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2025年1月:広告・パッケージ・ロゴデザインの注目ニュースまとめ


デザインニュース2

2025年の幕開けとなる1月には、広告デザイン、パッケージデザイン、ロゴデザインの分野で国内外からさまざまな話題が飛び込んできました。本記事では、その中から特に注目を集めたトピックを、一般の読者にも分かりやすく紹介します。

 

国内のニュース

ラムネ菓子39,000粒で描いた巨大ドットアート広告がSNSで話題に

菓子メーカーの森永製菓が1月、受験生を応援するために渋谷駅構内に掲出したラムネ菓子の大型広告がSNS上で大きな注目を集めました。水色の背景に学生たちが勉強に励む姿を描いたこのビジュアルは、なんと直径約1センチのラムネ約39,000粒を並べて表現したドットアート広告です。

すべて手作業で配置された緻密なデザインと遊び心あふれる発想に、通行人も思わず足を止めるほど。SNS上でも「発想がすごい」「受験生にエールを送る素敵な広告」といった称賛の声が相次ぎ、このユニークな試みが幅広い層の関心を集めました。

89歳現役写真家を起用、マニュライフ生命の新ブランドキャンペーン

外資系生命保険会社のマニュライフ生命は、超高齢社会に向けた新たなブランド広告キャンペーンを1月20日から開始しました。このキャンペーンでは「人生に、たしかな選択を。」という新しいブランドメッセージを掲げ、第一弾として現役89歳の写真家・操上和美(くりがみ かずみ)氏の実話にスポットライトを当てています。

ファッション写真や広告の世界で今なお活躍する操上氏が「人生の重要な局面での選択が今日の成功につながった」と語る姿を通じ、長寿社会においても自分らしく前向きに生きることの大切さを訴える内容です。この広告は東京・新宿や渋谷など主要エリアの屋外ビジョンや電車内広告、オンライン広告でも大々的に展開されており、高齢のクリエイターを起用した意欲的な試みとして幅広い世代の注目を集めました。

フェンディ新広告にSnow Man目黒蓮 日本人初のグローバルモデル起用

イタリアのラグジュアリーブランド FENDI(フェンディ) は、2025年春夏メンズのグローバル広告キャンペーンにSnow Manの目黒蓮さんを起用しました。フェンディが世界規模の広告モデルに日本人を単独起用するのは史上初であり、目黒さんはブランド創業100周年・日本上陸60周年を迎える記念すべき年のキャンペーンヴィジュアルを飾ります。このグローバルキャンペーンは1月13日から世界各国の雑誌や屋外広告で順次展開されており、ファッション界では日本人タレントの国際的な活躍例として大きな話題となりました。

アサヒスーパードライ、模型アートで彩る旧正月限定パッケージ

日本のビールブランド、アサヒスーパードライは旧正月(春節)を祝う期間限定デザインの缶パッケージを発表しました。建築模型のペーパークラフトで知られる日本のアートプロジェクト「テラダモケイ」とコラボレーションし、缶にお正月の伝統行事や家族団らんの情景を模型キット風の細かなイラストで描いたユニークなデザインです。

缶には家族や友人との団らんや伝統的な飾り付けなど旧正月の風景が緻密に描かれ、吹き出し(スピーチバブル)のモチーフで人々の会話やつながりが表現されるなど、お祭り気分を演出しています。伝統的な祝いの要素と現代的なスタイリッシュさを融合させたこのパッケージは、日本のみならず海外でも「遊び心がある」「お祝い気分が高まる」と話題を呼びました。

発売以来初の味・パッケージ刷新!復活ビール「マルエフ」

アサヒビールがかつて発売していた缶ビール『アサヒ生ビール』(通称:マルエフ)が、この1月より中味(味わい)とパッケージデザインを大幅リニューアルしました。1986年の発売以来初めてとなるレシピ変更で一段と“まろやかなうまみ”を追求し、それに合わせて缶のデザインも刷新されています。

2021年に約30年ぶりに缶商品が復活して以来、懐かしさと新しさを兼ね備えた味わいで人気を博してきた「マルエフ」ですが、今回の新パッケージはレトロな雰囲気を残しつつ現代の感性に合う洗練を加えた仕上がりとなりました。長年愛されてきたブランドの再活性化として、多くのビールファンの関心を集めています。

Qoo10がロゴ刷新 「探検と発見」のワクワク感を表現

日本のオンラインマーケットプレイス「Qoo10(キューテン)」は1月22日より新しいロゴマークの使用を開始しました。運営元のeBay Japanによると、新ロゴには「探検」と「発見」という2つのキーワードが込められており、ショッピングで新たな出会いを楽しむワクワク感を表現しています。デザイン面では数字の「10」を構成する「Q」の文字に変化を加え、サーモンピンクからバイオレットへの鮮やかなグラデーションカラーを採用。

