電車の中でふと見上げる吊り広告(ポスター)。毎朝なんとなく見ている吊り広告の中には「ふーん」と内容を覚えていないものもあれば、「おっ、これは!」と興味を引くものもありますよね……?果たして両者の違いとは? そして、吊り広告の種類や効果的な活用法など、デザインのプロだからこそ分かる吊り広告の運用方法の違いについて、いろいろとご紹介させて頂きます!
そもそも『吊り広告』とは? 他とは異なる独特の広告効果
- タイムリーな情報に強い
- 視認性が高く、しっかり広告物が見られやすい
- 他の広告媒体に比べ広告内容を隅々まで見られやすい
- 他の広告媒体よりもリーズナブルで広告戦略を練りやすい
「吊り広告も、他の広告と対して差はないでしょ?」と思われるかもしれませんが、吊り広告は他の広告と異なる部分が多く存在します。
そもそも吊り広告は“バス・電車の中の乗客に見てもらうもの”であり、それ故上記のような4つの特徴があります。
1.タイムリーな情報に強い
まず他の広告と違い、広告の更新頻度が高いのが吊り広告ならではの特徴です。下手をすると1週間単位で広告が変化することも。また乗客も新しい広告が見られることが1つの楽しみであり、タイムリーな情報を発信するのに打って付けの媒体でもあります。
2.視認性が高く、しっかり広告物が見られやすい
バス・電車の中での移動時間は、誰にとっても暇なもの。そんな時、インパクトのある広告物は目につくし、記憶に残ります。他の広告物に比べると視認性が高い……というのが、吊り広告の良いところです。
3.他の広告媒体に比べ広告内容を隅々まで見られやすい
ポスターや新聞広告は、よほどその広告媒体に興味がない限り、残念ながら隅々まで見られることはありません。不特定多数にとってポスターに書いてある情報は、興味の対象から外れる人も多いものです。しかし、吊り広告は「暇つぶし」の側面があるため、多くの人がそこまで興味がない広告物であっても、乗車中は広告を隅々まで見てくれやすいというメリットがあります。
言い換えるなら、”読ませたい広告”向けの広告媒体です。
4.他の広告媒体よりもリーズナブルで広告戦略を練りやすい
吊り広告は掲載期間が短いこともあって、他の広告媒体よりもリーズナブル。それ故、電車の中の広告をすべて自社のモノに統一(広告ジャック)したり、さまざまなバリエーション広告を展開する……など、さまざまな広告戦略を展開しやすいという特徴もあります。
吊り広告の種類と運用法の違い アナタの広告はどのサイズにすべき?
- B3中吊り広告……視覚的なインパクトが強く、イメージ広告向け
- B3ワイド中吊り広告……視認性が高く、短期的なイベントや集客向け
- ドア横車両広告……乗客の視線が集まりやすく、長期のイベント向け
- ドア上車両広告……降車時に必ず見るため顧客の心理を揺さぶる心理的な広告向け
- 窓上車両広告……刷り込み効果が高く、隅々まで読まれたい広告向け
吊り広告は、大きく分けて5つのサイズがあります。
それぞれ「広告のサイズ」「掲載場所」「視覚効果」が異なっており、会社の広告物や広告媒体ごとにそれぞれを使い分けることで、吊り広告の効果を最大限に発揮することが可能です。それでは、それぞれの広告のパワーについて、詳しくご紹介させて頂きます。
【B3中吊り広告】視覚的なインパクト強し!イメージ広告向け
電車の中央部分にあるB3サイズの広告が2つ並んでいるものが「B3中吊り広告」です。「電車の中央」に位置し、他の場所に比べると乗客の目が行き届きやすい場所にありますが、乗客から離れているため文字が読まれにくいというデメリットも。そのため“視覚に訴えかける”力が強い広告と相性が良いでしょう。
▼B3中吊り広告の特徴まとめ
- 乗客の視線を1番集めやすい
- 文字が読まれにくい
- 顧客の到達力が高い
◆相性が良い広告媒体 : イベント系、販促広告など
【B3中吊りワイド広告】顧客のハートをつかむ!バズる効果も?
