広告の“枠”を超えた広告デザイン例

どんな広告にも“枠”があるのが普通です。たとえばテレビなら、15秒なりの時間に収めなくてはいけないし、テレビ画面の“枠”を飛び出すこともありえません。ところが、そんな常識を打ち破るユニークな型破りならぬ“枠”破りな広告も存在しています。選りすぐりのものをいくつかご紹介します。(※紹介する広告デザインは当サイトの制作事例ではありません)

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頭が割れそうなくらい痛い！驚きのビルボード広告

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屋外広告用の看板、いわゆるビルボードでは、掲示板の“枠”に広告が貼られたり塗装されたりしているのが普通です。この広告では、まるでクレーンからぶら下がるビル解体用の鉄球が大型看板のあちら側からぶつかって飛び出してきたような演出がされています。クレーンも鉄球も広告の一部。常識を「打ち破る」だけでなく、クレーンや鉄球を使って、まるで鉄球で打ち抜かれたかのような頭痛のツラさをうまく表現しています。頭痛の時にこの広告を見ると、迷わず買ってしまいそう。

主役はスパナを握る「手」

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これは、工具や動力工具などを製造しているアメリカの老舗メーカー「CRAFTSMAN」の広告デザインです。看板にスパナが描かれ、「自分の手を信じるんだ（TRUST. IN YOUR HANDS.）」と気の利いたコピーが書かれているところまでは普通の広告ですが、看板から下に伸びる柱にもスパナが描かれ、さらに地面近くにはそのスパナを握る大きな手が！おそらくこの広告はかなりの大きさで、少し離れたところを走るハイウェイなどから見えるように工夫されているはず。よく見ると、スパナを握る手にも照明が向いています。

看板すらホールドする強力テープをアピールする看板デザイン制作例

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アメリカに本社をおく世界的な化学・電気素材メーカー「3M」の看板デザインです。「3M holds（3Mは持ちこたえます）」と隅にコンパクト目に書かれていますが、この看板そのものにグルグル巻きにされた立体的なテープの存在が全てを語っています。こんな看板が目の前に現れたら、思わず立ち止まってしまいますよね。この見事なぐるぐる巻き感がやたらとリアルで、「本当に大丈夫？」と少し心配になってしまいます。瞬時にメッセージを伝えることが重要な看板デザインとしては、100点満点のアイデアです。

ちなみに、日本ではポストイットで有名な3Mの正式な社名は、2002年まで「Minnesota Mining & Manufacturing Co.（ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング社）」でしたが、その後略称として使われていた「3M」をそのまま使った「3M Company」に変更されたというエピソードがあります。文具メーカーではなく、世界有数の化学企業だということが、もともとの社名をみるとわかります。最先端の技術を生み出す企業は、広告にもその発想力を発揮できるのかもしれません。

この広告では、あたかも壊れた看板をダクトテープ（日本のガムテープよりも粘着力や強度が高く、アメリカでは補修などいろいろな用途で使われる）で無造作に補修したかのようなデザインが採用されています。とてもシンプルですが、力強い。「こんな大きな看板も補修できるのだから、家の雨どいの補修も3Mで決まりだな」なんていう声が聞こえてきそうです。

美味しすぎて食べられちゃったマクドナルドの看板デザイン作成例

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ファストフードの王様・マクドナルドの広告看板です。これこそ「ゲリラマーケティング」の典型例と言えるのではないでしょうか。思わず笑ってしまったあとに、一瞬「で？」となってしまうところまで含めて面白さしかありません。

マクドナルドの広告看板は趣向を凝らしたものが非常に多く、地域に合わせて、ユーモアに溢れたデザインが採用されています。誰が見てもわかるこのロゴがあるからこそ、ロゴ以外に何の情報がなくても、メッセージが感覚として強烈に発信できるのかもしれません。ロゴデザインを含め、企業ブランディングが、いかに消費者に影響するのかを再認識させられます。赤は食欲を刺激する色だと言われていますが、ここまでかじられてしまったマクドナルドレッドな看板を見ていると、だんだん空腹を感じてしまいます。

街中でもぶら下がりたくなるスポーツジムの看板デザイン作成例

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イタリアのスポーツジムの広告看板デザインです。看板とは言えない存在感の、街中に現れた吊り広告というスタイルです。これこそ、アンビエント広告と呼ばれる、環境に溶け込みつつ意外性を活用して関心を引く手法のお手本ですね。

