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デザイン性がアップする写真とイラストのコラージュデザイン参考例


コラージュとは、元はフランス語から由来する言葉で、「ノリで貼る」という意味があります。写真や雑誌、雑誌などからハサミで切り抜いて用紙に貼り付け一つの作品とするものです。20世紀初頭に生まれた美術の手法ですが、今では実際に貼らなくてもパソコン上で可能になりました。データだからこそできるいろいろな楽しみ方があるかと思います。(※紹介する広告デザインは当サイトの制作事例ではありません)

現代では、多くのデザイナーがコラージュの手法を取り入れて多彩な表現を生み出しています。もともとは紙を切り貼りするアナログな手法であったため、独特の質感や偶然性が生まれやすいのが特徴ですが、デジタル技術が進化した今では、ソフトウェア上でレイヤーを重ねながら作業することで、より正確かつ大胆なアレンジが可能となっています。

アナログとデジタルを組み合わせることで、紙ならではの温かみや手作り感を残しつつ、デジタルの洗練された仕上がりを得ることもできるので、その組み合わせ方によっては全く新しいデザインスタイルを確立できるでしょう。また、スキャンした手描きのイラストや文字を活かす、写真の一部を切り抜いて異なる素材と組み合わせるなど、想像力を広げるほどにコラージュの楽しみ方も増えていきます。

ビジネスシーンでも、プレゼンテーション資料や広告ビジュアルをコラージュ風に仕上げると、他の資料との差別化を図れる可能性が高まります。理論的に整然と並べるデザインとは異なる、独特のアート感や“ハッとさせる”要素を生み出せることがコラージュの強みでもあります。

 

夏のイメージが伝わるコラージュデザイン

コラージュデザインを見る (via Pinterest)

写真のグリーンと人物のモノクロ写真から色を取って統一感のあるイメージに仕上げています。夏と言えば原色を使ったカラフルなイメージですが写真をあえてのモノクロにし、重ねたグリーンの写真がアクセントに。強めの日差しと、ビキニの女性の後ろ姿で夏だということもしっかりと伝わりますね。ラフに行き交う絵具のようなテクスチャもマッチしてオシャレに仕上がっています。

コラージュはテーマ設定が重要ですが、この例では「夏」というシンプルなテーマをモノクロの写真と鮮やかなグリーンの要素に集約しています。原色を全面に押し出すことが多い夏のビジュアル表現において、モノクロと特定の差し色のみで構成するという引き算のアプローチがとても印象的です。

例えば、海や空といった夏を連想させる自然の写真をベースに、人物など動きのある要素を重ねると“開放感”が生まれ、見る人にワクワクした気持ちを与えられます。さらに、手書きのテクスチャやグラフィックをデザインに加えることで、ラフな雰囲気とアート性を同時に高めることができるでしょう。

また、モノクロ写真を使うときは、メリハリや陰影を活かしやすい反面、無機質になりすぎる可能性もあります。そこに鮮やかなグリーンの植物や、日差しを感じさせるオレンジの差し色などを加えると、全体のコントラストが強調され、夏特有のエネルギッシュな空気感を想起させられます。こうしたバランス感覚は、コラージュの仕上がりを大きく左右する大切な要素です。

コラージュデザインを見る (via Pinterest)

先ほどと同じような手法で仕上げているデザイン。こちらもイエローとモノクロ写真で統一されていて背景に少しカラーの写真が盛り込まれています。色を絞ることでよりスタイリッシュなイメージになりますね。

Pinterestなどを回遊してアイデアを取り入れるのも効果的です。自分の頭の中だけでアイデアを練るのではなく、実際に他のデザイナーがどのようにコラージュを使っているかを観察すると、新しいインスピレーションが生まれることがあります。配色、構図、切り抜き方、文字の配置など、細部に注目することで自分のデザインに取り入れたい要素が見つかるでしょう。

また、Pinterestは海外のクリエイターの作品も多数紹介されているため、国や文化によって異なる視点を得られるのも魅力です。日本のコラージュ表現とはひと味違うポップアート的アプローチや、ミニマルでモダンなスタイルなど、多岐にわたるデザインの傾向を比較できるのも大きな強みです。

 

