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啓蒙のための広告デザイン事例について

街を歩けばさりげなく目に留まる啓蒙のためのデザイン事例


啓蒙のための広告デザイン事例について

啓蒙(けいもう)と聞くと漢字の複雑さからか、何やら身構えてしまったり、眉をひそめる人もいるかもしれません。啓蒙とは「無知の人を啓発して正しい知識に導くこと」であり、全部が全部お説教するぞ!というわけではありません。それどころか街中には啓蒙の為のデザインがあふれています。公園の池の周りには「野鳥にお菓子をあげないでください」という啓蒙サインを見かけますし、「トイレを綺麗に使ってくれてありがとうございます」というのも一種の啓蒙と言えるでしょう。デザインで言えば、病院の待合室では様々な啓蒙ポスターを見かけますし、免許を取りに行けばいたるところに啓蒙ポスターが貼られています。

知らず知らずのうちに私たちはデザインによって啓蒙され、様々な知識を取り入れているのです。逆にいうと、より巧みに啓蒙するためには文字情報だけでなく、そのデザインによって人々を正しい知識に導くことができるというわけです。そこで今回は世界中で見ることができる啓蒙デザインを集めてみました。センセーショナルなものからシニカルなものまで啓蒙の形は様々です。是非誰かを正しい知識に導きたい方はこれらのデザインを参考にしてみてください。

 

喫煙の果てにあるものを突きつける広告デザイン制作例

広告デザインを見る (via Instagram)

喫煙反対運動の広告として、セルビアで制作されたデザインです。タバコを1本吸うたびに、素敵な笑顔から1本ずつ歯が失われていく、という結末を、ビビッドかつ強烈に描いています。健康的な女性がモデルになっていることもあり、余計に喫煙によって失うものの大きさを体感できるようになっていますよね。

この広告は、看板や雑誌広告、ポスターとして広く使用され、特に若い世代がタバコに手を出さないようにする啓蒙活動の一助となっています。担当したデザイナーのミロスラヴ・ヴジョヴィック氏は、建築を専攻としていたものの、ロゴデザインで数多くの国際的な賞を受賞し、国際的にも著名な雑誌でも特集が組まれるほどの逸材。タバコを1箱吸い終わる頃には、どこから見ても病人にしか見えなくなってしまう、というのを、実際のタバコの箱を使って視覚的に表現することで、「タバコは毒」と大きな文字で標語のように見せるより、影響力が強くなります。デザインの発言力を痛感する好例ですね。

 

アメリカの銃問題に切り込むポスターデザイン

ポスターデザインを見る (via Instagram)

アメリカにおける銃問題について問うショートフィルムの宣伝かつ啓蒙活動用として制作されたポスターデザインです。生鮮食品のように、パッケージされた銃から、「アメリカでいかに簡単に銃を手に入れることができるか」を表現しています。「GRAB&GO」という「特価」的な売り文句シールが貼られていますが、これは、「買ったらすぐ使える」という意味。妙にリアルで、日常生活でイメージしやすいことが、余計に恐ろしさを増長させますね。

このポスターを宣伝に使用しているショートフィルムは、銃規制を訴える内容で、「誰がアメリカで生き残れるのか?」「人間よりも銃が多くあるアメリカ」というショッキングな文言を組み合わせています。日本には縁遠いトピックではあるものの、日本人である私たちにも「いかに簡単に銃が手に入る」環境なのかが明確に伝わってきます。どのようなバックグラウンドの人にもビジュアルだけでメッセージを届けられる、それこそがポスターデザインの妙と言えるのではないでしょうか。

 

「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。

デザイン料金と作例

各種デザイン作成について
チラシ(フライヤー)・ポスターなど1枚物の紙媒体制作から、パンフレットや名刺・ショップカード・封筒などのビジネスツールのデザイン作成、WEBバナーや店頭看板・交通広告などのデザイン、カーラッピング・ロゴマーク・商品パッケージ・装丁・動画編集に至るまで、様々なデザイン作成に関する業務を行なっております。