開業準備に奔走し、やっとたどりついた起業の時。前職からのお得意様や起業を手伝ってくれた協力者の方々など、すぐに顧客になり得る知人・友人がいる場合もいない場合も、新たな事業を始めたならば、多くの人に知ってもらい新しいお客さまを増やしたいとほとんどの方が考えるのではないでしょうか。そこで必要になるのが広告戦略。いつからどのように広告宣伝を展開するべきなのか考えていきましょう。
広告宣伝はいつからするべき?
起業したばかりの頃は、時間的にも精神的にも、そして経済的にも余裕のある人は少なく、目の前の業務に追われ、広告宣伝まで頭が回らない!というお話をよく耳にします。しかし、スタートアップの時期だからこそブランドのイメージを作る広告宣伝は重要なもの。後回しにしていると気づいた時には自分の思い描いたブランドイメージとは全く異なる方向へと進んでしまい、後になるほど軌道修正するのが大変になってしまいます。
また、お店を開けていてもお客さまが来店しなければ、経費や人件費だけがかさんでいき利益に結び付きません。予算に余裕がなくても、先の集客を考え費用に見合った効果を発揮する広告宣伝は検討して然るべきでしょう。
広告と販売促進の違いとは?
一般に、商品やブランドを認知してもらうためのプロモーション活動には、広告・販売促進・パブリシティ・人的販売といった広告戦略が必要となります。中でも、広告と販売促進は、多数を相手に顧客を開拓するため、商品やブランドの認知を進める行動という点ではイコールであり、その違いは一見明確ではないように思えます。しかし、それぞれが担う役割には大きな違いがあり、ここをベースに広告戦略を練ることが後々大きな違いを生むことになります。
■ 広告
広告は、一般的に長期的な戦略で、時間をかけてブランドや企業のイメージ、ロイヤリティを育てていく方法です。雑誌や新聞、テレビ・ラジオなどのマス広告や、自社WEBサイトの運営などがこれにあたり、商品やサービスの具体的な告知というよりは、企業やブランド、商品の「イメージ」を形にして印象付けていく方法です。
■ 販売促進
販売促進は、広告よりは短期集中型でより具体的に商品やサービスを打ち出し、キャンペーンや価格、機能の訴求などにより直接的に売り上げに結びつけていく方法です。チラシやポスター、ダイレクトメール、店内POPなどがこれに相当します。
起業したばかりの頃は、予算も時間もかかるイメージ広告を打つのは大変なことかもしれません。しかし、顧客に認知してもらいたいブランドや商品のイメージを定め、短期的な宣伝の継続やSNSなどを駆使してブランドイメージを発信していくことは、イメージ広告にも値する強力な広告戦略です。
そのために必要なのは、ブランドイメージを定めるコンセプトの設定やロゴマークなどのビジュアル面でのアイデンティティです。見た人が一目でブランドを認知できる視覚的なメッセージは、広告戦略において大きなウェイトを占める強力なツールになり得ます。
効果的な広告宣伝の公式
それでは具体的にどのような広告戦略を立て、実行に移したらよいのでしょうか。まずは、広告の軸となる商品やサービスのコンセプトを定めましょう。
コンセプトが決まったら、それを形にして表現するデザインやコピーワークでスタイルを確定し、伝える場所であるメディアを選びます。
ブランドコンセプト×クリエイティブワーク×メディア=広告宣伝
上記の要素が掛け合わさることで、効果を生む広告が出来上がります。前述したように、イメージ広告に限らず、短期的な販売促進においても、コンセプトを形にするクリエイティブワークは欠かせません。この公式に当てはめると、クリエイティブワークの次に来るメディア選定の時点で、短期的な販売促進になるか長期的な広告になるかが決定します。
コンセプトを形にするクリエイティブワーク
広告戦略のポイントは、どのようにブランドと顧客のコミュニケーションを確立させるかです。その最初の接点になるのが、コンセプトを形にするクリエイティブワーク。顧客にどんなイメージを持ってもらいたいのか、何を伝えたいのかを明確にした上で、伝えたい対象を絞り込みます。
ターゲット像は、年齢・性別・職業・趣味・思考・利用頻度に至るまでできるだけ具体的に設定し、ターゲットが好み、親近感やポジティブな感情を抱くデザインやメッセージの方向性を探ります。後にメディアを選ぶ際にも、ここで設定したペルソナ(ターゲット像)が大いに役立ちます。
