紙媒体でもデジタルメディアでも、文字のしつらえはデザイナーの基本であり腕の見せ所です。読みやすさはもちろんのこと、見出しやロゴタイポグラフィの場合、魅力的な見せ方が求められます。古今東西問わず、絵を添えたり変形やサイズのギャップを出したりと、よりグラフィカルな文字のしつらえは数多研究されてきました。ここでは、特に陰影が印象的な3つのタイポグラフィが優れたグラフィックデザインをご紹介します。(※紹介するデザインは当サイトの制作事例ではありません)
打ち抜いたような文字の立体感と空間の広がりを感じさせるデザイン
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まるでプラスチックの板を打ち抜いたかのような、統一された立体感がユニークなポスターデザイン。文字と横桟以外の、背景になる部分を抜いたことで黒い背景に不思議な空間の広がりを感じさせています。背景に黒、文字の表側にクリーム色を乗せたことで、視線を流すうちに、黒い部分が前に出てきてみる図地反転の錯覚を起こし、立体の見え方が逆転する現象がみられる点も興味深いところです。
真っ黒な背景に段差を感じさせる文字たち
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見えない階段に文字を折って貼り付けたかのような立体感に引き込まれるポスターデザイン。黒一色の背景に、階段の段差が見えるようです。文字の白の中にも微妙な階調を持たせたグレーを溶け込ませることでよりリアルで物質感のある文字になっている点もポイント。白の階調の複雑さが黒をさらに奥行きと深みのある影に見せてくれます。様々な変形の可能性があり、汎用性を感じさせてくれる加工方法です。
目立たせたい一文字をドラマティックに演出したデザイン
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第9回目のイベントのお知らせとあって、「9」のしつらえにこだわった作品。引き込まれるようなシャープな幾何学的造形と、金属的な重みを感じさせるグラデーションを立体感の表現に自然になじませた点に注目です。「9」のフォント自体も、ジオメトリカルなシェイプのものを選んだことで、より未来的な印象を与えています。白と黒の階調変化で重み・奥行きを感じさせる、グラフィカルかつ風合い感じるデザインです。
ご紹介した3つのグラフィックは、白黒と薄い配色のみのシンプルなデザインです。色味の少なさ、文字という制約を巧みに活かし、引き込まれるような立体感・重みや質感まで表現されています。クライアントとの打ち合わせでは文字や言葉でコンセプトを表現し共有することが多いかと思います。それをそのままタイポグラフィデザインとして表現するのはとてもストレートな表現。直球だからこそ難しいデザインでもありますが、見出しやロゴ、ちょっとした飾り文字にしたい箇所に施すヒントが見えてくるのではないでしょうか。
「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。デザイン料金と作例
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