皆さんは、新しい商品やサービスを広めたい、イベントの集客を増やしたい、会社の魅力を伝えたい…そんな時、どんな販促ツールを思い浮かべますか?ウェブサイトやSNSももちろん強力ですが、手に取ってじっくり読んでもらえる「パンフレット」も、まだまだ重要な役割を担っています。
でも、せっかく時間とコストをかけてパンフレットを作ったのに、「思うような効果が出なかった…」「デザインにこだわったけど、誰にも響かなかった…」なんて経験はありませんか?実はそれ、パンフレット作成で最も重要な「最初のステップ」を見落としているのかもしれません。
今回の記事では、パンフレット作成の成功を9割決めると言っても過言ではない、「目的」と「ターゲット」設定の重要性と、具体的な設定方法を徹底解説します。さらに、すぐに使える「実践ワークシート」もご用意しましたので、ぜひ最後までお付き合いください!この記事を読み終える頃には、あなたのパンフレット作りが劇的に変わるかもしれません。
なぜパンフレットの「目的」と「ターゲット」がそんなに重要なのか?
「とりあえず、うちの商品情報をたくさん載せておけばいいでしょ?」「かっこいいデザインにすれば、誰かが見てくれるはず!」…もし、あなたがこんな風に考えてパンフレットを作ろうとしているなら、ちょっと待ってください!
もちろん、掲載する情報やデザインも大切です。しかし、その前に「何のために、このパンフレットを作るのか?(目的)」「誰に、この情報を届けたいのか?(ターゲット)」という2つの問いに、明確な答えを持っていますか?
この2点が曖昧なままパンフレットを作ってしまうと、例えるなら「目的地の決まっていない航海図」や「誰に宛てたかわからない手紙」のようなもの。どんなに立派な船(デザイン)を用意しても、どんなに素晴らしい内容(情報)を書いても、本来の役割を果たすことは難しいでしょう。
逆に、目的とターゲットが明確であれば、おのずと「どんな情報を載せるべきか」「どんなデザインが響くのか」「どこで配布するのが効果的か」といった具体的な戦略が見えてきます。つまり、パンフレット作成の成功は、この最初の「目的」と「ターゲット」設定にかかっているのです。
パンフレット作成で陥りがちな罠と、それを回避する「目的設定」
目的が曖昧なままパンフレット作成を進めると、いくつかの典型的な失敗パターンに陥りがちです。ここでは代表的な2つの罠と、それを回避するための「目的設定」のコツをご紹介します。
罠1:情報過多で結局何も伝わらない「全部乗せ」パンフレット
「あれも伝えたい、これも知ってほしい…」そんな思いから、情報を詰め込みすぎてしまうケースです。文字がぎっしりで、専門用語も多く、結局何が一番言いたいのかわからない…そんなパンフレットでは、読者は読む気をなくしてしまいます。
【回避策】パンフレットの「役割」を一つに絞り込む
このパンフレットを通じて、最終的に読者にどんな行動をとってほしいのか? その「ゴール」を明確にしましょう。例えば、
- 認知度向上・ブランディング: 新しいブランドや商品をまずは知ってもらう、企業のイメージを伝える。
- 興味関心の喚起: 商品やサービスの詳細情報へ誘導する(ウェブサイトへのアクセス、問い合わせなど)。
- 見込み客の獲得: イベントへの参加申し込み、資料請求を促す。
- 購買促進: クーポンを付けて来店や購入を促す。
- 理解促進: 複雑なサービスや仕組みを分かりやすく解説する。
など、パンフレットに持たせる役割は様々です。欲張らず、最も達成したい目的を一つ(多くても二つ程度)に絞り込むことが、伝わるパンフレットへの第一歩です。
罠2:作り手の「言いたいこと」だけを詰め込んだ自己満足パンフレット
作り手がいいと思っている情報やデザインが、必ずしも受け手に響くとは限りません。特に社内で意見が割れた結果、当たり障りのない内容になったり、逆に一部の人の強い意見が反映されすぎたりして、ターゲット不在のパンフレTットが出来上がってしまうことも。
【回避策】「読者にとってのメリット」を明確にする
パンフレットは、作り手の「言いたいこと」を伝えるためだけのものではありません。読者が「このパンフレットを読むことで、自分にどんな良いことがあるのか?」を感じられなければ、手に取ってもらえても、すぐにゴミ箱行きになってしまうかもしれません。
目的を設定する際には、常に「読者視点」を意識しましょう。
- このパンフレットは、読者のどんな課題を解決できるのか?
- 読者のどんな欲求を満たせるのか?
- 読者にどんな新しい価値を提供できるのか?
