抜き加工を施したビジネスカードのデザイン例

POPや変形パンフレット、DMなどで特殊な形状に紙を切り抜く加工は、「型抜き」と呼ばれます。長方形の定型以外の形が欲しいときに周辺部を希望の形に断ち落としたり、切り込みを入れたり、さまざまな形の穴を空けたりします。「トムソン加工」「ビク抜き」と呼ばれる加工方法がありますが、最近はレーザーカットやカッティングプロッターによって複雑な加工も可能になっています。(※紹介する名刺デザインは当サイトの制作事例ではありません)

名刺制作の依頼はこちら

文字の部分が抜けている！シンプルだけどおしゃれな名刺デザイン

名刺作成例を見る (via Pinterest)

ぐっとシックに。大人カッコイイ。一般的に利用される素材やシンプルなデザインでもおしゃれに感じられる名刺デザインです。 ロゴの「R」部分を大きく型抜きした外観は印象的。全体のカラーはモノトーンでまとめています。細かな文字の部分は色押し加工を利用し、紙の地色が透けないようシャープに仕上げています。おしゃれだけど冷たくなりがちなシンプル・モノトーンのデザインを、文字の部分を抜いて爽やかな雰囲気にしています。メッセージ性があるロゴやアイコンを抜いたデザインも印象強い名刺になります。

作風をそれとなく表現しているイラストレーターの名刺のデザイン例

名刺作成例を見る (via Pinterest)

手書きのタイポグラフィーを得意としたイラストレーター兼デザイナーのビジネスカードです。あたたかみのある手描き文字をゆったりとうねらせながらスペースを埋めつくしたり、文字と調和するデコラティブなイラストを組み合わせたりした作品を制作しています。名刺ができあがると大量に型抜きされたエレメントが残るのですが、このイラストレーターは山のように集まった鳥型がかわいくて捨てられず、使い道を探っているそうです。見つかったのでしょうか。

1文字も印刷されていない名刺の作成例

名刺作成例を見る (via Pinterest)

「名前」プラス「.com」というドメインを取得しているので、名前もわかるしサイトのURLもわかるので、これで十分です。ミニマルなビジネスカードですが、インパクトは大きです。スタックするとオブジェのようです。デザインとテクノロジーが融合した作品を得意とするクリエイターのビジネスカードです。意欲的で実験的な作品がサイトで楽しめます。

控えめな型抜きが効果的な名刺の作成例

名刺作成例を見る (via Pinterest)

「Mastri Design」という会社（詳細不明）の名刺です。まず目につくのは花びらか波紋のようなパターンと浮き上がった文字です。これはレーザーエッチングを使ってミュージーアムボードにレリーフ加工をおこなったものです。ボード自体も大理石のような処理がほどこされていて、非常に印象的なデザインになっています。そこに会社名を型抜きで入れることで、小さいけれどもカードのほかの要素に負けない強さを与えたとても効果的な利用法です。

キッチンツールが切り抜かれたショップカードデザイン作成例

名刺作成例を見る (via Pinterest)

制作者の意図によると「あえてレストランという文字をいれなくても、すぐにそれとわかるようにキッチンツールをアレンジした」とのことです。情報は店の名前と住所と電話番号のみというシンプル・イズ・ベストな構成。こういうちょっとした工夫で、ただのショップカードからオブジェに変化するんですね。

印刷等で描いてあるビジュアルだと思っていた部分が、抜き表現されてたという、心地よい裏切りが受け手に感動を生みます。

抜き加工によってとてもおもしろいビジネスカードが手に入りますが、追加料金が発生するのが一般的です。オリジナルのトムソン型制作費・時間に加え、型抜きした後の、細かなゴミをとる工程の費用・時間がプラスになることもあります。本当に抜き加工が必要かよく考えるべきでしょう。同じコストをかけるならエンボス加工や特殊インク、特殊紙などのほうがずっと効果的かもしれません。ビジネスコンセプトを踏まえたデザインがあってこそ、抜き加工の効果を最大に活かせます。