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何年後も続けられるサービスって、なんだか素敵だ。
サービスの“良さ”ってどこにある?
僕は仕事柄、いろいろなサービスに触れる機会があります。たとえば飲食店だったり、オンラインで提供されるコンテンツだったり。そんなときによく「良いサービスって何だろう?」と考えることがあります。接客が気持ちよかったり、商品が魅力的だったり、もちろんそれらも「良い」と言える要素ですよね。
でも、もう少し長い目で見たとき、本当に良いサービスとは「何年経っても、そのサービスがそこにある」ということなのかな…と思います。続いているということは、それだけ多くの人に求められてきた証拠ですし、運営側が試行錯誤しながらも成立し続けているということです。そういうサービスは“雰囲気”だけではなく、何かしら本質的な価値をきちんと提供しているはずです。
続けるために必要な工夫
サービスを長く続けるためには、もちろん“工夫”が必要です。時代の変化に合わせてサービスの形を柔軟に変えたり、利用者の声を受けて改善を重ねたり。新しく取り入れるべきものがあれば取り入れ、逆に捨てるべき要素があれば潔く手放す。変わらず守るべき部分と、思い切って変化させる部分、その両方を見極めながら続けていくのは簡単なようで難しいですよね。
僕の場合、デザインの仕事をしている中で、時代によって好まれるデザインの傾向や求められる表現が変わるのを日々感じています。とくにWEBやSNSの世界は移り変わりが早いので、好奇心と研究心を絶やさずに取り組むことが大事だな、と痛感します。これはどんなサービスにも通じる話ではないでしょうか。
お金の話は卑しくない
一方で、「事業の永続性」を考えたときに絶対外せないのがお金の話です。「お金をちゃんと稼ぐ」というと、どうしても卑しいと思われがちな風潮がまだ残っている気がします。でも、サービスを提供するためには人やモノにコストがかかります。それをきちんとまかなうだけの売上がないと、いくら価値のあるサービスでも続けられなくなってしまいます。
「お金のためにやってるわけじゃない!」という気持ちは素敵ですが、だからといって稼ぐことをおろそかにすれば、結局サービスを畳まざるを得ない、なんてことも起こりえますよね。ビジネスである以上、「お金をいただくこと」はサービスを成り立たせるための大切な要素です。「続けるために必要なんだ」と思えば、自然と意識も変わってきます。
これから先のこと
僕はよく「10年後も変わらずに残っているサービスってどんなだろう?」と考えます。技術やトレンドがどんなに変わっても、人の心が求めるものは意外とシンプルかもしれません。親切さ、信頼感、ユニークな個性……そして自分たちもきちんと報酬を得ながら、より良い形で価値を届ける努力を怠らないこと。それらを丁寧に積み重ねられるサービスは、きっと強いですよね。
もちろんビジネスですから、失敗や挫折もあるかもしれません。でも、それを乗り越えて成熟していくのが「何年も続くサービス」だと思います。資金のやりくりに頭を悩ませながらも、ユーザーのために改善と成長を重ねていく。そうやって土台をしっかり固めていくからこそ、いつの間にか周りから「やっぱりあのサービスは頼れるね」と言われる存在になっているのではないでしょうか。
まとめ
良いサービスと聞くと、華やかな広告や目新しい機能ばかりに目が行きがちです。でも、僕が思うに本当に良いサービスは「ずっと続いている」という事実の裏に、地道な努力や柔軟な姿勢、お金をしっかり回す力があるということ。これは決して卑しいことではなく、価値を生み出し続けるための必須条件と言えます。
これから先もサービスを育て続けるには、利用者との対話はもちろん、経営や運営のこともコツコツ学び続ける必要がありますよね。僕自身も引き続き色々と試行錯誤を重ねながら、長く愛されるものづくりやサービスづくりに関わっていきたいなと思っています。何年後も「あってよかった」と言われるサービスを目指す。そのためには、しっかり稼ぐことも含めて、楽しみながら続けるのが一番の近道かもしれません。
良いサービスってなんだろう?と考えた時の答えの一つとして、何年後もサービスを提供し続けている事だと思うんですよね。事業の永続性。 その為にはやっぱり頑張って稼がなければならない。金の話抜きには語れない。全然卑しい事じゃない。
X (Twitter) – Mar 13, 2020