月夜に並ぶ電信柱を軍隊の行進に例えた宮沢賢治の童話があります。見かけた光景やある形・状況などを他のものに例えようとするのは文学にも絵画にも、あるいは日常会話でも見られる知的で楽しい遊びです。共通点のあるものをうまく使って「なぞらえ」の仕掛けを施したグラフィックは「クスッと笑える」「ちょっと知的な」イメージを作り上げてくれます。意外性のある比喩ならば、新鮮な驚きも与えてくれるでしょう。見立ての面白さを感じるグラフィックをご紹介します。
蓄音機・音楽・波形・森を結びつけるグラフィックデザイン
デザインを見る (via Instagram)
奇想天外なこちらのデザインは、湖と蓄音機、森という、一見関連のないモチーフ同士を、蓄音機の音波を音波を森の輪郭に見立てるというユニークな発想でつなぎます。音波という目に見えないものを抽象化し可視化したものを、森のシルエットに例えたアイディアが秀逸です。リアリティを増すために配置された湖や、巨大なレコードを運ぶ男性たちなど説得力を高める舞台装置がユーモアを膨らませています。
デザイナーを表現した古くて新しい解剖図
デザインを見る (via Pinterest)
遠目に一瞬眺めた感じは、古い医学書の解剖図のような印象ですが、よくよく見てみると、音楽プレーヤーや記憶媒体、ゲーム機などが詰まったグラフィック。タイトルは「デザイナー解剖」。デザイナーの好みや興味を丸ごと紹介した記事のようです。ただ項目を列挙するのではなく、イラストにして楽しく読んでもらう工夫がしてあるだけではなく、その要素を解剖図に見立ててレイアウトしたことで一枚の絵としても楽しく眺められるデザインに仕上がっています。
風船を金魚に見立てたデザイン
デザインを見る (via Instagram)
口を結んだ風船を金魚に見立てたシンプルなグラフィックデザイン。赤という色味も、口を絞った風船の形状も合わせて金魚らしいイメージを実現しています。イラストで制作しても面白そうなモチーフですが、実際の風船を使い写真作品として仕上げることでリアリティを持たせている点もポイントですね。要素の少ないシンプルなグラフィックだからこそ、汎用性が高い見せ方ですね。
モチーフの形や性質、あるいは意味合いなどの共通点をつなぎ、見立てのデザインに応用するのは、見た目のデザインに止まらず工夫が必要です。うまくなぞらえないことも多いでしょうが、良いアイディアが浮かぶと嬉しいもの。考えついた瞬間を逃さずグラフィックにもうまく落とし込めるように、テクニックの引き出しを増やしておきたいですね。
「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。デザイン料金と作例
■各種デザイン作成について
チラシ(フライヤー)・ポスターなど1枚物の紙媒体制作から、パンフレットや名刺・ショップカード・封筒などのビジネスツールのデザイン作成、WEBバナーや店頭看板・交通広告などのデザイン、カーラッピング・ロゴマーク・商品パッケージ・装丁・動画編集に至るまで、様々なデザイン作成に関する業務を行なっております。