
長期休暇明けの憂鬱を軽くする「アイドリング」という考え方
待ちに待った長期休暇。カレンダーに印をつけて、指折り数えて楽しみにしていた人も多いのではないでしょうか。しっかり休んで、リフレッシュして、また新たな気持ちで仕事に向かう… それが理想ですよね。
でも、現実はどうでしょうか。
休暇中は思いっきり羽を伸ばして楽しんだはいいが、休み明けが近づくにつれて、なんだか気分が重くなってくる。仕事のことを考えると、どっと疲れを感じる。そんな経験はありませんか?
僕も以前はそうでした。せっかくの休みだからと、完全に仕事モードをオフにして、遊びや趣味に没頭する。それはそれで、とても楽しい時間です。でも、休みが明けて日常に戻ったときのギャップに、心がついていけなくなることがありました。
まるで、全力疾走した後に急ブレーキをかけたような感覚。心身ともにぐったりしてしまい、元のペースを取り戻すのに時間がかかってしまうのです。
この経験から、僕は長期休暇の過ごし方を少し変えてみました。それが、「完全にオフにする」のではなく、「軽くアイドリング状態を保つ」という方法です。
「楽しい!」の反動? 休暇後のメンタルの波
僕の場合、メンタルの安定を保つ上で、実は「楽しすぎる」ことにも少し注意が必要でした。もちろん、楽しいこと自体は素晴らしいことです。でも、非日常的な楽しさが連続すると、感情の振れ幅が大きくなりすぎてしまう。
ジェットコースターのように、急上昇した感情は、いつか必ず下降します。休暇中の高揚感が高ければ高いほど、日常に戻ったときの落ち込みも大きくなる可能性がある、と感じています。
これは、僕が自分自身の心の動きを観察する中で気づいたことです。特に、気分の波に敏感な方にとっては、この「楽しさの反動」は無視できない要素かもしれません。(あくまで僕個人のケースですが)
そこで、長期休暇中もあえて「ドップリ休みモード」に浸かりすぎないように意識しています。エンジンを完全に切ってしまうのではなく、いつでもスムーズに再始動できるように、軽く運転を続けておくようなイメージです。
僕が実践する「アイドリング休息法」とは?
では、具体的に「アイドリング」とはどういう状態なのでしょうか?決して、「休み中も仕事をする」ということではありません。それでは本末転倒です。
僕にとってのアイドリングは、「日常と完全に切り離さない、ゆるやかな接続」を保つことです。
例えば、こんなことを意識しています。
インプットを止めない
- 仕事に直接関係なくても、興味のある分野の本を読む。
- デザイン関連のニュースやブログを軽くチェックする。(義務感ではなく、興味の範囲で)
- 美術館や展示会に足を運び、感性を刺激する。
思考を止めない
- 散歩しながら、ふと浮かんだアイデアをメモする。
- 面白いと感じたデザインについて、「なぜそう感じたのか」を少しだけ掘り下げてみる。
- プレッシャーのない範囲で、個人的な興味関心に基づく情報収集をする。
軽いアウトプット
- 仕事とは関係なく、趣味の制作をしてみる。
- ブログのネタを考えたり、簡単な下書きをしてみたりする。(これも気が向いたら)
ポイントは、「義務感なく、楽しめる範囲で」行うことです。あくまで休息が目的なので、負荷にならない程度に、自分の興味関心とゆるやかにつながっておく。
こうすることで、休暇中に思考が完全に停止してしまうのを防ぎます。そして、休み明けに「さあ、エンジンをかけ直すぞ!」と意気込む必要がなく、「少しアクセルを踏むだけ」で、スムーズに日常のモードに移行できるのです。
アイドリングが生む、予期せぬメリット
この「アイドリング休息法」、実はメンタルの安定以外にも、思わぬメリットがありました。
それは、「リラックスした状態でのひらめき」が生まれやすくなることです。
仕事から完全に離れてしまうと、思考もその分野から遠ざかってしまいます。でも、ゆるやかにつながっていると、リラックスした脳が、ふとした瞬間に新しいアイデアの種を見つけたり、既存の課題に対する解決策を思いついたりすることがあります。
シャワーを浴びているときや、ぼーっと景色を眺めているときに良いアイデアが浮かぶ、という話を聞いたことがありませんか? それに近い感覚かもしれません。適度な刺激とリラックス状態が組み合わさることで、創造性が刺激されるのではないでしょうか。
完全にオフにしてしまうと、この「ゆるやかな接続」から生まれる偶発的なひらめきを得るチャンスも減ってしまうように感じます。
大切なのは「自分に合った休息」を見つけること
ここまで、僕なりの長期休暇の過ごし方についてお話ししてきました。「アイドリング状態を保つ」という考え方は、僕にとってはメンタルの波を穏やかにし、スムーズな日常への復帰を助けてくれる有効な方法です。
ただし、これはあくまで僕個人の経験に基づいたものです。人によっては、「完全にオフにする」ことが最高のリフレッシュになる場合も、もちろんあるでしょう。アクティビティに全力で取り組むことで、エネルギーを充電できる人もいます。
大切なのは、画一的な「正しい休み方」に縛られるのではなく、自分自身の心と体の声に耳を傾け、自分にとって最適な休息の形を見つけることだと思います。
- 休暇明けに、いつもどっと疲れてしまう。
- 仕事への復帰に、大きなエネルギーが必要だと感じる。
- 気分の浮き沈みが激しいと感じることがある。
もし、あなたがこれらに当てはまるなら、一度「アイドリング休息法」のような、ゆるやかな休息のあり方を試してみるのも良いかもしれません。
完全にスイッチを切るのではなく、心地よい低空飛行を続けるようなイメージです。そうすることで、長期休暇が、単なる「非日常への逃避」ではなく、「日常をより豊かにするための、穏やかな充電期間」になるかもしれません。
皆さんの長期休暇が、心穏やかで充実したものになることを願っています。
まぁ…僕が長期休暇中もドップリ休みモードにならずにアイドリングしているのは、メンタルの起伏を少なくするという鬱対策でもあります。 あくまで僕のケースですが、楽しい事があり過ぎてもメンタルに良くないんですよね。このあたりをコントロール出来てから上手く付き合えています。
X (Twitter) – Jan 4, 2021