14歳の誕生日に父からフォトショップを貰った時から、Yossi Belkinはグラフィック業界においての実績を上げ、今では情熱的な写真家としても活躍しています。彼のアートは新鮮で、かっこよくて、モダン。Oscar MeyerやSubwayなどのクライアントを持つ彼の作品は最高級のものと言えます。
この記事は海外のロゴデザインWEBマガジン”logoinspiration.net“の記事を翻訳しています。※記事掲載はlogoinspiration.netとデザイナーの許諾を得ています。
■デザイナーになろうと思った人生の転機は何でしたか?
中学生の頃、学校のプロジェクトに熱中していました。Kinkosで何時間もかけてカット、スキャン、接着をして、Microsoft Paintとワードを使って仕上げていました。その頃から、これが私のやりたいことだとわかっていました。「これ」が何かはわからなかったのですけれど。2003年の私の14歳の誕生日に父がフォトショップの入ったノートパソコンをくれて、私は自分の「プロジェクト」を次の段階へ持っていくことができました。2003年にしては、ドロップシャドーやレンズフレアがたくさんあって、恋に落ちてしまいました。起きているときは学校にいなければ常にフォトショップをいじって、どんなものが作れるか試していました。
■一日の流れを教えてください。
ここ1年で多くの変化があり、子供ができて、事務所に移りました。現在の1日はこうです。息子と一緒に起きて、遊んで、素晴らしい妻が普段とれない睡眠を取っている間に息子に朝ご飯を食べさせます。お弁当を作って事務所に行きます。現在、www.freshmadebrands.comの素晴らしいチームと事務所を共有しており、1日中才能のある人達が周りにいるのは特別な体験です。
事務所ではフリーランスのプロジェクトの作業をしており、6時に切り上げるようにしています。家族と夕飯を食べ、お風呂に入ります。息子が眠ったら、Netflixとビール、そして妻との時間を過ごしにソファへ向かいます。ここで初めて全てが予定通りになるのです。もちろん、残業や深夜帰宅はフリーランスによくあることですが、なるべく頑張って帰れるようにしています。
Oscar Mayer – Sizzl
■初めてデザインしたロゴは何ですか?
私が初めてデザインしたのはJewish CenterのChabadというものでした。これは世界中に4000以上のセンターをもつ伝統的なユダヤ教の宗派の一部です。Chabadコミュニティの一員として育った私はコミュニティに思い入れがありました。シカゴのChabadのロゴとしてデザインしたものが、ニューヨークやベルリンなど世界中のChabadセンターに広まりました。そのときの作品はかなり酷いものでしたが、若くして世間に作品を知ってもらうチャンスを得たのは楽しかったです。
■MacとPCどちらを使っていますか?
断然Macですね。古いDell Latitudeも使っていましたが、iMacを買ってからは全く手をつけていないです。
■マーヴェルとDC、どちらが好きですか?
どちらもかな?Michael Chabonの「カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険」は本当に好きです。
Canna-Fusion
■どのソフトウェアをよく使いますか?
フォトショップです。周りが言うようにイラストレーターを使うことができなくて。悪い癖が直らないので結局フォトショップに行き着いてしまいます。克服しないといけませんね。
■最も気に入っているロゴデザインのスタイルは何ですか?また、それはなぜですか?
クリーンでミニマル。やりすぎていないのに、「そうか!」と思わせるブランドが好きです。もしくは、見た目がとにかく美しくて、小さくしたり単色にしてTrue Detectivesのシーズン1のオープニングに使えそうだと思うものですね。
■普段どんなことにインスピレーションを受けながらデザインしていますか?
BehanceとDribbbleに不健康なくらい時間を費やします。何かに行き詰まっているときは、ffffound.comに行くと大抵の場合は解決します。
Texas + Growth
■今まででデザインしたものの中で最高のロゴはどれだと思いますか?