これらの問いに答えることで、自己満足ではない、真に読者の心に響くパンフレットの目的が見えてくるはずです。
「誰に届けたい?」ターゲット設定でパンフレットの効果を最大化する秘訣
パンフレットの目的が明確になったら、次に考えるべきは「誰にそのメッセージを届けたいのか?」というターゲット設定です。
「できるだけ多くの人に見てほしいから、ターゲットは特に絞らない」という考えは、実は効果的ではありません。なぜなら、ターゲットが曖昧だと、メッセージもデザインもぼやけてしまい、結果として誰の心にも深く刺さらないパンフレットになってしまうからです。
例えば、20代の若者に向けたメッセージと、60代のシニア層に向けたメッセージでは、言葉遣いや興味を引くポイントが全く異なりますよね? デザインの好みも、情報収集の方法も違うはずです。
ターゲットを具体的に設定することで、以下のようなメリットがあります。
- メッセージがシャープになる: ターゲットに響く言葉を選び、的確な情報を届けられる。
- デザインの方向性が定まる: ターゲットの好むテイストや、見やすいレイアウトを選べる。
- 効果的な配布戦略が立てられる: ターゲットがどこでそのパンフレットを手にする可能性が高いか予測できる。
ターゲットを具体的にする「ペルソナ設定」のすすめ
ターゲットをより具体的にイメージするために有効なのが、「ペルソナ設定」という手法です。ペルソナとは、あなたのパンフレットを届けたい理想の顧客像を、あたかも実在する一人の人間のように詳細に設定することです。
ペルソナ作成の基本ステップ
- 基本情報: 年齢、性別、職業、年収、居住地、家族構成など
- ライフスタイル・価値観: 趣味、休日の過ごし方、よく利用する情報源(雑誌、Webサイト、SNSなど)、大切にしていること、将来の夢など
- 抱えている悩みやニーズ: あなたの商品やサービスに関連することで、どんなことに困っているか、何を求めているか
- パンフレットとの接点: どんな状況でパンフレットを手に取るか、パンフレットに何を期待するか
これらの情報を具体的に書き出すことで、ターゲット像がより鮮明になり、パンフレットの企画や制作を進める上での判断基準ができます。
ペルソナ設定の例(BtoCの場合:新しいオーガニックカフェのパンフレット)
- 名前: 田中 〇〇
- 年齢: 32歳
- 職業: IT企業勤務(マーケティング担当)
- 居住地: 東京都目黒区
- ライフスタイル:
- 平日は仕事で忙しいが、週末はヨガや友人とカフェ巡りを楽しむ。
- 健康や美容に関心が高く、オーガニック食品やナチュラルコスメを愛用。
- 情報収集はInstagramや美容系Webメディアが中心。
- 悩み・ニーズ:
- 平日のランチはコンビニで済ませがちだが、体に良いものを手軽に食べたい。
- 落ち着いた空間で、美味しいコーヒーとヘルシーな食事が楽しめるカフェを探している。
- パンフレットとの接点:
- カフェの近くを通りかかった際に、店頭のパンフレットスタンドで手に取る。
- 友人がSNSでシェアしているのを見て、カフェのWebサイトからパンフレットをダウンロードする。
- パンフレットで、お店のコンセプトやこだわり、メニューの写真、価格帯、アクセスマップを知りたい。
このようにペルソナを具体的に設定することで、「美咲さんなら、どんなデザインに惹かれるだろう?」「美咲さんが知りたい情報はなんだろう?」と、よりターゲットに寄り添ったパンフレット作りが可能になります。
【実践ワークシート】明日から使える!目的&ターゲット設定シート
さて、ここまでの内容を踏まえて、実際にあなたのパンフレットの目的とターゲットを設定してみましょう!以下のワークシートに書き込む形で、ぜひ取り組んでみてください。
目的設定ワークシート
質問 | あなたの答え |
---|---|
1. このパンフレットを通じて、最終的に達成したい「大きな目標」は何ですか? (例:売上〇%アップ、新規顧客獲得〇件、ブランド認知度向上、イベント集客〇人など) |
|
2. その大きな目標を達成するために、このパンフレットが果たすべき「具体的な役割」は何ですか? (例:見込み客に製品の魅力を伝え、問い合わせを促す/来店客に次回来店を促すクーポンを配布する) |
|
3. パンフレットを見た人に、具体的に「どのような行動」をとってほしいですか?(複数回答可) (例:ウェブサイトにアクセスする、電話で問い合わせる、店舗に来店する、SNSでシェアする、資料請求する など) |
|
4. その行動を促すために、パンフレットで最も伝えたい「核となるメッセージ」は何ですか?(一言で言うと?) | |
