学校にあってほしい「デザインをお金に換える授業」
デザインが上手いだけじゃダメなのか?
フリーランスのデザイナーとして働いていると、時折、自分よりもずっと技術やセンスがあるのに苦労している人に出会います。彼らはデザインのスキルは文句なしに優れていて、「こんな素敵なデザインができるなんて!」と感心させられることばかりです。でも、そのスキルを仕事として成り立たせる部分、つまり経営や営業、特に「値付け」に苦戦していることがあり、「どうして学校でお金の扱い方や値付けの授業がないんだろう?」と思います。
僕もフリーランスの道に入ってから値付けや営業の難しさを痛感しているので、デザインの授業と同じくらい、「お金の授業」があってもいいんじゃないかと思っています。今回は、そんな「デザインを仕事にする」ために必要なスキルについて、少し考えてみたいと思います。
値付けの難しさと、デザインの価値
フリーランスを始めて感じたことのひとつは、「自分の仕事の価値をどう伝えていくか」という難しさです。デザインそのものには無限の可能性があり、時にはそれが大きな価値を生むこともありますが、いざ「この仕事はいくらに設定するか?」と考えたとき、途端に悩んでしまうものです。
値付けの難しさは、単に「安くするべきか高くするべきか」という問題ではありません。むしろ、自分の仕事が「どれだけの価値を生んでいるか」を理解し、それをクライアントに伝える力が必要です。デザインのスキルはあっても、この「お金に換える力」がなければ、せっかくの才能もビジネスとしては活かしきれないかもしれません。
『お金への換え方』の授業があったら
もしデザインを学ぶ学生に「お金への換え方」の授業があったらどうでしょう。デザインの理論や技術と並行して、どうやって自分の仕事に値段を付けるか、交渉のコツ、そして営業の基本的なスキルについて学ぶことができたら、学生たちは実社会での準備がもっと整うはずです。
授業の中で「自分の仕事の金銭的価値をどう説明するか」「値段を伝えるときのポイント」「クライアントのニーズに応えるための提案方法」などを学べると、デザイナーとしての自立がずっとしやすくなるはずです。学校で教えるべきことは、必ずしもアートやデザインだけではなく、デザインをどうやってビジネスに結びつけるか、そこに価値を感じてもらう方法も重要だと思います。
実際に感じる「お金の知識」の必要性
フリーランスとして働いていると、デザインスキルだけでなく経営面での知識がいかに重要かを実感します。仕事の依頼が来ても、その仕事をどう進め、どのくらいの価格で提供するかを決めることができなければ、自分自身を守ることもできません。
特に、日本では「お金の話は無粋」という風潮もあるため、営業スキルがなおさら重要になります。しかし、これを苦手としているデザイナーも少なくありません。だからこそ、こうした授業があれば、学生のうちに値付けの考え方や交渉のテクニックを学び、社会に出てからのギャップに苦しむことも少なくなるのではないかと思います。
「お金への換え方」を学ぶことで広がる可能性
僕自身も、フリーランスになってからは、「どうやって自分の仕事をクライアントに伝えるか」「価格に納得してもらうためにどう説明するか」を考えるようになりました。これを学ぶことで、ただデザインが好きなだけではなく、ビジネスとして成り立たせる視点が養われたと感じています。
デザインに携わる人すべてが経営の専門家になる必要はありませんが、自分の仕事の価値をしっかりと伝えられる力を持っていることは大切です。「お金への換え方」を学ぶことで、より多くの人がデザインを職業として安定させ、より充実したキャリアを築けるようになると信じています。
デザインの授業に加えて、お金を学ぶ時間も必要だ
デザインを学ぶ学生たちが「デザインだけではなく、その価値をどう伝えるか」を学ぶ機会を持てるなら、彼らの未来はもっと広がるのではないかと思います。自分がどういうデザインを作れるかだけでなく、それをどうやって相手に伝え、納得してもらうかを学ぶことができれば、デザイン業界もより活気づくのではないでしょうか。
僕なんかよりめちゃくちゃデザイン上手い人なのに、経営(値付けや営業?)で苦労されている方がいて、専門学校や大学でも『お金への換え方』みたいな授業が充実したらいいのになと思うのですが、どうなのだろう。 個人的にはこれ良い授業だなと思うんですよね。
X (Twitter) – May 10, 2020
この記事は過去の自分のX(Twitter)のポストを元に、編集しています。