電車の中央部分にある横長の大きな広告が「B3中吊りワイド広告」です。先に紹介した「B3中吊り広告」と似ていますが、コチラは広告物として使える範囲が大きいので、デザインとアイディア次第で顧客に強い印象を与えることが可能です。視覚的なインパクトが強い独創的な広告を作り出すことができれば、SNSでバズる――という可能性もあるかもしれません。
▼B3中吊りワイド広告の特徴まとめ
- 広告サイズが大きく、顧客に強い印象を与えやすい
- 独創的な広告の場合、SNSでバズかも…?
◆相性が良い広告媒体 : 新商品・イメージ広告など
【ドア横車両広告】じっくり読まれる広告媒体
開閉するドアの真横にある「ドア横車両広告」は、先に紹介した吊り広告に比べると、乗客との距離が近く「しっかり読まれたい」という広告媒体に打って付けです。どちらかというと「ポスター」に近い運用が可能であり、オープンキャンパスや旅行イベントなど、広告イメージと文字情報を乗客に伝えたい場合は、コチラの広告物の方が効果が期待出来ます。
▼ドア横車両広告
- 乗客との距離が近く、隅々まで読まれやすい
- 広告のイメージと文字情報の療法が伝わりやすい
◆相性が良い広告媒体 : イベント・旅行・オープンキャンパスなど
【ドア上車両広告】思わず何度も見られる小さな広告
ドアの真上にある横長の印刷物が「ドア上車両広告」です。横に長い広告物であり、先に紹介した「B3中吊り広告」「B3中吊りワイド広告」「ドア横車両広告」よりも乗客の注目を集める力――視覚効果は強くはありません。しかし、アナタもきっと経験があるように、電車から降りる時に知らず知らずのうちに”ついつい”その広告を見てしまっている。思わず何度も見てしまう「ドア上車両広告」によって、まるで「刷り込み」のように書いてあるキャッチコピーが忘れられなくる――といった“反復効果”が強いという特徴があります。小さいながらも反復効果によって、侮れない広告効果を発揮する「ドア上車両広告」は、「締切間近!」のようなキャンペーンの広告やキャッチコピーを主体とした広告に打って付けの媒体です。
▼ドア上車両広告
- 反復効果が強く乗客にイメージを刷り込みやすい
- 文字やキャッチコピーを乗客に刷り込むことができる
◆相性が良い広告媒体 : キャンペーン・キャッチコピーを主体とした広告など
【窓上車両広告】インパクト強し!イメージを乗客に刷り込む
「窓上車両広告」は窓の真上にある横長の印刷物です。先に紹介した「ドア上車両広告」に近い広告ですが、こちらはドア上よりも広告サイズが大きく、また座った乗客への視覚効果が高いという特徴があります。ただし、他の吊り広告と同じく乗客からの距離が開いており、小さい文字は読ませにくく、「読ませる広告媒体」としてはイマイチです。ただし、広告サイズが大きいこともあり、大きな文字とデザインイメージで乗客の深層心理に広告のイメージを刷り込みやすいと言えそうです。広告媒体として、消費者意識を強く刺激する「割引キャンペーン」や「期間限定のイベント」などと相性が良いでしょう。
▼窓上車両広告の特徴
- 乗客への反復効果が強く、広告イメージを刷り込ませやすい
- 広告サイズが大きいため、消費者意識を刺激しやすい
◆相性が良い広告媒体 : 割引キャンペーン、期間限定イベントなど消費者意識を強く刺激するもの
プロモーションの目的に合わせて、上手に吊り広告を運用しよう!
吊り広告は一見すると同じに見えますが、それぞれ広告効果が異なっており広告の用途や広告物に合わせて、吊り広告を選ぶことで広告効果を100%以上引き出すことが出来ます。吊り広告は会社の“顔”にもなりうる、重要コンテンツの1つです。広告の効果を引き出すため、そして会社の顔を潰さないためにも、しっかりと準備を整えて利用することをオススメします。
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