フランスにはどんなイメージを持っていますか?ファッション・グルメ・いろいろなキーワードがあると思いますが、どれにも通ずるのが「美」という文字ではないでしょうか。国家としてフランス語を美しい言語とし、筆記体の使用を推奨するこだわりの強い国フランス。今回は、そんなフランスを拠点とする団体や企業のブランディングデザインを集めてみました。ブランディングにおける美を確かめてみてください。(※紹介するロゴデザインは当サイトの制作事例ではありません)
新しいパリをアピールするブランディング
ブランディングデザイン例を見る (via Pinterest)
フランスの首都パリの観光・コンベンション協会のブランディングデザインです。パリの地名と街のシンボル「エッフェル塔」、そして「インフォメーションセンター」としての役割をロゴとして表現したいという考えから「PARIS(パリ)」のAをエッフェル塔をモチーフにした形にして、Iを「インフォメーション」の「i」のシンボルに重ね合わせるという構図になっています。
観光客へのイメージ戦略の一環ということもあり、全体としてカラフルでユニバーサルに受け入れられるようなイラストのタッチを採用しています。観光に関係するブランディングは、何よりも自国以外の人々をターゲットとしていることから、いかにわかりやすく、目につくものにするのか、という点がデザインにおいても重要な要素になります。パリといえば、ヨーロッパを代表する美しい街並みや美食をイメージとして先行することから、あえてポップなカラースキームを使うことで、パリの意外な一面、多様性を表現しているのかもしれません。躍動感のある活気ある街としてのパリを印象付けるブランディングです。
フランスとフィンランドを結ぶ文化施設のブランディング
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1990年にフランス・フィンランド間の学際交流プラットフォームとして誕生した「Institut Finlandais(在仏フィンランド協会)」のブランディングデザインです。
フィンランドの国旗とこの協会名のイニシャルを掛け合わせたロゴがフランスの「F」とも重ね合わさるという、よく練られたブランディングが展開されています。映画館だった場所を再利用し、イベントができる空間やカフェを備え、フィンランド文化のパリにおける発信基地というような役割をミッションとして掲げています。美意識が高いと言われているフランスに溶け込む、北欧らしいデザインを、白と青というフィンランド国旗の色で作り上げており、そのシンプルなスタイルから洗練された美しさを感じます。
パリの中心地にこのような施設を持つことで、フィンランド文化の発信だけではなく、文化的な国際交流、そして異文化交流を促進したいというこの協会の思想を、このシンプルなブランディングが無限の可能性という形で発信しているようにも理解できます。パリで体験できるフィンランドをダイレクトに伝えるブランディングです。
フランスで唯一のデザインシティを拠点とするオペラ座のブランディング
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フランス・ロワール県 サン・テティエンヌにある「サン・テティエンヌ・オペラ座」のブランディングデザインです。まず驚くのが、ブランディングの徹底性です。公演ポスターに始まり、公演プログラム、チケットホルダー、随所に統一したデザインが採用されています。さすが芸術のプロというだけあって、観客の観劇体験を限りなく日常に広げるというテクニックを感じますね。
このオペラ座があるサン・テティエンヌは、フランスで唯一ユネスコの創造都市ネットワーク「デザイン部門」に加わっている、いわば「デザインシティ」です。街中にコンテンポラリーアートがあったり、隔年で商店のデザインコンクールが開催され街のデザイン性を高める意識が市民にも浸透している、アートな都市。そんな都市を拠点とするオペラ座だからこそ、モダンでスタイリッシュ、そしてどこか遊び心もあるブランディングが成り立っているのかもしれません。どこか敷居が高いオペラを身近な存在にする効果もあり、誰もが楽しめるアートフォームとしてのオペラを発信するブランディングです。
フランスの起業家を支援する企業のブランディング
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フランス西部にあるロワール川沿いの都市ナントにあるビジネスコンサルティング会社のブランディングデザインです。起業家やクリエイターなど、これから事業を始めようとする人の事業支援を投資を含めて行う企業で、社名「Les Audac Ciex」は日本語にすると「大胆な人たち」という意味。マップにささるピンのような形状と、黒地にゴールドというデザインが「大胆な人」の居場所を指し示しているような、社名ロゴだけでしっかり企業としてのバリューを伝えることに成功しています。
これはマーケティングツールとして製作されたピンバッジで、「あなたのピンコレクションのひとつにしてもらえて嬉しいです」というメッセージが添えられています。ちょっとした一手に細やかさを感じますね。フランスの美に対する意識の高さは、どこか日本に通ずるものがあり、親近感を感じてしまうのが不思議です。
ちなみに、この企業が拠点としているナントは、フランスでも住みたい街ランキング上位に上がる芸術・文化が栄える現代アートの街としても有名。起業家支援だけではなくクリエイターの支援にも力に入れているのは、そんな土地柄からなのかもしれません。
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