創造性を感じさせるピンクを基調としたコラージュデザイン

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写真に写っている女性の服装のピンクをテーマに、手前に置かれている濃い目のピンクの長方形、そして文字が載っている薄目のピンク、ラフに置かれた絵具のようなアクセントがランダムに重なっています。写真の中から、女性の体が切り抜かれたり、銀紙のような部分だけ切り抜いて浮いていたりと、面の中でしか遊べないような浮遊感がより創造性を高めます。アパレルや美容系のデザインに活きそうです。

ピンクは可愛らしさだけでなく、創造性やエネルギーを感じさせる色でもあるため、女性向けのブランドやファッション関連のビジュアルに取り入れやすいのが特徴です。ここで注目したいのが“切り抜き”と“重ね”の手法。デジタルコラージュであっても、あえて切り絵風にラインを粗くしたり、スキャンしたモチーフをそのままの角度で重ねたりすることで、個性的な雰囲気を強調できます。

また、銀紙のようなメタリックな素材感は、コラージュで使うと一気に近未来的あるいはグラマラスな印象を与える要素になります。反射や光沢を意識して配置すると、平面的な画面の中に奥行きを持たせたり、一部を強調したりできるのです。こうした質感を上手に取り入れることで、単なる“可愛い”だけに留まらない、多面的な魅力を持つデザインになるでしょう。

 

ラフな切り絵を使用したポップなコラージュデザイン

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躍動感のある女性の写真と手だけを切り取った所に、雲や雷がラフな切り絵で表現されて重ねられています。モノクロで統一された空間にオレンジの文字がアクセント。少し雑誌のような文字の配置イメージを崩すかのように、写真や手書きの文字が上に重ねられていくことでリズムがつき、ラフでポップな遊び心が見えてきます。

ラフな切り絵は、子どもの工作のような楽しさや手作り感を演出できるので、エネルギッシュなデザインを求める際に大いに役立ちます。ポップな雰囲気を際立たせるためには、カラフルなイラストや大胆なフォント使いを取り入れるのもおすすめです。雑誌のレイアウトのように文字を整然と配置するのではなく、あえてバランスを崩したり、手書き文字をスキャンして配置することで、より遊び心のあるグラフィックに仕上がります。

さらに、空や天候をモチーフにした雲や雷マークは、ビジュアル上の“動き”を簡単に演出できる要素です。写真の人物に合わせて角度や大きさを調整するだけでもデザイン全体にリズムが生まれ、見る人の目を引き付けやすくなります。こういったアイコニックなシンボルを取り入れるときは、色数を絞るか逆に増やすかを明確に決め、統一感を保つように心がけると、より洗練された印象を与えるでしょう。

 

まとめ

コラージュというもの自体つぎはぎですので、特に深い意味があるわけではないと思うのですが同じ土俵に入れてしまえば一つの作品に見えてきます。テーマを決めて作るのももちろん素敵ですが、遊び心を大切にラフにおいていくことで、より意外性のある作品になるかもしれません。

コラージュの醍醐味は「偶然の産物」をいかに活かすかという点にあるとも言えます。特にデジタル上ではレイヤーの順番や要素の配置を何度でも調整できるため、自分でも想像していなかった発見が生まれる瞬間があります。デザインのセオリーや配色の理論を理解したうえで、あえて崩してみる、ちぐはぐに見える要素を並べてみることで、新たなアート性が浮かび上がることも多々あります。

コラージュを楽しむコツは、最初から完璧な仕上がりを求めないこと。まずは手持ちの写真や素材を自由に切り貼りし、自分の感覚に従ってレイアウトしてみましょう。そこから「もう少し色味を減らしてみよう」「この部分を少しずらしてみよう」と徐々に調整を重ねていくと、“狙ったユニークさ”と“偶然の妙”が程よく混じり合った作品に近づいていくはずです。

また、テーマを設けて作業するときは、そのテーマを象徴するビジュアルとまったく関係ない要素を混ぜ込んでみるのも面白い手法です。統一感が崩れてしまうのではないかと心配になるかもしれませんが、意外な組み合わせこそがコラージュならではの“意外性”を生み、目を引くデザインになることが多いのです。

 

「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。

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