RGB印刷とは?:デジタル色域を印刷で再現する
RGB印刷とは、RGBカラーモデルでデザインされた色彩を、できる限り忠実に印刷物に再現する技術のことを指します。デジタルディスプレイで表示されるRGB色域は、印刷で一般的に使われるCMYK色域よりも広いため、このような技術が必要となります。
通常の印刷
印刷業界では、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4つのインクを組み合わせて色を表現するCMYKカラーモデルが一般的です。しかし、このCMYKカラーモデルだけでは、デジタルデバイスで表示されるRGB色域の全てを再現することはできません。そのため、RGB色域を可能な限り忠実に印刷するために、RGB印刷が用いられることがあります。
RGB印刷
RGB印刷は、通常のCMYKに加えて特別なインクを追加した7色印刷や8色印刷を用います。通常のCMYKに対して鮮やかなインクを加えることで、より広範な色域をカバーすることが可能となります。これにより、デジタルデバイス上で表示される鮮やかな色彩や、広範な色域を物理的な印刷物でも再現することができます。
しかし、RGB印刷は、通常の4色印刷よりもコストが高くなる傾向があります。そのため、RGB印刷は、色彩の忠実な再現が特に重要とされる、高品質な広告やパンフレット、写真集、アートブックなどの印刷物で主に使用されます。
RGB印刷を使用するかどうかは、印刷物の用途、予算、およびデザインの色彩に対する要求によります。色彩の再現性が重要な要素となる場合は、RGB印刷は選択肢の一つとなり得るでしょう。
RGB再現の技術と努力
「RGB印刷」技術については、印刷業界での色再現を向上させるために開発された技術がいくつか存在します。これらの技術は、通常のCMYK印刷では再現が難しい鮮やかな色を可能にするため、より広い色域をカバーすることが目的です。
ヘキサクロム印刷
ヘキサクロム(Hexachrome)印刷は、CMYKに加えて、特色のオレンジ(O)とグリーン(G)の2色を追加する6色印刷の技術です。この技術はPantone社が開発したもので、RGBに近い広い色域をカバーすることができます。特に、鮮やかな色や繊細なグラデーションが求められる印刷物で効果を発揮します。
ヘキサクロム印刷は、標準的なCMYK印刷と比較して、色の豊かさや深みが増すため、ハイエンドなカタログや広告印刷で利用されることが多いです。
デジタル印刷の高色域化技術
デジタル印刷機でも、RGB色域を再現するための技術が進化しています。最新のデジタル印刷機では、CMYK以外の色を追加するオプションもあり、より広い色域をカバーすることができます。これにより、デジタルデータが印刷されたときに、画面上で見た色に近い仕上がりを実現することが可能です。
インクジェット印刷での色域拡大
インクジェット印刷では、CMYKに加えて他の色を使うことで、色域を広げることができます。例えば、写真印刷などでは、ライトシアンやライトマゼンタなどを追加することが一般的です。これにより、特に中間色の再現性が高まり、よりリアルな色合いを表現できます。