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「寒いですね」と言い合える関係が、結局は生きやすい。
ビジネスの世界では、ある日急に売上が落ち込んだり、技術革新の波で今までのやり方が通じなくなったりと、突然「冷え込む」局面が訪れます。あらかじめ対策をしていた企業やフリーランスは、比較的スムーズに新しいやり方へ移行できるかもしれません。でも、事情があって準備が間に合わなかった人や、そもそも情報が行き渡らなかった人もいるはずです。
それは決して「馬鹿」だからではなく、単にリソースが足りなかったり、顧客対応で手一杯だったりと、いろんな背景があると思います。もし自分がうまくいっているからといって、「していないやつはダメ」と切り捨てるのは、ちょっと乱暴ではないでしょうか。
「俺は大丈夫!」だけでは乗り切れない
準備がしっかりできている人ほど、「自分はうまくやっているから問題ない」という気持ちになるのはわかります。僕もフリーランスでデザインの仕事をしていると、「こういう変化が来るかもしれないから、早めに環境を整えよう」と考えて行動していることがあります。余裕があるときは、そうやって先手を打つのも大事ですよね。
でも、だからといって「できていない人はおかしい」と一刀両断にしてしまうと、そこには共感や協力の余地が生まれにくい気がします。特にビジネスでは、他社や他人と組んでプロジェクトを進めることも多いですから、相手を突き放すような態度は結局自分の首を絞めることにもなりかねません。
「寒いですね」と言い合う共感性
突然の寒さに戸惑っている人を見かけたら、「大丈夫?」とか「寒いですね」と声をかけるだけで、少し空気が和らぎますよね。ビジネスでの不測の事態も同じで、準備が間に合わない人や、なかなか乗り越えられない人がいれば、まずは「大変だよね」と一言かけるだけで関係性が変わってくるものだと感じます。
このとき、重要なのは「自分は余裕だけど、あなたは苦労しているんだね」という上から目線にならないこと。あくまでも「同じように寒さを感じている同士」として共感し合うことがポイントなんじゃないでしょうか。相手の事情に配慮した言い回しで、少しでも寄り添えば、「寒さ」を乗り越える一体感が生まれやすくなります。
立場の違いを想像してみる
もともと手堅いビジネスを展開していた人と、スタートアップで資金繰りギリギリの人とでは、同じ「寒波」が来ても感じる温度差は違うはずです。準備に使える時間やお金、それに人材も大きく異なりますから、「できて当然」にはならないですよね。これは、冬の寒さ対策だって同じ。コートを買う予算に余裕がある人と、そうではない人とでは、快適さに差が出るのは仕方ないことです。
大事なのは、その違いをあらかじめ想像してみること。ビジネスでも「この会社にはこういう制約があるかもしれない」と考えれば、無茶な要求はしなくなるかもしれません。あるいは「それなら自分がサポートできるところがあるかも」と、建設的な協力関係を築けるかもしれません。
お互いを助け合う「お裾分け」のような関係
実際、寒い日は温かい飲み物を差し入れたり、しっかり着込むために余っている服を貸してあげたりと、「お互い様」の精神がうまくいく場面をよく見かけます。ビジネスでも、やはりいざというときには助け合いが効きますし、その繋がりが新しい案件や学びにつながることもあります。
僕自身、ふだんは一人で仕事をすることが多いですが、締め切りが重なってヒーヒー言っているときに、取引先の仲間が気遣って作業を手伝ってくれたり、別のプロの力を紹介してくれたりすることがありました。そうやって「寒さ」をしのぐ手立てを一緒に考えてくれる人の存在は、本当にありがたいです。
「寒いですね」から始める余裕
結局、冬の厳しさを乗り切るために大事なのは、「備え」だけではなく、「気持ちの余裕」なんだと思います。きちんと準備ができている人は、できていない人をすぐに否定せず、「寒いですね」と共感を示す。準備不足の人も、「自分は馬鹿なんだ」と卑屈になるのではなく、「ちょっと助けてください」と素直に言えるといいですよね。
ビジネスの厳寒期も、一人で抱え込むと余計に寒さが身に染みます。そういうときこそ、人とつながって「お互い、きついよね」「寒い中、がんばりましょう」と言葉を交わすだけで、心が少しだけ暖かくなるのを実感します。そして、ほんの少し生まれたぬくもりが、新しいアイデアや協力関係を呼び込んでくれるものです。
まとめ
突然の寒波は、僕たちに厳しい現実を突きつける一方で、立場の違いを超えたコミュニケーションの大切さを教えてくれます。ビジネスにおいても、「俺はちゃんとやってた」と言うだけでは先に進みにくい場面がありますよね。
そんなときこそ、まずは「寒いですね」と笑い合ってみる。そして相手の事情を想像し、必要なら手を貸し合う。そんなシンプルなやり取りが、ちょっと冷え込んだ状況を少しずつあたためてくれるはずです。結局のところ、「お互いにあたたまる道」を探すのが、一番の寒さ対策じゃないでしょうか。
突然訪れた厳寒の折に、「俺は冬の準備してた!してないやつはアホ!」ではなくて…色んな立場があるかもしれませんが、お互い「寒いですね」と言い合えるの方が良いよなぁと思うこの頃です。
X (Twitter) – Mar 16, 2020