スマートフォンの所持率が固定電話の所持率を上回ってから早数年。昨今の新型コロナウイルス感染症蔓延により、以前よりさらにICTの推進が図られ、暮らしとデジタルはますます切り離すことができないものになりました。広告トレンドも時代に伴い変化を遂げ、プラットホームの進化と選別に従い「動く広告」をよく目にするようになりました。また、WEBページの構成も、従来は静止画と文章が中心でしたが、今では動画やそのリンクを含むコンテンツを多く見かけます。
広告とコンテンツの両方で一躍トレンドとなった動画ですが、どのような点に優れ、どのように活用するのがベストなのでしょうか。
動画のメリットとは
以前に比べ格段に制作しやすくなった動画。無料のアプリケーションやスマートフォンのカメラを使えば、実質コストをかけなくても誰でも手軽に制作することができてしまいます。しかし、動画が多く流れるようになり、視聴する側もたくさんの動画を目にするようになると「動画を見る目」が養われ、求められるハードルがどんどん高くなっていきます。
その中で、見る人にインパクトを与え、効果を上げる動画を作るには、動画の特性を理解し、一定のクオリティをクリアしたクリエイティブで目的に沿った動画を作ることが必須です。
ここでは、動画の特性を理解するため、動画のメリットについてご紹介していきます。
複雑なことも一瞬で理解させる情報量の多さ
鉛筆の削り方やコルク栓の抜き方、料理のレシピや家電の取り扱い説明・・・これまで写真や文章を用いて説明してきたことが動画では、音声や映像を使って何倍も短く簡単に理解してもらうことができます。「百聞は一見に如かず」という言葉の通り、物事が複雑であればあるほど動画の力は発揮されます。
動画の情報量は、平面的な情報と比べるとその量は数千倍ともいわれています。今まで、文字や写真から使用シーンを想像しながら理解していたものを、目の前で映像として受け取ることで、視聴者の頭の中で情報を組み立てる必要がなくなり、圧倒的に理解するスピードが速くなります。
ボタンを押して再生する受け身のメディア
一般的な文章や写真で構成されているコンテンツは、読み手が情報を探し、見つけたページをスクロールしながら読んで理解をしていく「読み進める」という能動的な力が必要でした。しかし、動画はたいていの場合、見つけた動画アイコンについている再生ボタンを一度クリックするだけで映像が流れ、自分で進んで理解するという工程が要りません。視聴する側は常に受け身でいられるため、情報の選別に対するハードルが低く気軽に視聴してもらうことができます。
しかしながら、離脱される時間も短く、冒頭の数秒で続きを見るか見ないか判断されてしまうため、つかみを意識した動画づくりを意識する必要があります。
視覚と聴覚に訴える心を動かす演出
五感の中で人が受け取る情報は、視覚8割聴覚1割といわれ、まさに目と耳だけで約90%の情報を網羅しています。さらに、音楽を伴った映像は心に訴えかけやすく記憶に強く残ります。動画は具体的なノウハウを伝えるのに適したメディアですが、ドラマティックな演出でイメージを見せるのにも適したメディアです。
リアルな様子を伝える信憑性が高い動画
静止画と比べ、改ざんが困難なのが動画。また、普段立ち入ることができない店内や場所の様子を伝えることができたり、出演者などがいる場合はリアルな意見や感想が聞けるため、信憑性が高くなる傾向にあります。しかし、最近ではAIの発達によりディープフェイクなどの高度な動画の改ざんの例も数多く問題視されているため楽観視はできません。
SNSとの相性が良く拡散力が高い
動画といえばYouTubeという強いブランド認知がありますが、近ごろではFacebookやInstagram、Twitter、TikTokなどのSNSでの動画拡散がよく見られます。YouTubeでは、気に入った動画をワンクリックで多くの人に共有するのは難しいことですが、SNSによっては、ワンクリックで大勢の知り合いに共有することができるため拡散力が非常に高いといえます。
それぞれのSNSプラットホームの特徴を踏まえ、ターゲットに合わせた動画を発信することで狙った広告効果を期待できます。ただし、広告らしい広告はSNSの特性上忌避される傾向があるので、話題性や切り口に留意する必要があります。
