世の中には様々なコレクターが存在します。そんなもの集めているの?という不思議なものもありますが、コレクターといえば、やはり「切手」ではないでしょうか。特に消印の入った特別記念切手は価値もあります。コレクターの心を掴んで離さない理由のひとつが、バラエティに富むデザインともいえます。今回は、演劇界の巨匠ウィリアム・シェイクスピアの世界観を見事に描き出した切手デザインを集めてみました。芸術作品にしかみえない美しい切手をみれば、あなたもコレクターの仲間入りかもしれません。(※紹介するデザインは当サイトの制作事例ではありません)
没後400年を記念して販売された世界を旅する珠玉の名言・名台詞が美しい切手デザイン
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シェイクスピア没後400年を記念して発売された記念切手です。シェイクスピアといえば、戯曲つまり演劇作品が有名ですが、戯曲以外にも詩作品でも名作を生み出しています。この切手では、「ヴィーナスとアドーニス」という長編詩の一節がシンプルにデザインに取り入れられています。「Love comforteth like sunshine after rain」というのは、「愛は雨の後の太陽のように癒す」という意味で、シェイクスピアの名言として広く知られているフレーズ。シンプルなフォントの配置、サイズのバランス、余白の取り方、どの点をとっても美しく、ユニバーサルに時代を超えて共感され続けてきたシェイクスピアの言葉を最も効果的に魅せています。
2016年に発売されたこの記念切手は、複数のパターンがあり、「ハムレット」をはじめとする作品の名台詞が、それぞれ異なる趣向を凝らしたフォントとレイアウトで切手というキャンバスを彩っています。一切の装飾がなくとも十分に存在感を発揮する言葉の力を実感できる芸術的な切手デザインです。
代表作が絵画のように描かれた記念切手デザイン
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イギリス王室属領であるジャージー代官管轄区で発行されたシェイクスピア生誕450年記念切手です。シェイクスピア戯曲の代表作6作品が選ばれ、それぞれの作品を象徴するイラストが描かれています。絵画のようなタッチで、作品のテーマをストレートに表現しており、このまま拡大して美術館に展示されていてもおかしくないような完成度です。全体としてどこかグロテスクな空気感が漂っており、まさにシェイクスピアが描く「リアルな人間像」そのものを暗に意味しているのかもしれません。特に「マクベス」と「オセロー」のデザインは象徴的で、それぞれ妻の存在に翻弄される名将でありながらどこか不器用で繊細な男の運命を、見事に描写しているように感じます。
またその他の「ロミオとジュリエット」「ハムレット」「十二夜」「夏の夜の夢」というチョイスが絶妙で、シェイクスピア作品の多様性を証明しています。男女の愛、親子の愛、兄弟愛、師弟愛、あらゆる形の愛があるからこそ、嫉妬や裏切りといった負の感情が湧き上がる、そんな人間の変わらない本質を詩的な言葉で表現しているからこそ、400年以上の時を超えるのではないでしょうか。実にシェイクスピアらしい闇から生まれる美しさが表現された切手デザインです。
シェイクスピア作品を現代につなぐ劇団らしい記念切手デザイン
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シェイクスピア生誕の地、ストラットフォード・アポン・エイボンを本拠地とする劇団ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの創立50周年を記念して発行された切手です。モノクロの公演写真をベースにしたデザインと手描き調の台詞と作品名に、イギリスの郵便会社ロイヤルメールの赤いロゴが差し色になり、モダンさとスタイリッシュさを見事に融合しています。どのパターンも、余白いっぱいに文字があてられており、そのランダムさが絶妙です。シェイクスピア作品を誰よりも深く理解している劇団だからこそ、もの大胆なデザインを使うことができるのかもしれません。
記念切手の中で選ばれる作品としては、レアともいえるのが「ヘンリー六世」。三部作構成の長編で、あの「ジャンヌ・ダルク」も登場する15世紀のイングランドを舞台にする作品ですが、まだ作家としての経験が浅い頃の作品であることから、複数の先輩作家と共同で執筆したという噂がある作品でもあります。記念切手の題材になる一作として、この「ヘンリー六世」が選ぶというセンスにも「さすがRSC(ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー)!」と言うべきなのかもしれません。モダンアート版シェイクスピアともいえるクールな切手デザインです。
世界的にも偉人と認められていることを証明する切手デザイン
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ハンガリーで1964年に発行された切手デザインです。これは、歴史上の偉人をシリーズとして製作されたものの一つで、シェイクスピア以外には、イタリアの物理学者・天文学者・哲学者ガリレオ・ガリレイも同じように肖像画スタイルで描かれています。シェイクスピア生誕400年のタイミングですが、本国イギリス以外でもこのように記念切手となっているということが、シェイクスピアがいかに世界中に愛された劇作家かということを証明していますね。
実際、ハンガリーはもちろん、ヨーロッパ各国で毎年「Shakespeare International Theatre Festival」が開催されており、文字通り国境を越え、言語を越え、世界的に上演され続けています。シェイクスピアの存在そのものにも、多くの伝説が残されていますが、やはりこの肖像画こそが世界的偉人シェイクスピアその人のイメージであり、ストレートにそのまま切手のデザインとして使用することに、重要な意味を感じます。切手の王道ともいえるデザインでも存在感をしっかり発揮する、さすがシェイクスピアな切手デザインです。
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