
企業ロゴをどう依頼すれば良いのか
企業ロゴがあると、見ただけで「あ、あの会社だ!」とすぐにわかってもらえます。企業としてのブランドイメージを高めるためにも、ロゴはあったほうがいいものの一つです。しかし、いざ依頼をしようとしたとき、どんな点に注意すればいいのかわからないという方も多いのではないでしょうか。今回は、企業ロゴを依頼する際の押さえておいたほうがよいポイントをまとめて10個ご紹介します。
企業ロゴ依頼の前に「社内の意思決定プロセス」を整理する
企業ロゴを依頼する際、多くの発注側担当者が見落とすのが「社内の意思決定プロセスの整理」です。デザイナーに提案を受けた後、「誰が最終判断をするか」「何人の関係者の合意が必要か」「承認までにどれくらいの時間がかかるか」を事前に整理しておかないと、制作が遅延し、無駄な修正ラウンドが発生します。
よくあるパターンは、「担当者が良いと思ったデザイン案を持ち帰ったら、社長が全く違う方向性を望んでいた」「役員会議で全員が異なる意見を出し、全員を満足させようとした結果、特徴のないロゴになった」というケースです。
この防止策として、依頼の初期段階で「決裁権を持つ最終判断者」と「意見を反映する関係者」を明確にし、可能であれば初期のヒアリングから最終判断者にも同席してもらうのが理想です。決裁者のビジョンを直接聞けた方が、制作の方向性がブレません。
1:まずは目的を明確にする

pio3 / Shutterstock, Inc.
良い企業ロゴとはどんなものでしょう。例えばアップルの企業ロゴは有名なリンゴのマークです。あの独特の形を見れば、それだけでアップル社のものであると認識してもらえます。ユーザーがロゴマークを見ただけで、すぐにその企業を思い浮かべてもらえるものこそ、良いロゴと言えるでしょう。良いロゴを作るためには、作成目的を明確にしておくことが大切です。
デザイナーは、依頼者の作成目的を汲み取ってロゴを作成します。作成目的が曖昧ですと、出来てくるロゴがなんとなくイメージと違ってしまい、何度も修正依頼するといった手間が生じやすいです。どのようなロゴが求めているものと合致するのか判断する為にも、依頼前に作成目的を明確にしておきましょう。どんな目的で作成するのかはっきりしていると、良い企業ロゴが生まれやすいです。
2:企業の理念やコンセプトを伝えること

企業ロゴの場合、ロゴを欲している企業の骨子そのものをしっかりデザイナー側に伝えておくこともポイントと言えます。資料だけ用意しておくということも有効ではありますが、企業の窓口である担当者から直接デザイナー側に伝えることがより効果的と言えるでしょう。デザイナー側からヒアリングがあることが多いでしょうが、企業を運営している立場から生の声として理念・コンセプトなどを伝えることで、より求めている雰囲気が表現されたロゴに仕上がりやすいです。コーポレートアイデンティティーの一環として企業ロゴを作成することもあるでしょう。ロゴを必要としている企業のそのものを知ってもらうことはとても大切なことの一つです。
3:ターゲット層を伝える

企業には、それぞれに特色や強みがあります。どんなターゲット層を設定しているのかデザイナー側に伝えることで、カラーリングやイメージが求めているものと合致しやすいです。抽象的な言葉よりも具体的な説明のほうが、ロゴ作成がスムーズに進みやすいですので、デザイナーとの打合せ前に、情報を整理しておくのも良いでしょう。
「デザイナーならわかってくれるだろう」と考えるのはあまり得策とは言えません。確かに腕があるデザイナーならば、お任せ対応で依頼してもしっかりとしてロゴを出してきてくれる可能性はあります。しかし、企業ロゴは会社の顔です。デザイナー任せにしてしまうより、企業側が作成目的を考慮して情報を伝えることも大切と言えます。もちろんデザイナーからヒアリングという形で必要な情報提供依頼がくるでしょうが、双方協力して情報交換しあい制作すると、より良い企業ロゴが生まれやすいです。
ターゲット層は「ペルソナレベル」まで具体化すると、伝わり方が変わる
ターゲット層を伝えるときに、「20〜40代女性」「中小企業の経営者」のような括りだけだと、デザイナー側で解釈の余地が広く残ります。同じ「30代女性」でも、子育て中の方、独身でキャリアに集中している方、フリーランスで活躍している方、では、ライフスタイルも好むデザインも違うからです。
伝わりやすくする方法として、「ペルソナレベル」まで一段具体化する、という手があります。たとえば「30代後半の女性、都内マンション住まい、共働き、子ども2人、平日の通勤時にスマートフォンで情報収集、休日は家族で外食、ナチュラル系ブランドを好む」というように、特定の一人を思い浮かべられる粒度で書き出してみます。
ペルソナを共有すると、デザイナーの側も「この人に響くか」という具体的な判断軸を持てます。色、フォント、写真、テイストの選択が、「ターゲット属性に合うか」ではなく「この特定の人に手に取ってもらえるか」という基準で進められるので、ブレが減って精度が上がります。
4:シンボルマーク、ロゴタイプ、ロゴマークのどれか決める

