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シェイクスピアの演劇ポスターデザインについて

演劇の巨人ウィリアム・シェイクスピアの演劇ポスターデザイン作成例


シェイクスピアの演劇ポスターデザインについて

演劇に興味のない人でもウィリアム・シェイクスピアという名前ぐらいは聞いたことがあると思います。イングランドが生んだ歴史上最高と言われる詩人であり劇作家です。

これまでに演劇はもちろん文学、映画、ダンスなど様々な形で彼や彼の作品にまつわる芸術作品が作られ、今なお全世界中の多くの人に愛されている偉大なる劇作家です。彼が残した作品は全てが名作であり、全てが代表作と言っても過言ではありませんが日本で最も有名な戯曲は「ロミオとジュリエット」ではないでしょうか。

ロミオとジュリエット

他にも「リア王」「真夏の夜の夢」「テンペスト」「ハムレット」「マクベス」など数百年もの間、世界中で彼の作品が上演され続けているのですからその凄さは言わずもがなです。そして当然、作品が上演されるたびにチケットが販売され、チラシやポスターが作られます。

これほどまでに上演され続けている作品のビジュアルポスターを手がける宣伝デザイナーも並大抵のアイディアでは作れません。誰もがあらすじを知っている作品であると同時に、時代や背景によって演出家はオリジナリティーを加えているはずですから、それらの要望に全て応えなければならないからです。今回はそんな偉大な劇作家の作品の演劇ポスターをご紹介したいと思います。(※紹介するポスターデザインは当サイトの制作事例ではありません)

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王道のロミオとジュリエットをデザインする世界最高峰のカンパニーデザイン

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これはイングランド、ストラトフォードにあるロイヤル・シェイクスピア・カンパニーが上演したロミオとジュリエットの公演ポスターです。誰もが認める世界最高峰のシェイクスピア作品を上演する団体であり、演出家、俳優はもちろんのこと作品に関わるデザインも間違いなく世界最高峰のクリエイターが手がけています。あらすじはご存知の方も多いかと思いますが、対立する二つのファミリーを巻き込んだ壮大な愛の物語ですね。

「何故、あなたはロミオなの?」というセリフはあまりにも有名ですが、ポスターでは真紅のハートに刺さったナイフとえぐり取られたハートが階段になっています。全世界の人が知っている物語をこの公演で世界最高峰のロイヤル・シェイクスピア・カンパニーがどんな演出でみせてくれるのか。そんな期待を抱かせるシンプルで潔いいデザインです。使用されているフォントもクラシックにしつつ気品とエレガントさを出しています。

 

マクベスの違った側面を表現した秀逸な演劇ポスター制作例

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「マクベス」は、ハムレット、リア王、オセローと並ぶシェイクスピア四大悲劇の一つで、実在したスコットランドの王様、マクベスをモデルに描かれた作品です。1600年代初期に描かれた作品だと言われており、演劇はもちろん、映画、オペラ、クラシック音楽、小説、漫画などになっているだけでなく、現在創作されている多くの作品でも引用やオマージュを多数見ることができます。マクベスを扱う作品のデザインはドクロ(骸骨)が用いられることが多く、ドロドロとした印象を植え付けるデザインが多いのではないでしょうか。それは亡霊が物語の中で印象的に登場するためでもあり、予言、裏切り、暗殺、嘘などマクベスを語る上で「死」が重要なキーワードでもあるからです。

しかし、このデザインではそのような雰囲気は感じません。かろうじて血がついたナイフがデザインされていますが、王冠をかぶったマクベスをイメージしたイラストはどこか間抜けで滑稽な感じすらします。マクベスは君主を暗殺し王になりますが、同時に周りの人間に振り回され、見方を変えれば滑稽で情けない哀れな人間にも見えるのです。そう言った作品の多面性を見事に描写したポスターデザインだと言えるかもしれません。

 

想像力を掻き立てるハムレットの公演ポスターデザイン

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ハムレットは、上でもあげた通り、マクベスと同様に最も有名な悲劇の一つですが、マクベスはジェイクスピアが残した作品の中でもかなり短い作品で、反してハムレットは最も長い長編作品としても有名です。急死した王の亡霊から真実を聞いた王子ハムレットは復讐に燃えるのだが…。このハムレットはデンマークの王ハムレットを題材にした戯曲で、日本でも蜷川幸雄など大御所演出家によって何度も上演されている作品なので、物語の詳細をご存知の方も多いのではないでしょうか。

このポスターはロシアのカンパニーが上演したハムレットの公演ポスターです。ハムレットも王家の裏切りや確執が描かれているため、よく精巧な王冠がデザインのモチーフになります。しかしこのデザインではペンキで殴り書きしたようなラフな筆跡が印象的です。下の方に描かれた一の字は主要登場人物の一人、オフィーリアが溺死したようにも見えます。あえて白黒だけで表現されたハムレットの世界が作品を観る前の想像力を掻き立てるデザインになっているのではないでしょうか。また、タイトルが不規則な配置になっていたり、読みにくさや不均等を逆手に取った素晴らしいポスターデザインだと思います。

 

シェイクスピアフェスティバルだからこそ見られる作品のポスター

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アメリカ、ニューヨークで1997年に開催されたシェイクスピアフェスティバルで上演された「ヘンリー八世」の公演ポスターです。この作品の上演を実際に見たことがある人はあまりいないのではないでしょうか。余談ですが、この作品はシェイクスピアによって描かれた戯曲ではあるのですが、他者との共作とも言われている作品であると同時に、曰く付きの作品でもあるからです。ロンドンのテムズ川沿いにあったグローブ座はシェイクスピアの劇団によって建てられた劇場であり、1613年の火事によって一度焼失してしまいました。この時の火事の原因というのが、その時グローブ座で上演していた作品「ヘンリー八世」で使用した火薬の特殊効果が元だと言われているのです。このポスターはヘンリー八世の内容に触れることなく、ニューヨークのシンボルと公演の文字情報を組み合わせたシンプルなものです。

しかし、その色合いと手書き風の書き込みデザインに思わず目がいってしまいます。このように幾つもの作品を上演するフェスティバルのような催しでは、内容を細かく説明するよりも端的に公演情報を表示する方がポスターとしては効果的かもしれません。また、上演の内容によっては大幅な演出の変更や現代的解釈がされていることもあるでしょう。

過去の偉大な作家の作品だからこそ、こうした多様なポスターデザインが生まれるのだと思います。

 

復讐に生きる孤独な王子「ハムレット」のポスターデザイン

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1894年にイギリスで上演されたハムレットの公演ポスターデザインです。シェイクスピア作品の中でも、圧倒的な知名度と再演率を誇る「ハムレット」。父の死をきっかけに復讐の王子と化すハムレットのトレードマークといえば、喪に服し続ける意志を表す黒い衣装です。このポスターでは、ハムレットの「孤独」「悲嘆」が伝わってきます。彼が見つめる頭蓋骨は父を指すのか、彼の未来を指すのか、このワンシーンだけでも、ハムレットの心中の混沌の奥底にある狂気じみた静けさのようなものを感じます。「ハムレット」だからこそ、このシンプルな表現が公演ポスターとして機能するのかもしれません。

ちなみに、この「ハムレット」の舞台は、イギリスではなくデンマーク。舞台とされるデンマークのクロンボー城には「ハムレット」の石版が設置されています。シェイクスピア戯曲の中で最も長い戯曲としても知られるこの作品は、あまりにも多くを語るからこそ、ハムレット彼自身だけを立たせるだけで十分ですね。公演ポスターの存在が、現在よりも芸術的だったと思わせるデザインです。

 

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