日本を代表する文化といえば、着物や和太鼓などが世界的に有名でしたが、最近では「MANGA」として日本の漫画は一つの文化として注目されています。「クールジャパン」という「外国人がクール(かっこいい)ととらえる日本の魅力」を「日本ブーム」として世界に展開させようという戦略があるように、文化のブランディングは経済成長に直結するものとして重要視されています。
世界には、アートフェスティバルや、マーケット、それを支える文化機関が多くあり、それぞれがアートを軸にするからこそのアーティスティックなブランディングを展開しています。今回はアートのためのパワフルで戦略的なアーティスティックなブランディングを集めてみました。アートの無限の可能性を体感してみてください。(※紹介するデザインは当サイトの制作事例ではありません)
ヨーロッパの歴史都市で開催されるフィルム&アートフェスティバルのブランディング
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ポーランド最古の都市クラクフで毎年開催されている「Two Riversides Film and Art Festival(DWA BRZEGI)」の2016年度のブランディングです。10周年を記念した年であることで、「10」という数字を軸にしたポップな色使いが印象的なデザインに仕上がっています。Kazimierz(カジミエシュ)とJanowiec(ヤノビエツ)という2つの街をメイン会場として、映画や文学・音楽・演劇・ライブアートといったあらゆる芸術イベントが開催されています。
ベルリン国際映画祭・カンヌ国際映画祭の審査員を務めるジャーナリストが第一回開催時からアーティスティックディレクターを務め、世界中の最先端の芸術作品が集う場ということで、歴史的な街の対極にあるようなビビッドでコンテンポラリーなデザインが映えています。三原色をベースにしていることで、多彩な中にまとまりとシンプルさを兼ね備えており、芸術への敬愛が滲み出るようなデザインが完成しています。コンテンポラリーアートとしてそのまま展示されていてもおかしくないような、「今」を映し出した秀逸なデザインです。
ロンドンファッションを発信するマーケットのブランディング
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イギリス・ロンドン中心部から少し北にあるCamden Market(カムデン・マーケット)のブランディングです。「Camden Slab」と「Camden Sans」という地名を有した固有の書体と白黒で統一したスタイリッシュなデザインですが、このマーケットは1000店舗以上の古着などのアイテムを扱う店舗を有する新しいファッションが生まれるカラフルな場所。ファッションだけではなく、音楽やアート作品の発信エリアとしても有名で、ライブハウスや小さな劇場、そして屋台も多くあり、週末になると多くの人がアートと食を楽しみにロンドン中から集まってきます。
「THIS ONE LEADS TO THAT(ここがあそこに繋がる)」や「BITE IT OFF AND SPIT IT OUT(かぶりついて、吐き出せ)」といった未知の世界に誘うキャッチフレーズも、とにかくおしゃれ。そこに集まるお店、作品、人、全ての要素の多彩さを際立たせるだけではなく、ブランディングそのものがユニークでデザイン性が高い、というところに、カムデン・マーケットの格式のようなものを感じます。
ヨーロッパが誇るクリエイティブな国を支える機関のブランディング
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オランダのクリエイティブ業界のための独立戦略諮問機関「Dutch Creative Council」のブランディングです。ロゴにもなっている機関名の頭文字「DCC」の2つの「C」を離して配置することであらゆるものに変化する舞台(ステージ)をイメージしているとか。アートをはじめとするクリエイティブなものが発信するメッセージの多様性や、その可能性を括弧にも見える2つの「C」を使うことで見事に視覚化しています。最先端の現代建築を多く有するオランダは、ヨーロッパにおける「創造都市」の中心となるべく、どのように「創造性」を戦略的に活用して経済を活性化させるか、という観点での取組みを進めています。
世界的にも、あらゆるビジネスでも「創造性」を求め、重要視し始めており、そこに戦略的な視点をおいているというのが、これからのヨーロッパの主権のありかを占っているようにも感じます。オランダのナショナルカラーとして愛用されているオレンジをメインカラーにしたものだけではなく、多彩なデザインを取り入れたブランディングは、まさに「クリエイティブ」を形にしています。スタイリッシュで可能性に満ちたブランディングです。
カナダの文化機関のブランディング
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カナダ・モントリオールの非営利文化機関「Culture Montreal」のブランディングです。モントリオールを拠点とする文化に関わる人たちを支援し、モントリオールを文化都市として盛り上げることを目的として活動しています。「Culture(文化)」の「C」をベースにしたロゴは、「窓」をイメージしているとのことで、この機関があらゆる文化に携わるあらゆる人たちをつなぐ「窓口」として機能したいというバリューを表現しています。
ビビッドな色使いは、モントリオールの文化が活発に成長を続けていることを表していて、基盤となるように「黒」を差すことで、安定感だけではなく、モントリオールを何にも染まらないユニークな存在として描いているようにも感じます。デザインそのものをシンプルな構成にすることで、あらゆる表情をもつ「文化」を支え、「文化」に貢献するという姿勢が伝わってきます。モントリオールといえば、カナダでありながらフランス語圏ということで「北米のパリ」とも呼ばれ、フランス文化が強く根付くエリアです。アメリカ大陸に根付くヨーロッパな雰囲気をもつ街から生まれる奥深い文化を守り、発信しようとする団体をバランスよく表現するブランディングです。
「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。
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