モノクロのイラストの魅力は、白と黒のコントラストで陰影の深みを表現できるところです。怖さや不気味さをプラスしたい時にも有効に用いられます。今回は、意味深な印象を受けるモノクロのイラストを使ったブックカバーを紹介します。(※紹介するデザインは当サイトの制作事例ではありません)
少年たちの複雑な心理をモノクロによって深みを持たせたデザイン
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こちらは、スーザンヒルの「城の王」という物語のブックカバーです。一見、森の中で子供達が楽しくシーソーで遊んでいる場面のようですが、よく見るとその表情は暗く、どこか悲しげな雰囲気が漂っています。この物語は、11歳のエドモントのお屋敷に母と一緒に居候することになったチャールズが、エドモントから執拗ないじめを受けるようになるというストーリーで、奥行きのある深い森のイラストが子供達の複雑な心理を表現しているかのようなデザインになっています。
暴力的な男性たちの様子が描かれたブックカバーデザイン
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こちらは、「高い城の男」というSF小説のブックカバーです。デフォルメされたイラストで、男性たちがナイフで争いをしている場面が描かれています。モノクロであることでグロテスクな表現は緩和されていますが、ナイフで刺されて血を流している様子が見て取れ、一体どんなストーリーなのか興味を持たせるデザインに仕上がっています。白黒の二色のみで描かれているその表情は強い意志のようなものも感じられます。
地球の危機を描いたイラストが意味深な雑誌カバーデザイン
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こちらは世界25か国でリリースされているフリーマガジン「VICE」のカバーデザインです。中心にあるのは地球でしょうか。雷や火事などの災害、大蛇に噛み付かれていたり、刀が突き刺さっていたりミサイルや爆発の様子も描かれています。緻密なタッチのモノクロイラストで、世界規模で起こっているいろいろな危機を表現しており、とても考えさせられるデザインになっています。
イラストを用いたデザインは、写真では実現できない表現や、繊細な人間の表情を描くことができます。さらにモノクロにすることで深みを出し、そこに込められたいろいろな意味を考えさせるという意図もあるかもしれません。
「デザインインスピレーション」のコーナーでは、世界中のデザイン制作事例をピックアップして紹介しています。※当ページは世界中のデザイン制作事例を紹介するコンテンツです。当サイトのデザイン実績ではありません。書籍の装丁デザインについて
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