商品広告とは違って、社会問題を取り上げる広告には、シリアスなメッセージが込められることが少なくありません。いくつかわかりやすいものを集めてご紹介しましょう。(※紹介する広告デザインは当サイトの制作事例ではありません)
人間ピラミッドは「悪」の象徴 – 世界自然保護基金の広告デザイン
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中華料理の高級食材の一つとして知られるフカヒレ。フカとはサメのことで、ヒレを手に入れるためだけにサメが捕獲され殺されていると言われています。食べるために動物を殺すという行為は世界のあらゆる国で行われていることですが、ヒレを取ってあとは海に捨ててしまうというのが「残虐行為」に当たるというのがWWF(世界自然保護基金)の考えのようです。
その行為がいかに「悪」であるかを表現するために、人間ピラミッドを使っているのがこの広告デザインがユニークな点。漁師たちの上には船頭や商人がいて、その上に料理人や研究者が、そして頂上には恰幅の良い中国人らしきビジネスマンがいるという構図です。動物を殺しているという意味では、牛や豚だって同じ。「自国の文化を棚にあげて、特定の国の文化だけを非難するなんて不公平だ」と言いたいところですが、こんなふうに見せられると、ちょっと言いたいことも言えない。
悪しき連鎖を絶つために、子供も大人も救われるべき
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父親に暴力を振るわれ、顔にアザを作ってしまった少年。彼はやがて成長すると、彼の父親と同じようにアルコール中毒となり、愛する我が子を傷つけてしまうことになってしまうかもしれません。そんな悪しき連鎖の存在を巧みに表現した広告デザインです。
子供たちが救われるためには、大人も救われなくてはならない。「子供を救おう。大人も救おう。(SAVE A CHILD. SAVE AN ADULT.)」というメッセージが胸に刺さります。
氷が溶けると、シロクマがいなくなる – 温暖化の危機を伝える広告デザイン
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温暖化によって北極の氷が少しずつ溶けているという話はテレビなどでよく耳にします。この広告デザインでは、シロクマの形をした氷が溶解し流れていく様子を表現。氷が溶けると、北極に暮らす動物たちの生態にも影響を与え、やがて死滅させることになってしまうというメッセージを的確に伝えています。
後ろ手に手錠をかけられた広告デザイン
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乗り物の座席に座る男性の手には、なぜか手錠が。よく見れば座席に、手錠をはめた腕の写真が貼られていることが分かります。「落書きをしたら、次の停車駅は刑務所だ」という強烈なキャッチコピーが淡々と書かれています。座っている男性自身に罪はないと分かっていても、静かで強い警告を受けたかのように感じ、悪いことができなくなってしまいます。
忘れてしまう事を視覚化した新聞広告
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ベルギーのアルツハイマー患者支援団体の広告です。日本でも今後ますます増えると言われているアルツハイマー病の苦境を上手に表現しています。今日1日だけで国内の85000人が、新聞を読んだことを思い出せない。彼らを支援しましょう。というコピーがとても悲痛ですね。
表現が辛辣であればあるほど、シリアスなメッセージが伝わりやすいというわけではありません。露骨すぎると、多くの人は目を覆ってしまいますし、婉曲的すぎると伝わりにくくなってしまいます。また、広告デザインを通じて貴重な気づきを得る人もいれば、極端なメッセージによって傷ついてしまう人もいます。シリアスなメッセージを伝える広告には、卓越したバランス感覚が求められると言えるでしょう。
「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中の広告制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中の広告制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。広告デザイン料金
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