Blog

Home  /  デザイナーのブログ   /  起業・ビジネス   /  【マル経融資】フリーランスデザイナーが公庫からお金を借りてみたので、その流れを紹介します。
マル経融資

【マル経融資】フリーランスデザイナーが公庫からお金を借りてみたので、その流れを紹介します。

「フリーランスとして活動しているけど、資金繰りが不安…」「事業を拡大したいけど、まとまった資金が必要…」

このような悩みを抱えているフリーランスの方も多いのではないでしょうか?

フリーランスにとって、運転資金は事業を安定的に成長させる上で欠かせない要素です。しかし、銀行からの融資はハードルが高く、他の資金調達方法もなかなか見つからないという方もいるかもしれません。

そこでおすすめなのが、マル経融資です。マル経融資(小規模事業者経営改善資金)は、日本政策金融公庫が運営する制度融資で、低金利かつ返済期間が長いことが特徴です。また、なんといっても、「無担保・無保証人」というのも大きいでしょう。

今回は、僕が実際にマル経融資で実際に融資を受けた経験を共有したいと思います。

マル経融資に関する詳細ページはこちら

 

低金利で無担保・無保証人は美味しすぎない?

審査が必要

初めに思い浮かぶのは、「低金利で無担保・無保証人は美味しすぎない?」という疑問ではないでしょうか。実は、さすがに無条件というわけではありません。

商工会、商工会議所又は都道府県商工会連合会の実施する経営指導を受けている小規模事業者(商工業者に限る。)であって、商工会、商工会議所等の長の推薦を受けた方

という、条件があります。地域によるのかもしれませんが、6ヶ月以上の経営指導が原則だと思います。

指導!?なんだ審査厳しそうだなーやめとこ…と思った貴方、ちょっと待ってください。

僕も面倒そうだなと思いました。思いましたが、蓋を開けてみるとそこまで大げさな経営指導は受けませんでした。「うん、この調子でがんばりましょう!」みたいな感じで過ぎていったので、【ちゃんとした事業者かどうかチェックする】という意味合いが大きいのかな〜と思いました。

要は、マル経融資は商工会、商工会議所のお墨付きをもらうことで、好条件でお金を貸してもらえるという仕組みです。

商工会、商工会議所に加入しないといけないの?

これは僕も勘違いしていたのですが、絶対に加入しないといけないわけではないみたいです。僕は元々商工会議所の会員だったので、特にここは気にするポイントではありませんでした。最寄りの商工会、商工会議所に確認してみてください。

デメリットはないの?

すぐに借りられないのはデメリットと言えるでしょう。経営指導をまず6ヶ月受けて…という所からスタートですので。そこを起点とすると、他の金融機関よりも遥かに時間がかかります。

 

融資に必要だった書類や手続き

審査や手続き

では、実際に経営指導も済み、融資を受けるぜ!という段階で揃えた資料を紹介します。

確定申告書(2期分)+電子申告の通知

過去2期分の確定申告書を揃えました。電子申告をしていたので受領印のある控えがなく、電子申告の通知(スクショ)とセットで提出する必要がありました。

売上台帳(直近半年)

直近の売上状況がわかる売上台帳や試算表を提出する必要があります。経理アプリを使っていれば、簡単に出力できると思いますので、これもそれほど手間ではありませんでした。

税金の納付証明

税金を過去に遅滞したり未払いがある人は借りることができませんので、「所得税・消費税納税証明書(過去に未納のない証明)」と「市民税納税証明書」を提出しました。マイナンバーカードがあればコンビニで出力できます。

ローンや借入の情報

現状のローンや借入状況が分かる書類を提出します。住宅ローンがある人や、既に信用金庫や銀行から融資を受けている人は、それが分かる書類が必要です。

売上入金口座の写し(3ヶ月分)

ネットバンキングなので、オンライン通帳のスクリーンショットを提出でOKでした。

賃貸契約書(自宅&事務所)

自宅と事務所の賃貸契約書を提出しました。特に補足する情報は無いですが、シェアオフィスなどで家主と直接契約していない場合は、「建物転貸借契約書」と「賃貸契約に関する特例の覚書」が追加で必要になります。(家主さんの協力が必要)

本人確認書類

よくある本人確認です。僕は免許書の写しを提出しました。

簡単な経歴書

A4一枚程度で、簡単に事業や自分の紹介を書きました。こんな感じの本当に超簡単な経歴書です。

スクリーンショット

事業計画書は?