特性を生かした動画編集・制作を
動画を制作する目的は多岐にわたり、その内容も長さもさまざまです。どのような目的のプロモーションが動画コンテンツに適しているのか、動画が持つメリットや特性を把握しておくことが効果的な動画制作につながります。前述した動画のメリットを踏まえた上で、少し具体的にどのような種類の動画制作に生かすことができるのか見ていきましょう。
実際に使って見せる商品の紹介動画
商品紹介動画で比較的効果が高いといわれているのが、子供向けの玩具や通信教育のカテゴリーです。難しい言葉や説明が苦手な子供たちでもわかりやすく、尚且つ実際使っているところの様子が見られると、子供は自分も遊んでみたいと思い、保護者は同じおもちゃで遊ぶ我が子の姿も想像しやすくなるでしょう。
その他にも、使い方の説明が複雑な商品の取り扱い説明動画や、体験することが難しい商品のレビューなど、購入する前に商品の良さや使い勝手を判定する材料となる動画は商品訴求の大きな武器になります。書面の取扱説明書は苦手で読まないという方にも、動画なら見てもいいという方は多く、ハウツー的なコンテンツにも最適といえます。
近年は、調べものをする際にも通常のWEB検索ではなく動画コンテンツのみを検索する風潮が強まっており、SEO的にも有利になりつつあります。
また、QRコードなどの二次元コードを商品や説明書に添付することでスマートフォンを介してダイレクトに動画視聴に結びつけることも可能になり、ますます利便性が良くなっています。
その場の雰囲気を伝える企業や学校の紹介動画
書面では伝わりにくいその場の空気感を伝えることができるのも動画の大きなメリット。さらに、その場にいる人の声を聞くことで説得力が増し、信憑性が高まります。学校案内や企業のリクルート、不動産の内見など、入ってみなければ体感できない内部の雰囲気を疑似体験できる紹介動画はエントリーする前の貴重な判断材料になります。
また、美容室やエステ、習い事など対人サービスを行う業態にも適しているのが動画。どんな店員さんが接客してくれるのか、どんな先生が教えてくれるのか、どんな雰囲気で過ごすことができるのか、事前にある程度理解することで来店や申し込みの心理的ハードルが大きく下がります。
ブランドや企業価値を高めるイメージ動画
音楽や映像を使い優れたクリエイティブで表現するイメージ動画で、ブランドや企業のイメージ広告を制作することもできます。テレビCMで同様の広告を制作すると放映費を含め大手企業でなくては支払えない金額になってしまいますが、WEBに特化した動画ならそこまで予算をかけなくても制作することができます。
優れたクリエイティブがリーズナブルに制作できるサービスや映像制作会社が増えたのも近年の動画ブームの追い風となっています。
企業の裏側を紹介するメイキング動画
普段は知ることのできない商品製作の裏側や工場での生産風景、農業や漁業などの生産現場など、商品にまつわる生産工程を映像として見てもらうことで、商品やブランドへの安心感や信頼性が高まり、価値向上につながります。
動画=商材になる有料視聴動画
習塾や予備校などの授業やアーティストのライブ、金融知識などの専門性の高いセミナーなど動画自体が高い価値を持つコンテンツの場合、会員登録での限定視聴や有料配信など動画そのものが商品になり得ます。とくに、新型コロナウイルス禍の昨今、直接来場することが難しいセミナーやライブは動画配信がスタンダードになりつつあります。
まとめ
5G回線の整備が進み、デジタル庁も開庁されるこの時代。トレンドとして世に溢れた動画の波は、もはやスタンダードになりつつあります。視聴される動画は、クオリティはもちろん、目的に沿った魅力的なコンテンツであるかがますます重要視されていくでしょう。
撮影や編集が手軽になった分、動画制作の敷居を跨ぎやすくなりますが、視聴者の目は加速度的にシビアになっていきます。動画制作を思い立ったら、リーズナブルなプライスで動画の特性とメリットを理解したクリエイティブサービスの検討がおすすめです。
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