一口にロゴといっても、いくつか種類があることをご存知でしょうか?先ほどご紹介したアップル社のように、シンボルとなる図形のみを使用するのが「シンボルマーク」です。対して、docomoなどのように文字をロゴ化したものは「ロゴタイプ」と呼ばれます。もう一つ、マークと文字を両方組み合わせて使うのが「ロゴマーク」です。それぞれに良さがありますので、作成の目的に合わせて自分が欲しいのはどの種類のロゴなのか決めておくことがポイントの一つと言えます。
シンボルマークですと、イメージとして記憶に残りやすいというメリットがあります。ロゴタイプは、特に企業名をしっかり認知してもらう効果に優れています。ロゴマークは両方のいいとこどりとも言えますが、場合によってはインパクトが薄れることもあります。作成目的が決まっていると、どの種類が最適か判断しやすいです。自分の求めている効果にあった種類を選んでおきましょう。
5:ロゴの使用場所などを伝える

実際にロゴが出来たあと、どんな場所や商品に使うのか、事前にデザイナーに伝えておくことも効果的です。単体で見たときは良さそうに見えても、掲載場所によっては色や形などが合わないこともあります。例えば、赤い企業パンフレットの中央に載せたいロゴが、オレンジ色だったりすると、少々見にくいですよね。
事前にどんな場所や商品などで使いたいかの明らかであれば、それらを考慮したロゴを作ることができます。使用する際もより使いやすくなるでしょう。ミスマッチを防ぐ為にも、先にデザイナーと相談しておくことをおすすめします。まだ使用場所が明確でない場合は、どんな時に使おうと考えているかなど雰囲気を伝えておくことが有効でしょう。他の企業を参考に「こんな風に使おうと思っている」というイメージをある程度固めておくと、より使い勝手の良い企業ロゴとして仕上がりやすくなります。
6:ロゴガイドラインを作ってもらおう
特に企業ロゴの場合は、資料など、不特定多数の人が使用する可能性が高いです。その時に大切になるのが「ロゴガイドライン」になります。その名のとおり「ロゴマークのガイドライン」にあたるものであり、これがあることでたくさんの人が活用しても、きちんと形の保たれたロゴとして使うことができるのです。デザイナー側に相談しておけばしっかり作成してくれますので、依頼する際には忘れずにお願いするようにしましょう。
個人で使用するだけなので、別に要らないかなと思う方もいるかもしれませんが、企業のロゴともなればその会社の顔になります。後々事業規模などが拡大したときのことを視野に入れておくなら、作ってもらっておくことがおすすめと言えます。(LOGOLOでは、別途オプションとなります)
7:イメージと合致するデザイナーを選ぼう

