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デザインの支払いと契約について

デザイン料金の支払いと契約について考えてみました。

フリーランスのデザイナーであれば、デザイン費用に関する支払いのトラブルは1度や2度は経験されたことがあるかと思います。

僕も何度か経験しています。

 

こういう問題でまず話に上がってくるのが「契約書の有無」です。もちろん契約書があるに越したことはないと思いますが、フリーランスのデザイナーとして細かな仕事をする中で、何でもかんでも書類契約をしてから…なんていうのはあまり現実的ではありませんよね。長期的で高額な案件ならまだしも、ちょっとしたバナーを作る時にも毎回書類契約なんて難しいと思います。

それで、契約書がない→泣き寝入り のパターンに入ってしまう方もいるのではないでしょうか。しかし、多くの場合は泣き寝入りする必要のないケースです。

 

法律は請負側に優しい

法律上、契約はメールでも成立します。前述の通り、契約書があったほうが良いのですが、メールであっても契約を締結して業務を請け負っている事に変わりはありません。(極端に言えば口約束でも)

デザインを制作するという契約は”請負契約”にあたり、製作完了後に一方的に契約を解除することは出来ません。代金を請求する権利がありますので、そのことをしっかりと伝えましょう。依頼側が納品前にキャンセルの旨を伝えたとしても、既に働いた労力分は民法上支払う必要があるそうです。

また、デザイン製作物への回答を頂けず、これで良いのか悪いのかも分からず、長期間音信不通になってしまうケース。そのままフェードアウト状態になってしまうのはとても残念ですし、勿体無いですよね。以前このようなケースについては、”合理的期間を過ぎても成果物を検収して合否判定をしない状況”とみなし、製作費用を請求させていただきました。(いきなりではなく、半年程度連絡を取り続けた後)

 

一旦落ち着こう

ただ、こうした権利の行使は慎重さも求められると思います。

本当に体調を悪くされていて連絡が取れないというケースもあると思いますし、悪意なく「自分たちの言い分が正しい」と思っている場合もあるかもしれません。まだまだ話し合いで解決できる余地があるかもしれないのです。

あくまでこう言った手段は、自分ではどうにもならない状態になった時に頼ったほうが良いのかなと思います。やはりどうしても「法律だから」という話になるとピリピリした空気になってしまいますし…

総合的にみると、法律は私たち請負側に優しいんだなと感じますし、困った時は頼ればいいんだくらいの距離感が丁度良い気がします。

 

※法律の専門家ではないため、用語や見解に正しくない箇所があるかもしれません。その点につきましてはご容赦願います。(行動自体は弁護士に相談してから実行しています)

 



グラフィックデザインを中心とした小さなデザイン事務所を経営しています。スタッフや外部のデザイナーさん・ライターさんに助けられながら、コツコツと地道に仕事をする日々が気に入っています。パッケージメーカーのデザイナーとして新卒入社→美容系のベンチャーに転職→家庭用品メーカーに転職...という流れを経て、その後独立しました。フリーランスデザイナーとして、10年以上の経験から学んだことや雑記をブログにしています。情報発信が趣味に近く、それが興じてPhotoshop関連の本を出版したり、noteを執筆したりしています。