次に、ペルソナをもとに決めたクリエイティブの方向性をベースに、ロゴマークやコーポレートカラー、キャッチコピーなどブランドイメージを形づくるビジュアルを制作していきます。ここでは、はじめから一つの案に絞り込まず2つ以上の案を試し、どちらがよりターゲットに響くか、可能ならばターゲットに近い人物にヒアリングをするなどし、多角的な意見をもとにクリエイティブを決定すると良いでしょう。
メッセージを拡散するメディアの選定
ブランドイメージがビジュアル化できたら、次のステップはメディアの選定です。ここでは、まず宣伝を出稿する目的を明確にし、発信するターゲットとブランドが属するマーケットを理解しておくことが重要です。
前述したターゲット層のペルソナに基づき、顧客がどのような日常を送り、どのような思考をし、どのような行動をとるのかを分析し、メディアに触れるポイントに沿って、どこに広告宣伝を配置するのがベストなのかを検討します。
また、顧客の行動が広告宣伝の効果(=利益)へとつながる、行動喚起を設定します。来店や購入、サンプル・カタログ取り寄せ、問合せ電話やWEBサイトへの誘導など具体的なゴールを設定することで、メディア選びを具体化し、広告宣伝の効果測定も可能にします。
媒体の種類を3つに分けるトリプルメディア
数多くのメディアから出稿媒体を選ぶ際、宣伝の目的と予算、期間を加味し3つのカテゴリーに分けて考えることができます。現在の状況でどのメディアに出稿することが最適なのか判断する参考にしましょう。
Paid Media(ペイドメディア)
「枠」として買うことができる、買い切り型の広告枠。初見の顧客にリーチしやすく、媒体の選び方によってターゲット層や露出量がコントロールできる。単発で出稿することができるため、計画的な広告出稿や短期的な販売促進に向いている。
〈例〉チラシ、ポスター、雑誌・新聞広告、テレビ・ラジオ広告、バナー広告、リスティング広告、デジタルサイネージなど
Owned Media(オウンドメディア)
自社運営する媒体。定着するまで時間はかかるがコントロールしやすく、継続して情報が発信できるため、ブランドのイメージ広告に向いている。単体での発信力が弱い場合が多いのでPaid Mediaとの組み合わせが有効。
〈例〉自社ホームページ、SNS、ブログ、メールマガジン、社内報、パンフレット、カタログなど
Earned Media(アーンドメディア)
第三者の視点から評価される顧客発信のメディア。コントロールが難しくネガティブなイメージが発信される場合もあるが、情報の信憑性が高く良いイメージが発信された場合の効果が大きい。
〈例〉口コミサイト、掲示板、SNS、ブログ記事、プレスリリース、口コミ
ビジネスの未来を左右するブランドイメージと広告宣伝
派手な広告を打たなくても口コミで評判が広がっていくお店や商品もありますが、それを待っているだけではいつその日がくるのかわかりません。せっかく立ち上げた事業ならば、自分の見せたいイメージで多くの顧客に愛され、利益を生むブランドであってほしいものです。
マーケティング用語でよく耳にする「ブランディング」。ブランドというと海外の名だたるファッションブランドを思い起こすかもしれませんが、どんな商品やサービスであってもジャンルを問わず、他の商品やサービスと区別する時、それらはすべて固有の「ブランド」として認識されます。ブランディングとは、個々のブランドを市場や顧客に認識させ、「このブランドはこの商品」という風にイメージを浸透させて他社と差別化する作業のことをいいます。
商品やサービスのブランディングは、起業し社会へリリースした時から始まっています。ロゴマークやキャッチコピーなどで自社のブランドに相応しいイメージをアイデンティティとして設定し、宣伝に適したメディアを使って多くの消費者にブランドを知ってもらいましょう。
当サービスでは、ロゴマークやチラシ、名刺やショップカード、ポスターや動画広告まで、ブランディングと広告宣伝に必要なデザインサービスを低価格で利用することができます。起業や新たなブランドを立ち上げる際には、お気軽にご相談ください。あなたのビジネスにフィットしたクリエイティブをご提案いたします。
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