ウェブアクセシビリティの意識が高まる今、色の組み合わせひとつで「読みやすさ」が大きく変わることをご存じですか?
今回デザイン事務所AMIXでは、テキストと背景の色の組み合わせからコントラスト比を自動計算し、WCAG基準に照らして即座に合否判定してくれる無料ツールを公開しました。その名も、「コントラスト比チェッカー」です。
配色ひとつで、誰かの“読める”が生まれる
デザインの美しさはもちろん大切ですが、もうひとつ忘れてはいけないのが「読めること」。特に色覚多様性を持つ方や視覚に制限のある方にとっては、配色によって情報の理解度が大きく左右されます。
例えば、白背景に薄いグレーの文字。見た目はスタイリッシュでも、コントラスト比が不足すると、誰かにとっては“文字がない”のと同じになってしまうのです。
このツールでは、そうした見落としがちな配色の課題を、リアルタイムで検知できます。
「コントラスト比チェッカー」の主な特徴
本ツールは、WCAG(Web Content Accessibility Guidelines)2.1 / 2.2の基準に対応しており、次のような使い方が可能です。
✔ テキスト色と背景色を選ぶだけ
カラーピッカーまたは16進数カラーコードで、任意のテキスト色・背景色を設定すると、その場でコントラスト比を計算し、AA/AAA基準の適合状況が即座に表示されます。
✔ 「通常サイズ」と「大きなサイズ」テキストを個別に判定
- 通常のテキスト(16px相当)には、AAで4.5:1以上、AAAでは7:1以上のコントラスト比が求められます。
- 大きなテキスト(24px相当)は、AAで3:1以上、AAAで4.5:1以上。
この基準に沿って、「合格」「不合格」をバッジで分かりやすく表示します。
✔ 色の入れ替えもワンクリック
「テキスト色」と「背景色」を簡単に反転させて比較できるボタン付き。背景色が濃い場合などもすぐに試せます。
誰でも使いやすいUI設計
実用性だけでなく、ユーザー体験(UX)にも配慮しています。
- 入力欄はリアルタイムで相互反映(ピッカーとコード欄が同期)
- 無効なカラーコードは警告付きで表示(バリアブルに赤い枠)
- コントラストの結果はビジュアルでも伝わるプレビュー表示付き
- レスポンシブ対応で、スマホでも快適に操作可能
初心者から現場のデザイナー・開発者まで、迷わずすぐ使える設計を目指しました。
「なぜそれが大切か?」も学べる情報付き
ただのツールで終わらせないために、背景知識も充実させています。
- コントラスト比が読みやすさに与える影響
- WCAG 2.1 / 2.2 における達成基準の解説(1.4.3、1.4.6)
- 色覚バリアを考慮した配色のヒント
- よくある質問とその回答(FAQ)
色の選び方に迷ったときにも参考になる、小さなアクセシビリティ学習ページとして活用いただけます。
商用・個人利用どちらもOK。クレジット不要
本ツールは、完全無料で利用可能。生成されたコントラスト比や判定結果を、商用サービスや社内資料、教育用途などでも自由にご活用いただけます。
- クレジット表記不要
- 利用申請なしで即使用可
- ダウンロードやインストールも不要
URLを開くだけで使える軽快なWebツールです。
デザインの“あと一歩”をサポートします
美しい配色も、意味が伝わらなければもったいない。
「コントラスト比チェッカー」は、あなたのデザインが、もっと多くの人に届くための“最後のひと押し”になることを目指しています。
UI設計、記事の文字色、CTAボタンの見出し、バナー画像のテキスト……色が使われるすべての場面で、このツールをぜひご活用ください。
アクセシビリティは、やさしさのデザイン
特別なことではありません。
「この色でちゃんと見えているかな?」
そのひと手間が、誰かの情報へのアクセスを支えることになります。
デザイン事務所AMIXでは、今後もアクセシビリティやUI/UXの向上に役立つ無料ツールを提供していきます。ご意見・ご要望などありましたら、お気軽にお問い合わせください。