どこに行ったらいいのか分からないあなたを導いてくれるデザイン性の高いサイン

スマートフォンやカーナビが普及した現代で道に迷う人はほぼいないではないでしょうか。しかし目的の場所にたどり着いたとしてもいざ建物の中に入ってみるとどうでしょう。いくらスマートフォンの地図アプリが優秀でも目的の部屋までは教えてくれません。会議室は何階なのか、トイレはどこにあるのか、ウロウロしているうちにどこから入って来たのかすら分からなくなってしまった事はありませんか？

偶然誰かが通り過ぎれば尋ねる事もできますが、周りを見渡しても誰もいない…。そんな時にあなたを助けてくれるのは「サイン」です。建物の中で目的の場所を教えてくれるサインは普段目立つことはありませんが、あなたが困った時に自然と目につく場所にあり、なおかつ的確でなければなりません。だからと言って無機質に「トイレ→」とだけ書かれていては悲しくなってしまいます。今回は普段見落としがちな「サイン」を集めてみました。

海を眺める歴史あるホテルのシンプルなサインデザイン

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Causeway Hotelはイギリス、北アイルランドにある170年以上の歴史を持つ三ツ星ホテルです。このホテルのロゴやメニュー表、サインなどをロンドンのデザイン会社が手がけました。室内に設置されたサインや部屋番号などはすべて木目の枠で縁取られており、黒板のような下地にシンプルなフォントで書かれた文字は温かみと懐かしさを感じさせます。そして何よりこのサインの素晴らしいところは木枠から簡単に取り出しができるということです。もし朝食の部屋が変わったとしてもすぐに案内を変更できる点が宿泊客にだけでなくホテル側にも便利だということ。良いデザインとは見た目だけでなく機能性と共に誰にでも優しいということだと改めて感じさせてくれるサインです。

宝飾メーカーのアートプロジェクトの会場サインのデザイン

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スワロフスキーはその名前を聞いて知らない人はいないほど世界的に有名なクリスタルガラスのメーカーです。そのスワロフスキーがドイツのベルリンで開催した現代アートの企画展。そのアートデザインをイギリスのデザイン会社が担当しました。案内状やカタログに至るまで統一したデザインは流石の一言。世界に誇るガラスメーカーだけあって全てにおいて品が感じられます。不規則な多角形でありながら神秘的な感覚にさせる独特のモチーフはやはりスワロフスキーのクリスタルガラスからきています。会場の壁面に大胆に配置された模様によって離れたところからでも視認性が高まり、すぐに目的の場所がわかることでしょう。イベントに来た特定の人に的確に案内を出すというのもデザインの成せる技です。

アーティストが愛したホテルの手書き風サイン

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オーストリアの首都、ウィーンに次ぐ第２の都市グラーツは街の中心部が世界遺産に登録され、歴史と文化の街としてその風情を今も残しています。そんな文化都市にあるGrand hotel wieslerも1909年からある由緒正しきホテルで、あのミックジャガーやマリアカラスも泊まったことがあるそうです。そのホテルの壁にデザインされたルームサイン。階段の脇にサラリと書かれた文字はもうお洒落としか言いようがありません。歩きながら確認するというよりかは、思わず立ち止まって指でなぞってしまいたくなる程、愛着のあるフォントです。ですが、実際は気まぐれに書かれたわけではなく、読みやすさと風合いが両立した素晴らしいデザインだと思います。ホテル全体の雰囲気を壊さず宿泊客を誘導するセンスはなかなか真似できない技ですね。

競馬場のサインデザイン

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1946年からあるアメリカのポートランドの競馬場、Portland Meadowsの場内サインです。この競馬場のロゴは中心にオレンジ色の蹄鉄が描かれており、オレンジ色がシンボルカラーとなっています。ですから、場内で使われるデザインなどにも様々なところでオレンジ色が使われ統一した雰囲気を出しているのです。競馬場の場内は複雑かつ、競馬以外の施設もあるために不特定多数の人が出入りします。そこで求められるサインとはどのようなものか…。答えは、気取らず単純明快で誰もが一瞬で認識できるもの。まさにその全てを満たしているサインだと思います。イメージカラーのオレンジを上手に取り入れ、一度に大量の人を捌くことを目的にデザインされたサインは無骨なコンクリートの柱でもちゃんと機能を果たすことができるのです。