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自分に才能なんて無いと気付いてからが勝負だと思います。

公私ともにコンプレックスの塊で、定期的に自己嫌悪に陥りながら仕事をしていますが、最近ようやく色々なことに対して「楽しい」と感じることができるようになってきました。

 

思えば、幼稚園に入園した初日からイジメられ、そこからイジメられっ子街道を中学校まで走り抜けました。今31歳なので、人生の3分の1以上イジメられているんですよ。凄くないですか?

そういう環境下だと自尊心や自己肯定感というものが全く育ちません。だからイジメられなくなっても抜け殻みたいな感じで、主体的に物事を考えたりすることが得意ではありませんでした。「別に僕じゃなくてもいいでしょー」みたいな。

その歪みに歪んだ僕の精神を元に戻すというのは並大抵の事ではありません。目が合うことは僕にとって”敵意”だった時期が長いので、未だに人と目を合わせるのが苦手です。

卵が先か鶏が先かは分かりませんが、僕自身が少なからず”変わった奴”だからイジメの標的になったのだろうと思っていたので、社会に出たらひたすらにプレーンに生きてやろうと心に決めていました。実際公務員になろうとしていましたし。(そもそも公務員という仕事への認識も浅かった)

 

ところが何の因果かデザイナーになり、奇しくもその職場は僕のような人間もおおらかに許容してくれる場所でした。

デザイン事務所

そこで初めて僕の心の中に「役に立ちたい」「この人たちを喜ばせたい」「認められたい」という気持ちが湧いてきたのです。自尊心ゼロ野郎に小さな変化が生まれました。

だからと言って世の中はそんなに甘くなく、同僚は僕より遥かに才能があり活躍していました。せっかく見つけたフィールドで、残酷にも圧倒的な才能の違いを見せつけられてしまったのです。

しかし、そこから負けじと努力をしたことは独立の礎になっています。努力が楽しいと思ったことなんて今まで一度もなかったのですが、その時は本当に楽しくて毎日夜中まで働くのが苦ではなかった事を覚えています。

 

ただ才能があるかどうかは別の話で…(笑)

結局独立した今も、自分に才能があるとは1ミリも思っていません。うちの事務所の近所に、凄いデザインやクリエイティブを発信されている会社がたくさんあるので、尊敬すると同時に今も多くのコンプレックスを産んでいます。

僕には素晴らしくクリエイティブな才能もないし、人付き合いの才能もありません。

でもそこからだと思うんです。

無い!って分かった上で、じゃあ手持ちのスキルで当面どうやってご飯食べていこうか…と考える事が大切なんじゃないかと。(努力は超大事という前提はありますが…)

自分に才能なんて無いと気付いてからが勝負だと思います。

 



グラフィックデザインを中心とした小さなデザイン事務所を経営しています。スタッフや外部のデザイナーさん・ライターさんに助けられながら、コツコツと地道に仕事をする日々が気に入っています。