デザイナーを目指す貴方へ〜憧れと現実の狭間で考えたいこと
憧れだけで飛び込むと危険?
僕はフリーランスのデザイナーとして10年近く働いてきましたが、デザイン業界に足を踏み入れた頃は、正直「夢が溢れている世界」だと思っていました。好きなことを仕事にするって素晴らしいし、好きなデザインで食べていけるなんて最高だなぁと。ただ、実際に仕事を始めてみると、その裏に隠れた「働き方の現実」が思った以上に厳しいものだと痛感しました。
幸い僕自身は当たったことはありませんが、長時間労働や低賃金が当たり前のように横行している現場が少なくありません。もちろん、全ての職場がそうではないけれど、業界全体としてその傾向が根強いことは否定できないように思います。「自分のやりたいことを叶えるためだから」と耐え続ける人も多いですが、それが本当に自分の人生にとって正解なのか、一度冷静に考えてみる必要があると僕は思います。
「うちは”普通”だよ」の罠に注意
就職活動やインターンをする際に、「うちは普通の会社だよ」と言われることがあります。でも、その「普通」って一体何なんでしょう?普通の基準って、人それぞれ違うものですよね。だから、「普通」という言葉を額面通りに受け取るのではなく、具体的な労働条件や職場の雰囲気をしっかり確認することが大切です。
例えば、残業時間や休日出勤の頻度、給与水準など、具体的な数字で確認することをおすすめします。「それが普通」という言葉の裏には、業界特有の慣習や文化が含まれている場合も多いです。それが自分にとって許容できる範囲なのかどうか、自分自身でしっかり判断することが必要です。
僕が感じたデザイン業界の厳しさ
僕自身も、フリーランスになる前にいくつかの会社で働いていました。その中には、ハードな労働環境の会社もありました。終電を過ぎても働いて、なんとか家に帰り…数時間後にはまた会社に戻るという日々が続いたこともありました。その当時は「デザインが好きだから」と楽しめていましたが、なんとなく体も心も疲弊していくのを感じました。
デザイン業界には、「好きなことを仕事にしているのだから多少の苦労は当たり前」という風潮がまだまだ根強い部分があります。でも、好きなことを仕事にすることと、自分を犠牲にして働くことは別の話だと僕は考えています。
下調べが成功の鍵
これからデザイナーを目指す人に僕が強く伝えたいのは、「下調べを怠らないこと」です。業界・企業の構造や仕事の流れ、どんな働き方が主流なのか、そしてどんなリスクがあるのかを知っておくことは、将来の自分を守るためにとても大切なことです。
今はインターネットで多くの情報が手に入る時代です。X(Twitter)やブログ、YouTubeなどで実際に働いているデザイナーの声を聞くことができます。その中には、表には出ないリアルな現場の話がたくさんあります。もし当時こんな情報がもっと手軽に手に入ったら、いくつかの選択肢を見直したり、あるいはタイミングを変更したかもしれません。
それでも僕がデザインを続ける理由
ここまで、デザイン業界の厳しい一面ばかりを語ってしまいましたが、それでも僕はこの仕事が好きです。クライアントの思いを形にする過程はやりがいに満ちていますし、自分のデザインが誰かの役に立っていると感じられる瞬間は何にも代えがたい喜びがあります。
ただし、好きだからといって無理をしてはいけないというのも、この10年で学んだ大切な教訓です。自分にとって無理のない働き方を見つけることが、長く続けていくための鍵だと感じています。
自分の「普通」を大切にしよう
デザイナーという職業は決して楽な道ではありません。でも、自分に合った働き方を見つけることで、夢を叶えながら健康的な生活を送ることは可能になってきていると思います。他人の「普通」に流されるのではなく、自分自身が納得できる「普通」を大切にしてください。
これからデザイナーを目指す人たちが、自分にとっての「働きやすさ」や「幸せ」を見つけられることを、僕は心から願っています。そして、僕自身もこれからもその答えを探し続けていきたいと思っています。
デザイナーに憧れて、目指している人〜。 【一般的な社会人の感覚】からするとドン引きするような労働環境がそこら中に転がっているので、下調べはしっかりしましょう。 「それが普通」と思っている人も多いので、「うちは普通だよ」と言われても、その “普通” とやらも疑った方が良いかもしれません。
X (Twitter) – Oct 3, 2019
この記事は過去の自分のX(Twitter)のポストを元に、編集しています。