5. パンフレットの効果をどのように測定しますか?(可能な範囲で) (例:問い合わせ件数の変化、ウェブサイトへのアクセス数(専用QRコード経由)、クーポン利用率、アンケートでの認知度調査など) |
ターゲット設定ワークシート(ペルソナシート)
項目 | 詳細 |
---|---|
1. 基本情報 | |
名前(架空) | |
年齢 | |
性別 | |
職業/役職 | |
居住地 | |
家族構成 | |
2. ライフスタイル/ワークスタイル | |
趣味/関心事 | |
よく利用する情報源 | |
1日の過ごし方(パンフレットと接触する可能性のある場面は?) | |
3. 価値観/課題/ニーズ | |
大切にしていること/価値観 | |
現在抱えている課題や悩み事 | |
パンフレットを通じて何を知りたいか、何を得たいか | |
商品やサービスを選ぶ際に重視するポイント | |
4. パンフレットとの関わり | |
どのような状況でこのパンフレットを手に取ると思いますか? | |
パンフレットにどのような情報が載っていると嬉しいですか? | |
パンフレットのデザインやトーン&マナーで好むものは? | |
パンフレットを読んだ後、どのような気持ちになってほしいですか? |
これらのワークシートを埋めることで、あなたの作るべきパンフレットの輪郭が、かなりはっきりしてきたのではないでしょうか。もし、一人で考えるのが難しければ、チームメンバーや関係者と一緒にワークショップ形式で取り組むのもおすすめです。
目的とターゲットが決まれば、デザインもコンテンツも自然と決まる!
ここまでくれば、パンフレット作りの最も重要な土台は完成です。そして、この「目的」と「ターゲット」こそが、パンフレットのデザインや掲載コンテンツを決定する上での強力な羅針盤となります。
- デザインの方向性:
- 高級感を求めるターゲットなら、落ち着いた色調で上質な紙を使った、洗練されたデザイン。
- 若い世代がターゲットなら、トレンドを取り入れたポップで目を引くデザインや、イラストを多用した親しみやすいデザイン。
- シニア層がターゲットなら、文字が大きく読みやすい、シンプルで分かりやすいデザイン。
- コンテンツ(掲載情報):
- まだ商品やサービスをよく知らないターゲット(認知段階)には、概要やメリットを分かりやすく伝える導入的なコンテンツ。
- 既に興味を持ち、他社と比較検討しているターゲット(検討段階)には、詳細なスペック、導入事例、お客様の声など、より具体的な情報。
- 専門知識のないターゲットには、専門用語を避け、図やイラストを多く使った解説。
- キャッチコピーや写真・イラスト:
- ターゲットの心に響く言葉遣い、共感を呼ぶキーワードを選ぶ。
- ターゲットが自分事として捉えられるような写真やイラストを選ぶ(例:ターゲットと同じ年代のモデルを起用する、ターゲットが共感するシーンを描写する)。
このように、目的とターゲットが明確であればあるほど、デザイン会社やライターへの指示も具体的になり、よりイメージに近い、そして何よりも「成果の出る」パンフレットが完成に近づきます。
もし、「目的やターゲットはなんとなく決まったけど、それをどうデザインやコンテンツに落とし込めばいいかわからない…」とお悩みでしたら、専門の制作会社に相談するのも有効な手段です。
私たちASOBOADでは、リーズナブルにパンフレットデザインをご提案しています。制作経験豊富なスタッフがパンフレット作りをサポートしますので、ぜひお気軽にご相談ください。私たちのパンフレット制作事例や考え方は、公式サイトのパンフレット事例ページでも詳しくご紹介しています。
成功するパンフレット作成は「準備」が9割!
今回は、パンフレット作成で最も重要な「目的」と「ターゲット」の設定について、その重要性から具体的な設定方法、そして実践的なワークシートまでご紹介しました。
ついついデザインや情報の内容にばかり目が行きがちなパンフレット作りですが、実はその手前の「準備段階」こそが、成功の9割を決めると言っても過言ではありません。
「何のために、このパンフレットを作るのか?」
「誰に、この情報を届けたいのか?」
この2つの問いに、あなた自身の言葉で明確に答えられるようになって初めて、本当に効果のあるパンフレット作りがスタートします。
ぜひ、今回ご紹介したワークシートを活用して、あなたのパンフレットの「目的」と「ターゲット」をじっくりと考えてみてください。そして、もしパンフレット作りで何かお困りのことがあれば、いつでも私たちASOBOADにご相談いただければ嬉しいです。
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