DIC株式会社の子会社であるDICグラフィックス株式会社は、2024年10月1日出荷分より、主要な印刷インキ製品の価格を10%以上引き上げることを発表しました。この価格改定は、商業オフ輪インキ、油性枚葉インキ、UVインキ、新聞インキなど、幅広い製品カテゴリーに及びます。
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値上げの背景
この価格改定の主な要因として、以下の点が挙げられています。
- 原材料価格の高騰
- エネルギー価格の上昇
- ユーティリティ費、物流費、容器費などの増加
- 紙媒体向け印刷インキ需要の減少
DICグラフィックスは、これまで生産効率の向上や固定費の削減など、様々なコスト削減策を講じてきましたが、これらのコスト増加分を自助努力だけで吸収することが困難な状況に陥っています。
今後の展望
同社は、この価格改定が今後の安定供給と品質の維持・向上を図るために避けられない決断であったと説明しています。印刷業界全体が直面している課題に対して、DICグラフィックスがどのように対応し、競争力を維持していくのか、今後の動向が注目されます。
業界への影響
この価格改定は、印刷業界全体に波及する可能性があります。印刷会社や出版社は、コスト増加に対応するため、自社の価格設定や業務プロセスの見直しを迫られる可能性があります。また、デジタル化が進む中で、紙媒体の価値をどのように維持・向上させていくかが、業界全体の課題となっています。
印刷インキは印刷物の品質に直接影響する重要な材料です。この価格改定が、最終製品の価格や品質にどのような影響を与えるのか、今後の動向を注視する必要があるでしょう。
【参照Webサイト】
DIC株式会社(https://www.dic-global.com/ja/news/2024/products/20240731142202.html)