事業計画書

絶対要るだろ!と思って作っていたのですが、特に求められませんでした。(※銀行融資の時は必要だった)運転資金かつ融資額が少額だった為、不要だったようです。まぁでも事業計画書は作っておいて損はないと思います。

ちなみに、僕は「運転資金」という名目で借りていますが、「設備資金」で借りるのであれば購入したい設備に関する資料(見積書やカタログ)も必要になります。法人の場合は、「履歴事項全部証明書」も必要です。

運転資金 or 設備資金

資金使途以外のことにお金を使うのは原則禁止です。僕の場合は、素直に手元資金に厚みを持たせたいことと、広告運用に使いたいことを伝えました。ちなみに運転資金より設備資金の方が多くお金を借りやすいです。

運転資金は僕の例を見ても分かる通り、それが直接どれくらいの利益に繋がるのか不明瞭です。しかし、設備資金は違います。例えば、「一日〇〇円を売上げているアイスクリームマシンを3台に増設したい」といった要望ですと、売上アップに直結しそうですよね。となれば、たくさんお金を貸してもらいやすいです。

 

どうしてお金を借りようと思ったのか

借入について

きっかけは新型コロナウィルスの大流行です。ロックダウンを経験し、スタッフを雇用していた僕はピンチになりました。幸いなんとか仕事があったので、このピンチを切り抜けることができましたが、とてもヒヤヒヤしたことは事実です。

今回は運良くなんとかなったものの、「冬を耐え抜くには、手元資金の厚みが超大事」と実感しました。耐え抜いて春にさえなれば、また経済活動ができるわけです。

ですから、正直なところ具体的な使い道は無いと言えば無いのです。極論、資金を厚くしておきたいだけです。公庫以外からも融資を受けています。借りれる時に借りて、返済実績を作る。本当に本当のピンチになるとお金が借りられないからです。

広告費として一部利用はしていますが、主目的は「借りて、返したら、また借りる」というプロセスで金融機関と関係性を築きながら、ずーっと手元資金に厚みを持たせておくことです。

ちなみに、返済シミュレーションをこちらから行えます。【借金】ですので、当然利息をつけて返す必要があります。

 

マル経融資は、フリーランスにとって資金調達の強い味方だと思います。気になった方は、地元の商工会、商工会議所や、下記の日本政策金融公庫Webサイトに問い合わせてみてはいかがでしょうか。

日本政策金融公庫Webサイト : https://www.jfc.go.jp/

 

最後までお読みいただきありがとうございます。共感する点・面白いと感じる点等がありましたら、【シェア】いただけますと幸いです。ブログやWebサイトなどでのご紹介は大歓迎です!(掲載情報や画像等のコンテンツは、当サイトまたは画像制作者等の第三者が権利を所有しています。無断転載はご遠慮ください。)


グラフィックデザインを中心とした小さなデザイン事務所を経営しています。スタッフや外部のデザイナーさん・ライターさんに助けられながら、コツコツと地道に仕事をする日々が気に入っています。パッケージメーカーのデザイナーとして新卒入社→美容系のベンチャーに転職→家庭用品メーカーに転職...という流れを経て、その後独立しました。フリーランスデザイナーとして、10年以上の経験から学んだことや雑記をブログにしています。情報発信が趣味に近く、それが興じてPhotoshop関連の本を出版したり、noteを執筆したりしています。