紙を選ぶ際の基本的な特性の一つとして【厚さ】があります。不思議なことに、紙の厚みを表す単位は一般的に思い浮かべるmmではなく、kgという単位が使われることがよくあります。特に印刷業界においては、紙の厚さはkgという単位で表現されることが一般的です。なぜこのような表現法が使われるのでしょうか?
紙の厚みと重さ〜なぜmmではなくkgが使われるのか?
①mmを使わない理由
紙の厚みを直接測定すると、製造過程や使用環境の影響により、同じ製品でも微妙に異なる結果が出ることがあります。例えば、湿度や温度の変化により紙が膨張したり収縮したりする可能性があります。つまり【同じ用紙にも関わらず、測る位置やタイミングで厚みが異なってしまう】ことになります。これでは規格の管理が難しくなります。
②kgが便利な理由
測定の状況によって一貫しない厚さと異なり、紙の【重さ】は一定の範囲内で一貫した測定結果を得ることができます。そのため、紙の【厚さ】を表現するための一つの手段として、断裁前の原紙を1,000枚重ねた時の重さ(kg)という単位が使用されています。
kg表記は業界ではスタンダード
厚みを重さの単位で表すというのは、見慣れない人にとっては不思議な表現かもしれません。kg表記は、印刷業界や紙製品製造業界の間で広く認知されており、業界標準として機能しています。
これにより、製造業者・印刷業者・デザイナー・エンドユーザー間でのコミュニケーションが効率的に行われ、紙の選択と使用がスムーズになっています。