なんて難しい質問なんだ!最高のロゴだと思うものはありません。たくさんの作品に誇りを持っています。自分のお気に入りをクライアントに却下された時はすごく落ち込みました。逆に自分ではそんなに気に入っていないのに、何度も新規クライアントに「これだよ!」と選ばれたりします。
■一番好きなロゴを5つ教えてください。(今まで人類によって作られた全てのロゴの中から)
これも難しい質問ですね。正直、NikeやAppleというのは簡単ですが、本当に好きなものでしょうか?それとも私が好きなのは「ブランド」なのか?答えはどちらもです。これらのロゴは素晴らしいです。
しかし、私が好きなのはブランド、製品、マーケティング、ロゴとデザインを取り巻く雰囲気です。それ抜きで私が好きなロゴとなると、世界中の才能あふれるデザイナーのロゴに日替わりで虜になっていますよ。
Brooklyn Beard Co.のロゴデザイン案
■仕事で最も良い点は何ですか?
何かを作ること。アイデアを持つこと。形をスケッチして、それがブランドに変わっていくのを見ること。製品や企業に命を吹き込むこと。美味しいバーガーを作ると知られていたレストランが、今一番人気の店になるのを見ること。木製のテーブルに焼き入れられたロゴを触って、壁に描かれたカスタムイラストや模様を見ること。あのバーガーはただの美味しいバーガーではありません。これは経験です。私にとってこれが最も楽しみです。自分の作品に翼が生えて、コンピューターでデザインしたブランドが、実際に私が行って体験したいブランドに変わっていくのを見ることが。
■デザインの他にやっていることはありますか?
写真をしばらくやっています。Matisyahuと一緒にツアーをしてコンサートを撮影しました。写真は大好きですが、結婚して父親になってからは、仕事の他には家族しかありません。あと、少しコールオブデューティーも・・・いや、少しではなく、かなりです。
Matisyahu Acoustic Sessions
■常に持ち歩いているものは何ですか?
ハードドライブです。Dropboxとやらは慣れません。自分のフォントやファイル等が入っているものを持っていますが、持ち歩いていないと落ち着かないのでハードドライブに入れています。あと、メガネ拭きも。いつも父がメガネに息を吹きかけているのを笑って見ていた記憶がありますから。
■これからのYossi Belkinについて教えてください。
今やっていることを続けていきたいです。こんなに素晴らしいクライアントと最高のプロジェクトができるなんて、本当に恵まれています。いつか、会社にして、フルパッケージを提供したいです。自分のブランドで可能な限り勝負して・・・
それまでは、デザインコミュニティとクライアントからこんなにたくさんの支援していただいていることに感謝して、頑張っていきます。
■最もインスピレーションを受けている人は誰ですか?
一人の人間としては、Chabad Lubavitch運動 (ユダヤ教ハシディーム派の運動) のリーダーであるThe Lubavitcher Rebbleですね。日々、どうやったらより良い人間になり世界をより良い場所にできるのかという彼の導きの元に生きています。暗い世界に光をもたらすように。彼の名言に、光は闇を払いのける、とあります。また、良いことをする度にこの世の善と悪のバランスが傾き、世界に良いことや平和が訪れるとも言っています。誰にでもできることです。
一人のデザイナーとしては、Jay Fletcherからここ数年インスピレーションを受けています。知り合いでもないし、会ったこともありません。魔法使いではないのかと思っていますが、人々は彼をただのイケてる奴だと言います。本当に素晴らしいデザインですよ。天才です。
■駆け出しのデザイナー達にインスピレーションを与えるメッセージをお願いします。
常に努力し、雇われの身でも夢中になること。最初の何年かはロゴをデザインしていましたが、けっこうひどかったです。2010年より前に担当したクライアント全員に電話をかけて、無償でやり直したいくらいです。自分の価値と立ち位置を理解し、それぞれのプロジェクトで新しいことに挑戦すれば、上達しかしません。頑張ってください。
designer : Yossi Belkin
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