなように、全体の色調を抑え目の落ち着いた色合いで表現することでユニセックスに仕上げている点もポイントです。
印象深いポスターは見る人が興味を持ちやすく関心を引きつけやすいです。コンセプトの合致した世界観を表現するポスターデザインを心がけてみましょう。
コツ習得のためには実践が大切
ポスター制作においても、コツはたくさんあります。まずは、どれか1つでも良いので実践してみましょう。自分で取り入れて実際に作ってみることで、そのコツを習得しやすくなります。また、魅力的なポスターを見ることも勉強になります。ここで紹介した以外にも多くのポスターデザインが存在します。実践のハードルが高ければ見ることから始めて見るのも良いでしょう。ここで紹介したコツに注目してみると、さらに学びが深くなります。自分にできることから取り入れてみるのがオススメです。
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