遠目から見ると、ビルとビルの間に人がぶら下がっているように見えて、一瞬驚きます。そこから近づいて、そのカラクリを知る…この一連が宣伝になっているということです。してやられた感はありますが、手前の男性に比べて奥の女性がかなり辛そうに見えてユーモアも感じられます。こんなユーモアに溢れた広告看板が可能な街、社会では、その先もどんどん新しいアイデアが生まれていくんだろうという期待がもてます。

「LEGO」の可愛い３D屋外広告デザイン

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巨大なレゴで青空と雲を表現した広告制作例です。レゴらしい屋外広告で、空でさえもレゴで再現できることを伝え、子供だけではなく大人も楽しむことができそうだ！と想像力をかきたてられます。ダイナミックな屋外広告でなんとも海外らしいですね。

学校や女性暴力被害に対する支援センターの広告制作例

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弱い女性や子供たちを守ります！ということを伝える広告ですが、ブランコを制服を着た力強い男性の腕で支えているという屋外広告です。女の子がブランコで遊ぶことでビジュアルが完成するというユニークな広告で、この広告には女性のガードマンバージョンもあります。

ドイツのIKEAの壁面広告

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ドイツ フランクフルトでの壁面広告です。カラフルで見ているだけでも楽しいIEKAの壁面広告ですが、なんとクライミングできてしまうという参加型の壁面広告です。家の中で遊ぼう！をコンセプトに自由に楽しもということがとてもよく伝わる広告です。修道院の前に設置されているという立地もヨーロッパならではですね。

会社の姿勢を示すIBMの広告制作例

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スロープになっており、日常的に使われるという広告です。「smart ideas for smarter cities」というキャッチコピーで、スマートな生活を提案する会社であることを訴求しています。

便秘治療薬のインパクト抜群の広告デザイン

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便秘の治療薬Metamucilの屋外広告で、枠にはみ出してしまったポスターには「SHIT  IT DOESN’T FIT（くそが！収まらないぜ！）」と書かれています。思わず吹き出してしまうナイスなキャチコピーです。確かにFITしていません。便秘薬を使えば、こうなりますよ。ということですね。

オレオの美味しい食べ方といえばこれ！ダイナミックな広告デザイン

透明な壁面にグラスにいっぱい入った牛乳のプリントを配し、上からエレベーターがくると、オレオが牛乳に浸かる(ダンクする)というなんとも面白い広告です。浸かる瞬間を見たら、思わず笑顔になりますね。エレベーターは移動手段で、そこで楽しいことが起こることを期待しないものです。しかしアイディア次第で、エレベーターの空間が楽しいスペースに変わることを、今回の広告たちは教えてくれますね。

自社製品をまさにダイナミックにPR

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巨大ビルに描かれたペンキの広告なのですが、なんと広告面からはみ出しビル真下にある駐車場に流れ出ています。駐車場に停めている車もペンキ色に染められてしまっているという、リアル感がすごい壁面広告です。日本ではなかなかここまでダイナミックに仕掛けないですね。

思わず手が出る飲み物といえば…立体感がリアルな広告

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ハイネケンのメインカラーであるグリーンのテント生地にハイネケンがプリントされています。ハイネケンは世界第3位のシェアを誇るビール会社で、オランダが本社にあります。ハイネケンの瓶を目にすると、思わず手が出るという気持ちを表現した広告で、背景の緑の後ろから手が浮き上がっている感じが、見えないだけにリアルに感じますね。

Extra Hot(アツアツ！)が伝わるスターバックスのアイデア広告

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ビルの外壁工事中の壁面に半立体のコーヒーカップを浮き上がらせた、本でもおなじみのスターバックスらしいシンプルな壁面広告です。真っ白の背景にExtra Hotというコピーだけという潔さと、コピー通りの壁面広告から湯気で出るほどHotであることを訴求したユニークな壁面広告です。

デンバー市水道局の節水を呼びかける看板デザイン

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なんと水道管を地下からぐっと取り出して、ぎゅっと絞ったような壁面広告です。節水を呼びかける広告で、朝の10時から6時までは必要な水だけをつかうようにしてくださいと、ダイレクトに訴求しています。この遊び心は見習いたいですね。

本来、広告とはメディアを問わず決まったフォーマットのなかに収まっているのが普通。だからこそ、こうやって広告が“枠”の外に出ると、大きな驚きを生むことになります。広告は既成概念を転覆させたところに面白さがあります。今後、どんな既成概念をどんな風に覆す広告が出てくるのか、とても楽しみです。