移り変わるトレンドに寄り添いながら常に新しい体験を提供していくという同社のミッションを象徴する、モダンで親しみやすい印象のロゴに生まれ変わりました。急速に変化する市場環境に対応しつつユーザーに「楽しさ」と「喜び」を届けるという同社の姿勢を体現したデザインとなっています。

ヤマハ発動機、70周年で企業ロゴをデジタル時代向けに一新

ヤマハ発動機株式会社は、創立70周年を迎える2025年にあたり約27年ぶりに企業ロゴのデザインを変更すると発表しました。楽器の音叉(おんさ)マークで知られるヤマハのロゴですが、新デザインでは立体的な表現から離れ、フラットで視認性の高い2D(平面)の音叉マークに改められています。スマートフォンやウェブサイトなどデジタル媒体での表示を意識したアップデートで、2025年1月以降、使用するロゴを順次この新デザインへ切り替えていくとのことです。

また、創立70周年を記念した特別ロゴも制作され、「挑戦はすべてのはじまり」をコンセプトに創業当時に挑戦した二輪レースのゼッケン番号をモチーフにデザインされています。長年培った伝統を大切にしつつ未来志向も感じさせる新ロゴに、社内外から期待の声が上がっています。

 

海外のニュース

ウォルマート、約20年ぶりの新ロゴ公開 微妙な違いにネット上で話題

米小売大手ウォルマートが、約20年ぶりにロゴデザインを一新しました。1月13日に発表された新ロゴは、従来の黄色い「スパーク」(ひらめきを象徴する花火状のマーク)はそのままに、社名のフォントをより太く力強い書体に変更し、ブランドカラーのブルーもより濃いトーンに刷新した点が特徴です。このデザインは創業者サム・ウォルトン氏愛用のトラッカーハット(ワークキャップ)から着想を得ており、ブランドの歴史と現代的イメージを調和させたものだといいます。

しかし一見すると「どこが変わったの?」というほど違いがわずかにも見えるため、公開直後からSNS上ではその微妙な変化を巡って驚きやジョークが飛び交いました。「フォントがちょっと太くなっただけでは?」といった声も上がり、ネット上では賛否両論の話題となっています。

文字の一部を“あえて消した”SanDisk新ロゴに賛否

メモリー製品ブランドの SanDisk(サンディスク)は新しいロゴデザインを発表し、その大胆なミニマルデザインが議論を呼んでいます。新ロゴでは従来から特徴的だった「縦棒のないD」の字形を受け継ぎつつ、冒頭の「S」や「A」の一部のラインをあえて欠落させた斬新な文字デザインとなりました。さらにロゴの末尾には小さな四角いドット(点)が配置されており、データの最小単位であるピクセルを象徴するアクセントになっています。

一見すると文字が途切れているようにも見える極端な省略表現ですが、実はこのデザインには「進歩は完成形ではなく常に動き続ける姿勢」といったメッセージが込められており、デジタルデータの躍動感を体現したユニークな試みとして注目されています。SNS上でも「先進的でクール!」と評価する声と「読みにくい…」と戸惑う声が交錯し、賛否両論の話題となりました。

 

おわりに

デザイン業界は今後どのような方向に進んでいくのでしょうか。1月の動向からは、以下のようなトレンドが浮かび上がってきます。

ロゴデザインのミニマル化とデジタル対応

多くの企業がロゴをシンプルで平面的なデザインに刷新し、オンラインでの視認性向上を図っています。伝統あるブランドもデジタル時代に合わせてロゴを現代的にアップデートする動きが顕著です(例: ヤマハ発動機、ウォルマート)。

広告デザインのクリエイティビティと多様性

実物の菓子で巨大アートを作るユニークな発想や、高齢のクリエイターや人気アイドルを起用する試みなど、話題づくりにつながる多彩な広告表現が増えています。SNSでの拡散や国境を超えたコラボレーションを意識したキャンペーンが今後も増えていきそうです。

パッケージデザインの融合と環境志向

伝統文化やポップカルチャーと商品デザインを組み合わせて消費者の興味を引く例が見られます(例: アサヒビールの旧正月限定缶、たべっ子どうぶつコラボパッケージ)。またグローバル企業を中心に、持続可能なパッケージへの転換も加速しています。例えばGoogleは2025年までに製品包装からプラスチックを完全に無くす目標を掲げており、Appleも同様に2025年までにプラスチック包装をゼロにする取り組みを進めています。

2025年は始まったばかりですが、既にデザインの世界ではこうした新しい挑戦が数多く生まれています。これからも革新的なアイデアや技術を取り入れたデザインが、私たちの目を楽しませてくれるでしょう。日常生活の中で「おもしろい!」と感じるデザインに出会ったら、その背景にあるストーリーにもぜひ目を向けてみてください。

 

— 参考記事

 

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