デザイナーによって、出来上がるロゴの雰囲気は十人十色と言えます。人それぞれ得意不得意があるように、各デザイナーの得意分野は異なります。大半のデザイナーやデザイン会社はすでにいくつかの制作例を持っているでしょうから、見本を参考に自分のイメージと合致するデザインを提供してくれる所を選ぶことが大切です。イメージが漠然としていてよくわかならいという場合は、事前にコンセプトなどをしっかりデザイナー側に伝え、やり取りから判断するという方法もあります。自分に合った所を選ぶと、良いロゴマークが完成しやすいと言えるでしょう。
8:デザイナーとのコミュニケーションも大切
良いロゴにする為にも、双方でコミュニケーションを取ることが大切です。力のあるデザイナーなら、しっかりと自らヒアリング提案をしてくれる可能性が高いですが、お互いに協力することが必要となってきます。必要なコミュニケーションはしっかり取るようにすると、双方に手間が少なくスムーズにデザインが完成しやすいです。
「派手な」「かわいい」などの抽象的な表現からも、デザイナーは案を出してくれるでしょうが、依頼する側から提供する情報がしっかりしているほうが、よりイメージと合致しやすいです。よくわからないという方は、自分のなんとなくのイメージと合致した見本などを既存の画像などから拾っておくのも有効な手法と言えます。要所などのやり取りすることで、イメージのズレを防ぐことが可能です。
9:ロゴは頻繁に変えられない
企業ロゴの場合、変えようと思ってもなかなかすぐに変えることはできません。依頼するときは、長期的な運用を考慮しておくとよいでしょう。コロコロ変えられないということを念頭に出来たロゴをチェックすると、修正などもしっかりできるので、長く使用するロゴとして納得の出来るデザインに仕上がりやすいと言えます。特に企業ロゴは、その企業に関わるたくさんのグッズなどに用いることになりますので、推敲時は入念に確認することがおすすめと言えます。
有名な企業のロゴなどを参考程度に見ておくとイメージが掴みやすいのではないでしょうか。いざ企業ロゴを作成依頼する立場になってからの視点で他の企業ロゴを見てみると、見慣れたロゴの新しい一面を発見することも多いです。依頼する際の具体的な参考例として使える可能性もありますので、時間があるときに数社程度、見ておくことも良いでしょう。
10:長く使えるロゴデザインはシンプル

初めてロゴを作る企業の場合、ついつい奇抜だったりオシャレなデザインを採用したくなる傾向があります。もちろんそれが作成目的と合致しているなら、全く問題ありません。しかし、企業ロゴは会社の顔になる存在です。長期的に発展している企業や、海外まで幅広く活躍している企業のロゴを見ると、意外とシンプルでわかりやすいものが多いことに気づきます。流行に左右されないシンプルでわかりやすいロゴのほうが、時代にとらわれず長く愛される可能性が高いです。
9で解説した通り、ロゴは頻繁に変えられるものではありません。一時の格好良さなどで選んでしまうと後悔する可能性もあります。依頼する側が冷静に、長期的な視点で選ぶことが大切です。自分たちではよくわからないという場合は、デザイナー側に相談してみましょう。たくさんの企業ロゴを作成してきた経験から、プロのアドバイスを聞くことができます。ぜひ活用してみることがおすすめできます。
「シンプル=古びない」とは限らないので、判断は慎重に
「長く使えるロゴはシンプル」という考え方は基本的に正しいのですが、シンプルなら必ず古びない、というわけではありません。シンプルさの方向性によって、経年での見え方は変わってきます。
古びにくいシンプルは、時代を超えて使われている形(円・三角・四角の組み合わせ、伝統的なセリフ書体、明快なロゴタイプなど)をベースにしたものです。長期にわたって大きく変えずに使い続けられている著名ブランドのロゴが多いのは、こうした普遍的な造形に立脚しているからです。
一方で、その時代のトレンドを反映したシンプルさは、数年〜十数年単位で古びてしまうこともあります。2010年代に流行した「フラットなジオメトリック・サンセリフのロゴ」は、当時はモダンでしたが、いまでは「2010年代っぽい」と感じられる場面も増えてきました。同じ「シンプル」でも、選ぶ要素のひとつひとつが「普遍系」か「トレンド系」かを意識すると、長期の使用に耐えるロゴに近づきます。
まとめ
企業ロゴがあると、自社のブランディング化が進みます。社外に自社を覚えてもらいやすくなるだけでなく、社内のモチベーションを上げる効果も期待できるのです。また、同じ事業規模でも、ロゴがある会社とない会社では、圧倒的に企業ロゴがある会社のほうが第一印象が良くなります。他社と差別化する為にも、企業ロゴは有効なツールと言えるでしょう。ここでご紹介した10のポイントを押さえておけば良い企業ロゴに結びつきやすいです。依頼する時に活用してみてください。
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