ときには力強く、ときには都会的なサンセリフ系のフォントや、格調高く、クラシカルな雰囲気もあるセリフ系のフォントなどに比べると、手書き風のフォントはカジュアルで親しみを感じます。世界的に有名なブランドにも、手書き風フォントを使ったワードロゴは少なくありません。
英国の老舗高級百貨店のロゴ
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英国の老舗高級百貨店であるHarrods(ハロッズ)は、1834年に食品雑貨店としてスタートしました。1900年代に入ると、ロゴタイプは様々なフォントで何度も変更されましたが、いずれもエレガントな手書きスタイルである点では一貫しています。1930年代には現在のロゴに似たものが登場し、その後も引き続きリニューアルが繰り返され、1967年に現在のロゴが定められました。創始者であるチャールズ・ハロッドのサインを元にしていると言われています。ハロッズのロゴは、英国らしい伝統を感じさせますが、それと同時に、百貨店が取り扱う多種多様な商品のいずれにもマッチするふところの深さがあります。
ファッションアイテムの代表的ブランドのロゴ
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米軍パイロット用として開発されたサングラスの消費者向けブランドがRay-Ban(レイバン)です。現在はイタリアのファンションブランドの傘下にあります。ティアドロップと呼ばれる独特の形状のものが有名ですが、このタイプは人間の視野のほとんどカバーするといわれています。近年、スポーツとファッションの融合が進んでいますが、Ray-Banはファッションブランドとしてのアイデンティティにブレはありません。ロゴからもその姿勢が汲み取れます。昔ながらの万年筆もしくは羽根ペンで書かれたかのような文字は、とてもエレガントで温かみを感じます。
世界的キャラクターで有名なエンターテイメント企業のロゴ
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アニメから映画、テーマパークまでさまざまな形でひとびとに夢を届けるエンターテイメント界の巨人ディズニーのロゴです。はっきりと意識しているわけではないけれども、なんとなくあの世界的キャラクターの生みの親であるウォルト・ディズニーのサインをベースにしているのだろうと思っている人が多いのではないでしょうか。実は、ウォルト・ディズニーが生きていたころから、宣伝販促物の「直筆サイン」の代筆を正式に認められていた従業員がいました。ディズニー本人の直筆サインは頻繁にスタイルが変わっていくのに対し、代筆の方はほぼ一定しています。ですから、ディズニーのロゴは、本人のサインよりも代筆との共通点が多いという指摘がされています。おもしろいですね。1980年代に登場した現在のロゴ(ロゴタイプ部分)は、歴代のロゴに比べるとディズニー本人の初期の直筆サインの特徴が反映されています。
今回紹介した3点のロゴは、間違いなくそれぞれの分野のトップブランドです。その事実をいったん横において、あらためてロゴだけを見てみると意外とリラックスしたムードを漂わせているのがわかります。広く、長くひとびとに受け入れられるブランドを目指しているのであれば、手書きタイプのワードロゴというのもひとつの選択かもしれません。
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